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五行目の先に

日々の生活の余白に書きとめておきたいこと。

10月19日(日)晴:2つのタスク

2008-10-21 01:45:53 | 仕事
 11時に起床。食パンにパテを塗ったくって食べる。金曜日にお金を下ろさなかったせいで、今日も財布には小銭しか入っていない。とりあえず炊飯ジャーのタイマーをセットして大学に出る。

 今日はやるべきことが2つ。ひとつは科研の書類を完成させること。もうひとつは明日の授業の準備。さてどちらを優先させるか。少し思案して、とりあえず前者ということにする。

 今日のクライマックスシリーズ第3戦は、昨日のダルビッシュ投手のピッチングの残像が焼き付いてしまったのか、ライオンズ打線が実に硬い。その一方で先発の帆足投手が昨日の岸投手同様、早々につかまってしまった。終盤追い上げたのはよかったにしても、とてもイーブンという感じはしなくなってきた。

 試合の行方がほぼみえてきたところで、生協のコンビニにおやつを買いに行く。菓子パンを2つ。「笑点」をみながら1つ食べる。もうひとつはおそらく夜食になるだろう。

 ここで第一のタスクをいったん放擲して、第二のタスクのほうに移る。講義ノートは割と簡単にできたのだが、配付資料の画像処理に手間取る。本からスキャナで読み込むのだが、どうも画像に傾きが生じてしまう。それが気に入らなくて、何度も何度も撮り直しをする。そもそもコピーしたものを紙に切り貼りしてしまえばそのほうが早く、見栄えもいいはずなのだが、何となくデジタルデータで保存しておくほうが気が楽なのだ。拡大や縮小なんかはデジタル画像のほうが断然便利だし。挙げ句の果てに傾き補正ができるフリーソフトなんかをネットで探したりしたものだから、余計に時間をロスした。

 自宅に帰れば炊きたてのご飯が食べられるはずだったのだが、到底それはかないそうにない。やむなく戸棚から非常用のカップ焼きそばを取り出して食べる。

 「笑点」が終わった後も、テレビはつけっぱなしにしておいた。本来なら仕事の邪魔になるのだけれど、何となく音が出ていたほうが落ち着くような気がしたので。

 日付が変わってから1時間ほど経ったところでようやくまとめる。最後のほうはただただ終わらせることだけを考えて書いているので、「夜中に書いたラブレター」のようになっている気がしてならない。だが、今さら読み返す気にもならないので、チェックは明日回しにする。何とかなるにはなったが、もう少し計画的に仕事を進められるようにならないと、これから大変なことになりそうだ。

 帰宅して、風呂に入りながら東野圭吾『探偵ガリレオ』を読み始める。とりあえず一日1章のペースで。だが、読んでみるとなんだかテレビドラマのほうが面白いような気がする。そりゃあ映像があるほうが伝わりやすいわけだけれども、それだけドラマの作りがよくできているのだな、と思った。

10月16日(木)晴:おやつ

2008-10-20 03:17:38 | 仕事
 ほぼいつものパターンを踏襲して大学に出る。午前中はメール書きやら何やらであっという間に過ぎる。

 昼休みにゼミ生がやってきた。昼食を摂りながら雑談。午前中は総合演習でフィールドワークに出ていたそうだ。話しを聞いているだけで楽しそうである。こんなにいいお天気なら、僕もいっそのこと授業を休みにして外に出かけたほうがいいや、という気分になる。

 3コマの「比較社会学」は「食べる」がテーマ。「今日のテーマ曲」は「およげ!たいやきくん」を流す。本当は文明堂のCMの曲がよかったのだが、音源が入手できなかった(授業の後で入手できることがわかった)。昨日買っておいた駄菓子をみんなに配る。うまい棒とか、マーブルチョコ(のバッタもん)とか、餅太郎とか。「食」の3つの意味について説明をした後で、「おやつ」という1955年の教育映画を観る。

 「おやつ」に対する意識喚起を促す映像をみながら、あまり体によさそうにない駄菓子を食べるというのはおかしい感じもしたのだが(でも成分表示をみると、意外と食品添加物が使われていないのがわかる)、学生さんたちは結構楽しんでくれたようだ。僕にとっては餅太郎のパッケージが、いつの間にか和紙からビニールになっていたのはちょっとした驚きだった。

 4コマの「公民演習」は、中根千枝『タテ社会の人間関係』を読む。できるだけ多くの冊数をこなすことを目標にしているので、要約の作成は課さず、コメントと論点の提示をしてもらうようにした。これまで、僕のゼミでは極力新しい本を選んで読んできたので、『タテ社会の人間関係』のような「古典」(基本書、といったほうが適切かもしれない)はほとんど扱ってこなかった。ただ、今後3年生たちが卒論を意識して勉強していくのであれば、その足場になるようなものをきちんと読み込んで、咀嚼していく必要がある。その辺の意図がうまく伝わればいいと思う。

 明日の2コマの大学院の授業の準備に頭を悩ます。「比較社会学」と同様、映像を取り入れたものを考えているのだが、何せ映画のほとんどは2時間近いものだから、適度に編集してやらなければならない。だいたい1回は観たものだけれど、いざ場面をピックアップするとなるとなかなか難しい。それでも何とかまとめ上げ、僕のほうでいくつかの論点をレジュメにまとめる。とりあえずこんな感じで1回やってみて、どうなるか様子をみてみよう。

 先日の映像編集のお礼に、と夕飯をご馳走になる。珍しく飲み会に長々とお邪魔をして、2時近くに帰宅。さすがに体が冷えた。

10月7日(火)雨後曇:笑わない

2008-10-09 02:12:48 | 仕事
 9時起床。外は雨が降っている。トースト1枚を食べて出かける。土手町通りと駅からの道の交差点のところで、歴史科の学生さんと会う。そのまま雑談をしながら歩いて大学へ。

 研究室に着くと、例によって先にゼミ生が来ている。今日こそは先に、あるいは同じくらいに着くと思っていたのだがなあ。2コマの授業まで少し時間があったので、コーヒーを淹れて、ここでもおしゃべりする。

 仕事を始める。基礎ゼミ担当者の仕事である助言教員カードの移動を済ませていないことに気づいて、慌てて各講座の窓口教員の先生に届ける。生涯教育課程と中学校専攻の分は引き継いだが、小学校専攻の分は年度末まで僕が保管することになる。

 3年生の2人が研究室にやってきた。生協の弁当を買ってきて昼食を摂る。今日も東京巡見の打ち合わせ。いろいろパンフレットを取り寄せてみると、新幹線利用でもホテル付きのパックのほうが「はやて東京フリーきっぷ」よりもずっと格安だ。僕の場合、実家があるのでなかなか利用しづらいが、1泊だけホテルを利用すればいいわけだから、次からは使ってみてもいいかもしれない。

 4コマの「社会学の基礎」のガイダンスに行く。教室に着くなり、一緒に担当する先生方から「今日は何か着込んでないの~?」と聞かれた。「35になったのでコスプレは卒業です」と返す。「社会学の基礎」は前期に2つ、後期に1つと1年度に3つ開講されるのだが、今日も大教室はいっぱいである。さすがに立ち見は出なかったが。

 科目主任の先生、テキストの編者の先生の説明があった後、各担当者のスピーチがある。僕はガイダンスが始まったときからずっとしかめっ面をしていた。もちろんここから仕込みである。マイクを持って話し始めてからは、演説口調で、少しだけ並み居る先生方をいじりつつ、下ネタをふんだんに盛り込み、教育における「大いなる愛」と「大いなる矛盾」について話した。鳥肌中将をイメージしながらしゃべったつもりだが、あの域に達するには30年はかかる。きわめて中途半端に終わってしまったが、クスクス笑っている学生さんが結構みられたからまずまずか。途中でゼミの2年生がいることに気づき、ちょっとしまったと思ったが。

 研究室に戻ったところで自宅に今夕必要な書類を忘れたのに気づいた。ちょうどゼミ生が帰るところだったので、散歩がてら郵便物を持って駅まで歩いていく。駅ビルのドトールで一服。駅ビル4階にある鵞湖書房に寄ったら、15日で閉店するという貼り紙があった。狭い店だが、立地がよかったのでなくなるのは残念。確かに駅の近くには宮脇書店とくまざわ書店があるので、厳しかったのだろうが。

 忘れ物を取って大学に戻る。今夜は書類書きで終わりそうだ。だが途中6時半近くになってテレビをつける。「スーパーJチャンネルABA」の番組内で「未来新聞コンテスト」の審査結果が発表されるのだ。

 研究室でみていたのだが、お隣の歴史の科室にも学生さんがいたので、ドアをノックして「今からABAをみるんだ!」とだけいって、戻る。僕は最終審査ではあまり発言しなかったのだが、審査委員長と同僚の先生、それから僕の発言はちゃんと拾ってくれていた。短い時間だったが、議論の核心部分を捉えていて、ディレクターさんの技量に感服した。

 その後はひたすら書類に向かう。気乗りしない仕事で、なかなか進捗しないが、とにかく今日いっぱいで何とか上げなくてはいけない。ようやっと仕上げた。遅くなったが、夕食は自宅で摂る。何はなくとも熱い日本茶があるとほっとする。

10月6日(月)曇後雨:ゼミPR

2008-10-07 00:10:07 | 仕事
 9時起床。トースト1枚を食べ、自転車で大学に出る。どうも雲行きは怪しそうだ。

 今日から始まる「地域生活調査方法論」の授業準備。話す内容は昨日用意しておいたのだが、小グループに分かれてのプレゼンテーションの機会を1回増やしたくなった。履修予定は40名あまり、5人ずつ8グループを組んで、4グループ×2回。となると1グループの持ち時間は20分ちょっと。

 これだと質疑応答の時間まで確保するのは難しいだろう。そこで9グループ編成で、3グループ×3回で行くことにした。1グループ30分ならじっくりできるだろう。だとすると、今日はオリエンテーションで終わるのではなく、授業をする必要がある。

 今日も昼食は生協の出店の弁当で済ませる。先週は賑やかに食べていたので、しとしとと降る雨と相まって、少し寂しい感じ。

 3コマの「地域生活調査方法論」は、教室が狭く、40人ほどでも窮屈に感じる。机と椅子が固定式なので、グループワークなどにはあまり向いていない。事前に可動式(小学校のような机と椅子)の空き教室をチェックしたが、生憎なかった。仕方がない。

 履修者は全員地域生活専攻の1年生。何人か見知った顔もある。この授業に関しては、全員の名前と顔を覚えたい。5回目くらいまでに何とかなるだろうか。いろいろ話してみると、なかなか親しみやすく、楽しくやれそうだ。ひょんなことから受け持つことになったのだが、来年の2年次の地域生活調査実習にうまくつなげていくのが目標。

 授業に出ていた学生さん2人が研究室に来る。ゼミを選ぶので内容を聞かせてください、とのこと。もうそんな時期になったのか。地域生活専攻の場合、10月中に所属ゼミを決めることになっているそうだ。うちのゼミ生の現時点での問題関心はこんな感じになっています、と説明した後で、2人がどんなことをやってみたいか話しを聞いてみる。なんとなくうちにフィットしそうな印象をもった。

 研究室のドアのあたりでガサゴソと音がして、人の気配がする。ドアを開けて外をみると、3年のゼミ生2人が立っていた。研究室をノックしようとしたが、大事な話しをしているのかも、と思って遠慮していたのだという。廊下は冷えるからノックしてくれればよかったのに。だがベストのタイミングできてくれた。ゼミのPRは僕がやるよりも2人に任せたほうがうまくできるだろう。

 この時期になると、2人が初めて研究室にやってきたときのことを思い出す。一番最初に訪問してきた学生さんに、セーラー服とブルマーの話しをしたことは、われわれ3人の思い出話のなかに必ず登場する。今日も2人が来る前にしておいたよ、といったら、「今年もやったんですか!」と呆れられた。でも定番ネタだからねえ。

 だんだんPRというより、トリオのコントみたいになってしまった。もしこの雰囲気を気に入ってもらえるのなら、うちに来てもらいたい。しっかり者の3年生と、彼女たちと精神年齢がほとんど変わらない教員がお迎えします。

 1年生が帰っていったあとに2人と急遽決まりそうな東京巡見の打ち合わせをする。僕のスケジュール的には問題はなく、楽しみだ。

 6時近くに同僚の先生がやってくる。プレゼンテーション用の映像の編集作業をお手伝いする。素材となる映像における「津軽の表象」が実にうまくできていて、2人で大笑いしながら作業する。

 山田野の資料整理をしていたら、9時半近くになった。そろそろ帰ろうかと思ったところでサポーター実習の受け持ちの学生さんがやってくる。山田野の話しに興味をもってくれて、しばらく雑談。

 午後からはお客さんの多い一日だった。雨が降り続いていたので、歩いて帰宅する。ますます冷え込みが厳しくなった感じだ。

10月4日(土)曇:「未来新聞をつくろうコンテスト」審査会

2008-10-05 14:13:19 | 仕事
 8時半起床。トーストを1枚食べ、今日のために買ったシャツとジャケット(安物)を着て出かける。

 同僚の先生と、弘前駅の改札口で待ち合わせる。各駅停車で青森に向かう。普段青森に行くときには車か特急を使う(自由席だと500円プラスで済むので)ことが多いので、鈍行は久しぶり。本を読んだりうたた寝するにはちょうどいい時間と速さのような気がする。青森から通学している学生さんは、こんな時間を日々過ごしているんだな。今日の車内ではずっとおしゃべりをしていたが。

 青森駅からタクシーで第二問屋町のゆうネットシティホールへ。ここが今年の「ABA未来新聞をつくろうコンテスト」の審査会場である。来週の日曜日にDDT、大日本、K-DOJOの三団体が主催するプロレス興行が行われる「問屋町ビッグサイト」と同じ敷地だと知って驚いた。これなら迷わずたどり着けるだろう。審査会が翌週だったら、青森に泊まっていたところだ。

 会場に入ると、ABAのコンテスト事務局の皆さん、審査員の先生方とごあいさつする。いずれも昨年ご一緒した方々なので、1年ぶりの再会を喜ぶ感じ。ホールのテーブルには、すでに一次審査を突破した作品が並べられていた。

 お昼ご飯(鰻重)をいただく。僕みたいなのにまでいいものを食べさせてくださるので、俄然気合いが入る。審査の説明を受けてから、60点あまりの作品をひとつひとつ眺めていく。1点ずつ、採点をして提出することになっている。与えられた時間は約3時間なので、1点につき2~3分で目を通すことになる。覗きこむようにしてみていくので、なかなか首が疲れる。

 それでもそれぞれのチーム(小学校5・6年生が3~5人のチームを組んで参加する)の創意工夫をみるのはとても楽しい。今年のテーマは「2050年の環境と暮らし」で、2050年時点の新聞を作成する。2050年というのは、2100年でも2200年でもない。彼ら彼女らが実際に生きている時代である。それこそ50代の働き盛りといった時期だ。そんな時代について、単なる空想に尽きない未来像をどう描くかがポイント。

 昨年と同様、テレビカメラの前でコメントをしゃべった。緊張して途中でしどろもどろになってしまったような。ディレクターさんが「もしいい足りないこととかあったら撮り直してもいいですよ」といってくださったが、格別うまいこともいえそうになかったので、「そのままでお願いします」と応えた。

 各審査員の点数の合計が発表された後で、優秀作品と最優秀作品の選出が行われる。ここからは合議である。このあたりからは、それぞれの「こだわり」の作品をめぐって議論が戦わされる。真剣な時間である。最終的な結果については、僕は大いに納得ができた。

 会場を引き払い、おつかれさま会。審査員の僕などは、今日1日参加しただけだが、事務局の皆さんは1年がかりで準備を進めてこられた。小学校への告知から応募作品の受領、整理など、大変な作業をしてきたのだ。様々なご苦労があったことが話しの端々から偲ばれた。

 何だかんだで結構疲れた。早く帰って熱いお茶が飲みたくなった。僕には研究室でゼミ生たちとしみじみお茶を飲むのが一番合っていて、それが最もくつろげる、楽しい時間なのだ、とずっと考えていた。

 帰宅すると、ABAさんのHPに審査会の模様がアップロードされていた。夕方のニュースで流れたようだ。僕もちょろっと映っている。今週7日(火)の「スーパーJチャンネルABA」のなかで審査結果が発表されるそうですので、興味がある方はご覧ください。

10月3日(金)晴後曇:志村けんと大泉洋とアントニオ猪木

2008-10-04 01:04:23 | 仕事
 8時半に起床。朝食はトースト1枚。ここのところ運動不足ゆえ、少し食べる量を減らす。

 前期は3コマに行っていた大学院の「社会学演習」は、履修している院生さんの都合で2コマに移動することになった。今期唯一の午前中の授業である。僕にとっては週末の帰京に都合がいい(14:28弘前発の「つがる22号」に間に合う)ので、ありがたい。

 夏休み中の課題である、自伝を用いたライフコース整理表・浮沈曲線作成の人物として、2人の院生さんが選んだのが志村けんと大泉洋である。僕のアントニオ猪木は昨日書いたとおり。

 志村けんといえば、何といっても村山(もっとも志村さんは東村山で、僕は武蔵村山なのだが)が生んだ大スターである。彼がおばあさんを演じているときの話しことばは、まぎれもない村山ことばだった。細かなエピソードも紹介してくださって、面白かった。「変なおじさん」のキャラが、ボケてしまった父親をモチーフにしているなんて初めて知った。

 大泉洋は、僕と同じ1973年生まれ。報告者はテレビに出たてのころから彼のファンなのだそうだ。彼が学生の時分には、教育実習の帰りのスーツ姿で「水曜どうでしょう」に出演していたこともあるそうだ。今や知名度は全国区になり、ノリにノっている感じではあるのだが、浮沈曲線(「きわめて順調」から「きわめて低調」までの5段階でつける)の現在の位置が「どちらでもない」になっていたのは、古くから思い入れをもってみているファンならではか。彼自身の地元志向の強さと、人気者の彼を使いたいテレビ局の狭間で揺れているという評価なのだそうだ。

 アントニオ猪木に関しては、子どものころにプロレスをよくご覧になっていたそうで、天龍さんとか長州力の話題で盛り上がる。僕よりも若い院生さんはさすがについてこれないようだったが。昔倍賞美津子と結婚していたことにも驚いていた。さらに話しは逸れて、倍賞美津子の代表作(テレビドラマ)は何だろう、と話していたら、なかなか思い浮かばなかった。

 さらに脱線は続いて、なぜか「お笑いウルトラクイズ」の話題になった。ちなみに大泉洋も「お笑いウルトラクイズ」は大好きなのだとか。もちろん僕も大好きだった。お正月早々に、今では考えられないような「低俗番組」が堂々と放映されていたのだから、いい時代だった。僕の一番のお気に入りは、「人間性クイズ」で出川哲朗が司会を任されたシーン。出川が調子に乗って、ダンカンの頭をはたいたら、激怒させてしまうというやつだ。あのときのダンカンの名演ぶりは、その後映画などで存分に発揮されることになった。ああ懐かしい。

 そんなこんなで、大学院の授業としてはアレかもしれないが、やけに面白かった。

 院生さんが帰ってから少しして、ゼミ生がやってくる。置いてあったカバンを取りにきただけかと思っていたら、お弁当を取り出したので、今日もお昼をご一緒することにした。生協の出店の弁当を買ってくる。戻ると熱いお茶を淹れておいてくれた。

 彼女も「水曜どうでしょう」のファンなので、引き続きその話題でおしゃべりする。青森での放映は東京あたりよりも早く、お母さんともどもすぐに大好きになったのだそうだ。今度お会いする機会があったら、そのときには「僕も大泉洋と同世代です」といってみたらウケがよくなったりするだろうか。

 ゼミ生とはよく家族の話しをする。お母さんとはオープンキャンパスのときにお話しもしたが、お父さんや弟さんとも一度ごあいさつをしたことがある。とても仲のよい、素敵なご家族なのだろう。話しを聞いていると、2時間かけてでも頑張って自宅から通う理由がわかるような気がする。僕自身が長いことそうだったからいうわけではないが、家族との同居には、それなりのメリットがある。健康面や精神面での安定といった点に関しては、僕はかなりの部分、家族に負っていた。そうした支えがなかったら、現在割と健康に働けている僕はありえない。もちろん、それはとても恵まれていたのだということを忘れてはいない。

 教育実習の資料にと借りていった本を返して、少し軽くなったような(それでもまだ結構重そうにみえた)カバンを背負って、3コマの授業に出て行った。実習の前に、こんなの授業で使えるんじゃないかな、と渡したビゴーの『日本素描集』などはずいぶんと活躍したそうだ。実際にそれらを用いた授業をみてみたかったな。

 午後は山田野関連の本を拾い読みする。日程が固まっているわけではないが、雪が降る前に何とかもう一度調査に出たい。それまでにもうちょっと僕のほうで勉強をしておかなければ。

 夕方に、更新をサボっていた2日間の日記をまとめる。まとめるつもりがまとまりのない、冗長なものになる。今日もそうか。

 月末に山田野ネタでひとつ小さな報告をさせてもらうことになった。今度はそちらの準備を進めていかねばならない。期限を切られないと何もできない性分なので、これで多少は自分にプレッシャーをかけられるだろうか。

 自宅で夕食を摂り、「健康温泉桃太郎」へ。いつもは200円の土曜日に行っているので、混雑しているが、平日の終業時間間近となるとずいぶん空いている。回数券も1回あたり実質210円ほどなのだが。自宅の風呂と違い、温泉は長くあたたまった感じが持続するのがいい。これからは再びちょくちょく通うようになるかもしれない。

 帰宅して、何か面白い映画がないものかとWalkerplusのホームページを眺めていたら、「鳥肌実」の文字が目に入った。鳥肌中将は大好きである。彼の主演映画「タナカヒロシのすべて」などは繰り返し観た。再び中将出演の映画とあらば、ぜひ観てみたい、と思ったら、なんと短編で、しかもWebで観られる。東京ネットムービーフェスティバルの特別企画作品「泥棒日記」。たった20分でありながら、ラストでほろりとさせられる作りは見事。加えて鳥肌中将の魅力も存分に発揮されている。ご用とお急ぎでない方は、ぜひ観るべし、観るべし。

10月2日(木)晴:実り

2008-10-03 18:58:46 | 仕事
 8時半に目が覚めた。つい先日までの鬱屈した気分はどこかに吹き飛んだ。

 トーストをかじってから、新書を2冊手にとって読む。この2冊は「公民演習」の前期末の課題レポートの指定文献にしておいたもの。今日の演習ではレポートを返却して、その内容を報告してもらい、議論をしよう、ということになっている。いずれも以前読んだものなのだが、もう一度目を通しておこうと思ったのだ。だが、学生さんの前で読むのは何となくかっこ悪いような気がして、自宅で読むことにした。

 11時過ぎに大学に出る。今日は先に3年生2人が研究室に来ていた。ちょっとバツが悪そうに「おそうございます」といって荷物を置き、パソコンの前に座る。メールチェックを済ませるともうお昼どきだ。2人ともお弁当を食べるところだったので、今日は僕も買ってきて食べる。食べ終わった後で、赤ペンと青ペンで線引きだのコメントだのを書き込んだレポートを返す。僕がどんなことを書いたのか、めくりながら読んでいる。かなり細かいことまで書いたのだが、2つのレポートとも実によく書けていた。2人とも大変立派に成長されました!とおどけていう。

 3コマは「比較社会学」の初回。ガイダンスだけなので20分で終わらせる。この時間空きコマの2人も出てくれている。彼女たちがいてくれると、授業の出来不出来をチェックしてもらえるのでありがたい。

 「公民演習」は4コマなのだが、その時間まで待つのもバカバカしい。何せ履修者はゼミの3年生2人だけなのだから。早めに終わってもいいし、とスコーラムに行く。ちなみに演習(3年次以上)とゼミ(2年次以上)は、僕は分けて行っている。演習はちゃんと単位になるが、ゼミはインフォーマルなもので、当然単位は出ない。だが、どうやら単位をあげる術があるらしい。僕はそのことを知らずに手続きを取らなかった。ゼミ生には申し訳ないのだが、その分僕もゼミの時間は「無償労働」ということになっているのだ。来年度はちゃんとしなきゃ。

 ドリンクをオーダーして、2人にレポートを報告して(読んで)もらう。音読すると、前後のつながりがおかしいところなどがわかるので、あえて読んでもらった。ひとりは土井隆義さんの『友だち地獄』(ちくま新書)、もうひとりは森真一さんの『ほんとはこわい「やさしさ社会」』(ちくまプリマー新書)についてそれぞれレポートを書いてくれた。

 要約のところまで読んでもらって、僕からふたつ、アドバイスを入れる。

 ひとつは接続詞「また」の使い方について。要約をするというのは、どうしても内容の切り貼りになるので、必然的に「捨てる」部分が出る。そしてある部分を捨てた後でつなごうとすると、これがなかなかやっかいになる。その際、「また」というのは便利な接続詞で、気軽に使える。けれど、あまりに乱発してしまうと、章なり節なりの構造や文脈がレポートの読み手にうまく伝わらない。だから接続詞の使い方にこだわろう、といった。

 もうひとつは主語の大切さについて。本の本文では、時として主語を省略しても意味は通じるのだが、要約で主語をはっきりさせておかないと、文意がぼけることがある。ゆえに、主語を省略して要約している部分については、そこにあるべき主語が何かを意識するといいね、と話す。

 こういったところ、実は僕にとってもものすごく苦手なことなのである。大学院生のころに徹底的に直された。おかげで昔より多少はましになったのだが、気をつけていてもなかなかうまくいかないものではある。

 考察部分は、2人ともしっかりとした要約をふまえ、それぞれ自分の考えたことがきちんとまとめられていた。2冊の内容もかなり関連しているので、考察で書かれた論点をピックアップして、3人で議論する。これがとても面白かった。僕自身、2人の考察を読んで新たに考えたところもあって、素直に楽しむ。

 レポートといい、議論といい、2人の成長を実感できた。面と向かっていうのは恥ずかしかったが、率直にそういったら、2人も照れたように笑っている。僕はあんまり手をかけてあげていないのだけれど、それでも着実に実っているものがある。

 早く終わろうといっていたのが、あっという間に1時間半を過ぎてしまった。スコーラムの方のご厚意で、閉店時間を過ぎた3時半までお邪魔させていただいた。かれこれ2時間以上しゃべっていたことになるが、全く長いと感じなかった。2人とも異口同音に充実していた、といってくれた。これからもこんな調子でやっていきたいね。

 2人は5コマも授業があるので、しばらく研究室でゼミ旅行の計画について話す。スケジュールや予算の制約がいろいろあるので、そんなにぜいたくはできないが、どこに行けるか、楽しみだ。

 夕方から猪木寛至『アントニオ猪木自伝』を読む。明日の大学院の演習で、2人の院生さんと、有名人の自伝を用いてライフコース整理表と浮沈曲線を作成し、報告し合うことになっている。そもそも夏休みの課題だったのが、前日になって慌てて準備しているのである。

 それにしてもアントニオ猪木の人生は面白すぎる。浮沈曲線を描いてみたら、上がったり下がったりのまさに波瀾万丈になった。院生さんたちはどんな人物をチョイスしてくるのか、楽しみだ。

 10時に帰宅して、夕食を摂り、風呂で河合敦『戦国合戦 15のウラ物語』(PHP新書)を読む。北条氏照の名将ぶりなどはこれまで全く知らなかったことで、とても面白い。本当に、戦国史はいくらでもネタがあって、飽きることがない。

9月26日(金)曇ったり雨が降ったり:「教職入門」最終日

2008-09-27 13:39:56 | 仕事
 7時起床。外をみると曇り。今にも雨が降り出しそうだ。トースト2枚とコーヒーの朝食を済ませ、ネクタイを締めて大学へ。小雨がぱらついているが、気にせず自転車をこぐ。

 研究室でメールチェックをしてから、今日の「教職入門」の見学校であるD中学校へ。大学からは歩いて7、8分といったところか。集合場所の校門の前にはすでに数人の先生と学生さんが集まっている。道路の向こう側にあるB小学校(こちらも同じく見学校である)のほうをみると、地理学のK先生が手を振っている。僕も振り返す。

 今日も集合時刻までに全員が集合して、スムースに学校に入る。D中学校は後者も新しく、バリアフリー設備も行き届いている。校長先生のお話しと諸注意を聞いた後、見学場所へ移動する。

 2校時はグラウンドでソフトボールの練習を見学する。担当の先生は、生徒さんたちの先頭を切って準備運動やジョギングをしている。僕が中学校のころの体育の先生なんて、生徒たちにやらせるだけで自分は何もしない、というのが多かったから(これは見学の学生さんたちもそういっていた)、新鮮だった。とても親切で、やっている生徒さんたちも楽しそうだった。

 3校時は理科の実験を見学する。スチールウールを燃焼させて、質量の変化や化学変化を確かめるというもの。僕も昔やった。なんだか懐かしい。実験器具をあれこれイタズラするのもまたかつてみた光景だ。

 午前中で見学は終了。大学に戻る。お腹が空いていたので、スコーラムに直行する。昨日昼休みが短いように感じられたので、午後のグループ討論の開始時刻を20分ほど遅らせるようにいっておいた。だからゆっくりできるのだが、少々くたびれている。読書も早々に切り上げて、研究室に戻る。ふーっとため息をつく。思っていた以上に疲れる仕事だ。

 1時に合わせて割り当ての教室に行くと、すでに学生さんたちは集まっていて、討論をスタートさせていた。面目ない。それを挽回するというわけではないが、昨日よりも幾分議論に参加した。みんな積極的に発言してくれるので頼もしい。そして一昨日決めたグループ代表のO君のケガを慮って、S君に交代してもらうことにした。2時少し前に討論終了。3時からの発表会まで自由時間にする。

 時計をみて、この時間に終わるんだったら…というちょっとした後悔を、その場ですぐに断ち切る。今は目の前の仕事こそが大事なのだ、と自分を納得させる。教室に残って、発表の原稿をまとめているS君のお手伝いをした。なかなかいいものを書いてくれた。大したものだ。

 3時からみちのくホールで、「教職入門」の成果発表会。17のグループ(前期の基礎ゼミが単位)が5分ずつの持ち時間で討論の内容などを報告する。前期の僕の受け持ちだった基礎ゼミの連中が僕のところまでやってきて、少しばかりバカ話しをする。

 時間は短いものの、各グループは個性豊かな報告をみせてくれた。こういったところにはうちの学生さんたちのよさが表れる。それにひきかえ…いやこの先はいうのはよそう。

 疲れた。ネクタイを緩めてぐったりする。引率の先生方もみなへろへろになっていた。学生さんたちの疲労もさぞや、と思う。実際、何人か倒れる人も出たくらいなのだ。大きなケガや疾病にならずに済んでよかったと思う。

 6時に人文学部のKさんがやってくる。データ入力のアルバイトの書類を書いてもらう。帰省先から直接こちらに寄ってくれたとのこと。急ぎの書類とはいえ、悪いことをした。

 今日中に「教員業績評価報告書」を完成させようと決める。その前に人民食堂に行って腹ごしらえ。食堂に入ったところで報せが届く。よかった、本当によかった。心の中で何回も唱えながら食事を摂る。

 ファイターズ-ライオンズ戦のネット中継をみる。今日も劣勢である。相変わらずちぐはぐというか、硬いというか。しかしイーグルスがバファローズを倒してくれたおかげで、優勝が決まる。喜びも中くらいといった感じだが、まだまだ発展途上の今年のライオンズには、ある意味ふさわしいような気もする。

 報告書の作成は、思いのほか時間がかかった。今年からは提出期限(今月末)を過ぎるとデータ修正ができなくなる、といった脅し(?)もかかっているので、慎重にならざるを得ない。ようやく完成したときには日付が変わろうとしていた。久々の午前様である。

 建物の外に出ると、ひんやりと寒い。秋というより冬の訪れといった感じだ。スーツだけでは寒くてかなわないので、研究室に戻って、フェニックスのウインドブレーカーを上着の上から羽織って帰る。幸い、雨降りの夜空は晴れてきた。疲れた体が重い。「やっと終わったなぁ」とつぶやいてみる。
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9月24日(水)晴:授業参観

2008-09-25 01:35:12 | 仕事
 7時起床。食パンを2枚食べ、コーヒーを飲み、スーツに着替えて車で出かける。今日はかなり涼しい。長袖シャツにスーツの上着を着てちょうどいいくらい。

 附属中学校には8時40分に着いた。ゼミ生のAさんの実習授業を見学させてもらうことになっている。本来なら明後日の研究授業に行くところなのだが、生憎その日は1年生対象の実習科目である「教職入門」の引率で別の中学校に行くことになっている。よって最初で最後のチャンスなのだ。

 これまでにも実習生の授業はたびたびみてきたが、ゼミ生の授業となると全然気分が違う。まるで父兄参観だ(気分はあくまでも「兄」のつもりで)。なんだか僕までドキドキしてきたぞ。

 玄関で記帳を済ませ、階段を昇る。途中で他の社会科の実習生たちと顔を合わせる。教えてもらった教室の前で待っていると、Aさんを含む4人の実習生がやってきた。1時間目は道徳。4人のチームティーチングによる授業である。

 テキストとして配られた森絵都の『リズム』(一節のみ)は、内容は知っていたが、なんつーか、結構繊細なものを読ませる(もちろんちゃんとした道徳の教材になっている)なあ、とここでもちょっとドキドキする。今風だ。今どきの中学生なら何とも思わないのかもしれないが。自分のトシを思い知らされる。

 Aさんははじめとおわりの部分を担当していた。僕はいただいた指導案にあれこれボールペンでメモを書き込みながら聴く。指導案には書かれていなかった、最後のAさんから生徒さんたちに向けてのメッセージがとてもよかった。

 2時間目は歴史。こちらはAさん一人で担当する授業。近代の産業化過程を扱うところで、紡績業の発展がテーマ。機械化による生産量・輸出量の増大という光の部分と、それを支えた女工たちの過酷な労働という陰の部分とを対比させて描く構成は、僕のみる限りにおいてとてもよくできていた。どちらかといえば講義っぽい、オーソドックスなスタイルの授業だったが、論理構成がしっかりしていたのはいかにもAさんらしかった。心のなかで拍手する。もうちょっとリラックスして、余談めいた話しを挿入できればもっとよくなっただろう。もっとも、それらを望むのは欲張りというもの。

 板書もきれいで、とてもみやすかった。文字の大きさもちょうどいい。板書の要は文字の美しさではなく、読みやすさである、というのが僕の持論である。つまり大きさと配置が勝負。その点Aさんのは◎だ。

 ちょっと表情が硬かったので、変な顔をして笑わせてみようか、というイタズラ心が頭をもたげたが、指導担当の先生もいたので自重した。最低限のマナーは何とか遵守した。でも見学者が参加するような実習授業とかも楽しいと思うのだが。まあ許されないだろうな。

 ちゃんと誉めてあげたかったが、授業の合間なので、同じくメモを走り書きした指導案のコピーを手渡して、すぐに附属中を出た。なまじ指導教員が観に行ったせいで、余計なプレッシャーを与えてしまったかな、と思いつつ、一生懸命頑張っている姿に安堵し、またいい刺激をもらった。あと2日、しっかりやってくれるだろう。

 いったん帰宅して着替える。ものすごく眠い。実習生はもっと早起きで頑張ってるのに申し訳ないな、と思いつつ、1時間ほど寝て起きてから大学に出る。

 スコーラムで昼食。ミートコロッケグラタンのランチ。甘いものが欲しくなって、デザートにお月見だんごもオーダーする。あずきアイスときなこに黒蜜のかかった白玉の取り合わせが絶妙。

 持参した保阪正康『秩父宮』(中公新書)を読む。この夏はほとんど保阪さんにお世話になったようなものだ。秩父宮への関心は、今年の山田野調査がきっかけだ。加えて陸軍軍人として、いくつかの歴史の転換点に顔を出している。僕にとっては保阪本読書のクライマックスといったところ。

 研究室に戻り、事務仕事を2つ3つ。とても来週から授業が始まるなどとは考えられない。何も準備ができていない。準備にさえも取りかかれない。

 4時少し前に、明日からの「教職入門」(座学は22日から始まっている)の学生さんたちと顔合わせ。40分時間が確保してあったが、10分で終わらせるつもりで行く。ところがほとんどの学生さんが、明日の見学校の場所も行き方も知らないという。慌てて地図をコピーして、それから黒板に下手くそな概略図を描く。大丈夫かな。何となく蝶野さんぽい気分だったので、「こんなの適当にやり過ごせばいいんだオラエー」とか口走ってしまったような気がする。

 今日こそは、の思いでライオンズ-マリーンズ戦のネット中継をみる。が、涌井投手が早々に炎上、しかも相次ぐデッドボールで乱闘騒ぎになるなど、みっともない負け方で、今日も胴上げはお預け。まだまだ発展途上のチームゆえ、仕方がないが、クライマックスシリーズは大丈夫か、という不安も拭えない。

 ひとつ心配になったことがあって、ご迷惑かな、と逡巡しながら、結局尋ねてみた。どうやら杞憂だったようだ。ほっとした。安心した。いやはや、もっとどっしり構えられるようにならなければいけないな。気にかけているようで、その実救われているのは僕のほうなのかもしれない。

9月23日(火)雨後晴:100点満点

2008-09-24 00:31:27 | 仕事
 9時半起床。朝食は食パン1枚。のんびり支度をして、車で出かける。外は生憎の雨だ。イトーヨーカドーでお昼ご飯(海鮮太巻きとじゃこサラダ)を買ってから大学へ。

 研究室に着くなり、住居学演習室にプレゼン用のパワーポイントを持っていき、共同で使用するPCにデータを移す。ここでこのPCのパワーポイントのバージョンが2003だと説明を受ける。こちらのものは2007だから、互換性に難あり。やはり自前のPCを持っていくことにする。

 一人静かに太巻きを頬張り、玄米茶を飲んで集合場所の教育学部玄関へ。報告者でもないのになぜか緊張している。正午に全員揃って、鰺ヶ沢に向けて出発。バスは快調に走って、1時には会場の鳴沢公民館に着いた。調査の際にお世話になった職員のHさんにご挨拶する。

 公民館の座敷には座布団が敷かれ、かなりの盛況である。地元の方々が積極的に足を運んでくださったのだろう。われわれの調査対象者のひとりで、すいかをごちそうしてくださったIさんの姿もみえる。

 全部で7つの報告のうち、われわれは4番目。休憩前の最後というところ。順番がくるまでの3つの報告もきちんと聴いていたが、それでも頭のなかは自分たちの報告のことでいっぱいだった。

 前のグループの報告が終わるころに、ノートPCを持ってメンバーと舞台の袖に行く。このグループの報告と質疑応答が35分(規定では25分)だったので、「時間は気にしなくても大丈夫。ゆっくりじっくりやろう」と声をかける。前のグループがはけると、すぐにPCのつなぎ換えをする。リモコンも昨日練習で使ったものだから、3人のメンバーは安心したようだった。

 報告の順番は、Yさん(空中写真・新旧対比写真の説明)→Tさん(兵舎)→ゼミ生のTさん(学校)→Yさん(住居)→ゼミ生のTさん(農機具置き場)→Tさん(保存と活用に向けての課題・総括)という形で入れ替わる。3人しかいないがゆえの策なのだが、3人とも、練習のときよりもはっきりと、わかりやすく、そしてスムースにプレゼンを進めてくれた。緊張した様子など微塵も感じさせない落ち着きっぷりだ。とくに最後を締め括るTさんは、総括のところでわれわれの「新発見」をきっちりとアピールしてくれて、とても引き締まったまとめになった。

 僕は写真を撮りながら、大きな拍手を送る。その後僕もステージに上がって、補足説明をする。宮澤賢治、秩父宮が訪れた場所であること、現存する建物がおそらく1911(明治44)年に建てられたものであること、そして他にも当時の建物と思しきものが残っていることなどをしゃべった。そのうえで、この建物が100年近くにわたって風雪に耐えてきたのは、ひとえに「使われる」ことで「生き続けて」きたということを強調した。これは現所有者のひとりである、Iさんを讃えるメッセージとして述べたものである。

 フロアからの質問やコメントは出なかったが、報告と補足説明を合わせてきっちり25分。100点満点、いやそれ以上のパフォーマンスだ。

 直後の休憩時間に3人のメンバーをねぎらう。3人ともやり切ったという充足感にあふれている。

 休憩後、3つの報告があって、町長さんの講評。町長さん自身、子どものころに山田野演習場跡地で弾丸拾いをやったことがあるそうだ。地元の人がなかなか気づかない歴史の意味を考えさせてくれる報告だった、と話してくださった。すべての報告に言及されたわけではないから、われわれにとってはこれこそ名誉なことである。

 テーブルを並べて、地元の方々との交流会。仕出し弁当の他に、心づくしの肉じゃが(肉は長谷川自然牧場の豚、その他の食材もすべて地元で獲れたものである)や、町長さんの営む民宿のやきそばなどが供される。

 報告については、年輩の方々から次々にお誉めのことばをいただいた。戦争を体験した世代の方もいらして、グラマンの機銃掃射から逃げ回ったこととか、演習場に向かう兵隊さんの行進をみた思い出などを聴かせてもらった。僕らの報告は、直接町の活性化といった課題に資するものではないが、こうやって思い出話しに花を咲かせ、また記憶を若い世代が受け継ぐというのもひとつの「活性化」の形だと思っている。その点ではまさにしてやったりだ。

 3人のメンバーとも個別に話す。それぞれ本当によくやってくれた。当初は「厳しいからついてこれなければやめてもらってもかまわない」などと脅したりもしたが、TAのAさんも含めた4人は、当初僕が思っていた以上のいい仕事をしてくれた。Aさんが参加できなかったのは残念だったが、インタビューの内容はゼミ生のTさんが代わってしっかりしゃべってくれたし、パワーポイントの要所要所に挿入された写真は、たくさんの人から「上手」「きれい」という誉めことばをもらっている。パワーポイントの表紙には、しっかり4人の名前が並んでいるのだ。

 ゼミ生のTさんには、「インタビューの面白さがわかったでしょ」といったら、大きくうなずいていた。部活の練習やアルバイトのスケジュールが詰まっていて、ずいぶんと気を遣っていたようだったが、データの処理やプレゼンに関しては、自信をもってもらいたい。

 Yさんは、黙々、淡々と地道に仕事をしてもらった。「ひいきの引き倒しかもしれんが、僕はうちのグループが断トツで一番だと思ってるよ」といったら笑っていた。同じくゼミ生ということで、テーマの好き嫌いなど関係なしに運命を共にしてもらったが、結構楽しんでいたようでもあった。

 Tさんは、唯一の他ゼミの学生さんだったが、基礎ゼミで僕のクラスだったこともあって、まったく違和感なくとけ込んでくれた。パワーポイントを美しくみせる技術には感服したものだ。そして最後のまとめは、やはりTさんに任せてよかったと思う。

 鳴沢公民館のHさんにもお礼を申し上げた。7つのグループが1週間の間に次々とやってくるという状況下での応対は大変だったろう。まして、うちのグループは長時間のインタビューでかなり拘束してしまった。でも面白く聴いてくださったそうだ。

 交流会は興に入って、町長さん自ら「鰺ヶ沢甚句」を歌ってくださった。すると地元のおばちゃんたちが舞台に上がって踊り出す。数人の学生も引っ張り上げられて輪になって踊る。それを僕らは手を叩き、笑いながら眺める。こういったときのために、約2ヶ月の調査を頑張ってきたのだと思う。昨年も自分なりにいい調査をし、評価もしてもらったが、今年のほうが僕自身の満足度は高い。やりたいことをとりあえずはやりきったという感じ。

 鰺ヶ沢での調査は5年目の今年度でひと区切りということらしいが、2年間でいろいろな方々にお世話になり、この町が好きになった。山田野での調査は今後も継続してやっていくつもりだ。

 夜7時半にバスに乗り込み、手を振って公民館や町の方々に別れを告げる。また近いうちにお会いできますように。そのときには、今回来ることができなかったゼミ生たちも連れてきたいと思う。

9月22日(月)晴後曇:リハーサル

2008-09-23 01:25:34 | 仕事
 10時起床。朝食は食パン1枚にとどめる。秋らしい爽やかな陽気だが、日差しは強い。サングラスをかけて自転車をこぐ。

 午前中は教育実習関係の書類の処理。出張の届けとか、巡回指導の報告書などをまとめる。それから鰺ヶ沢調査のパワーポイントにも手を入れる。

 昼食はスコーラムにて。シーフードドリアのランチ。昼はここで(比較的)こってり系、夜は自宅であっさり系というパターンが定着した。授業が始まってからもこの調子で行けるかどうか。

 1時半から調査実習のリハーサル。研究室から教室に場所を移して、パワーポイントを実際に投影しての予行演習。最初に僕一人でパワーポイントを操作しながらプレゼンをやってみる。実際にはそんな場面はないのだが、まずは聴き手の目線でプレゼンをチェックしてもらうことにした。割と余裕をもたせてしゃべって22分ほど。懸念していた時間オーバーはさほど気にしなくてもよさそうだ。

 3人のメンバーからは、細かなパワーポイントの直しなんかの指摘が出された。その場でちょこちょこと修正していく。

 次に今度は本番と同様、3人がそれぞれの担当部分を自分で操作しながらやってみる。3人が2つずつパートを受け持っている(つまり全部で6パート)のだが、交代もスムースに行った。ただし手元に紙の原稿(スライドをプリントアウトしたもの)を用意していると、どうしてもそちらに気が行って、やや操作に支障が出るところもあった。このやり方で19分。お、20分を切っている。

 ここで恒例のアイス休憩。今日も生協に買いに走る。報告前日にアイス、は昨年もやった吉事である。4人でパソコンを囲みながら、短期間でよくここまできたもんだねえ、としみじみ語る。パワーポイントを投影して眺めてみると、できあがった、という実感がわくようだ。

 3回目のプレゼンは、3人は説明に集中し、僕が操作をするというもの。だいたいの流れに合わせてマウスをクリックしていったのだが、タイミングがずれることはほとんどなかった。手元の原稿を読むのは最小限にして、投影された画面をみてしゃべってみたら、みな声もよく出るようになった。このやり方も悪くはない。

 最後に、リモコンを使って各自が自分で操作するという形でやってみる。これは実にスムースに進んだ。おおよそ17分くらいでまとまった。もう少しゆっくりとしゃべるように心がければ、おそらく20分ちょうどくらいになるだろう。そして全員このやり方が一番やりやすいとのことだった。よし、ならばこれで行こう。

 プロジェクターやパソコン一式を片づけて、研究室で配付資料を打ち出す。すぐにリソグラフ印刷機にかける。メンバーは一度も使ったことがないそうで、その動きに感心していた。続けて丁合機で振り分けをする。これぞお手本、とばかりにうまくやってみせた、はずだったのだが、自動ホチキス機能がONになっていて、しかも左上ではなく右下を綴じてしまっている。結局、研究室に戻って、一人は印刷ミスがないかをチェックし、一人は正しいところにホチキスを留め、僕は右下のホチキスを外す、という形での作業をする。何だか内職をしてるみたいですね、とYさんがいったので、みんなで笑う。

 おやつのブッセを食べて、全作業終了。6時ちょっと過ぎに終わった。かなり余裕をもって本番に臨める。こういうときこそ何かあるんじゃないか、と弱気にいったら(何しろインタビュー調査にICレコーダを忘れていった僕のことだ)、心配性過ぎです、とTさん、Yさんに笑われた。とにかく、Tさん、Tさん、Yさん、TAのAさんの4人と一生懸命に作ってきた報告だ。そしてかなりの自信作である。そのよさが、聴いてくださる人に伝わることを願っている。

 のんびり自宅で夕食を摂る。ライオンズ-イーグルス戦をテレビ観戦したが、今日の優勝はお預けとなった。岩隈投手の好投にやられてしまったが、それにしても細かいミスが致命傷になったりしている。この先を見すえると、きちんとした野球をやってもらいたいところだ。

9月21日(日)曇:夏休みの宿題

2008-09-22 00:56:54 | 仕事
 9時起床。だが眠い。おぼろげながらに大沢親分と張さんをみながら結局二度寝してしまった。ちゃんと起きたのは11時。

 パスタを茹でて食べる。われながら週末のパスタの昼食によく飽きないものだと思う。もともと好きだというのもあるのだが。ただ、当然これだけだと腹持ちが今ひとつになる。

 車で出かける。昨日ダイソーで品切れになっていたLR44のボタン電池を買いに行く。だが今日行った店のほうにもない。たかが電池であり、スーパーで買えばいくらでもあるのだが、ここまでくると何としてでも100円で買わねば、という気になってくる。駅ビルのキャンドゥで購入。これで風呂場の時計が復活する。ついつい読書に夢中になると1時間以上入っていたりするので、時計は必需品なのだ。

 ついでにドトールでコーヒーとベーコンエッグベーグルの第二昼食。持参した保阪正康『傷U介石』(文春新書)を読む。30分ほど読んでから大学へ。

 鰺ヶ沢調査のパワーポイントに手を入れる。ちょっとした文章表現なんかが気になったりしたので。秩父宮雍仁親王の名前の読みなども付け加えておく。その他にアニメーションをいじったり。本来は学生さんの領分だから、ちょっとした「越権行為」なのだが、今回の報告に当たっては、学生-教員の線引きは曖昧でいい。みんなで一緒に作ってきたのだから。

 小休止の間に、TAのAさんが撮ってくれた写真を順繰りに眺める。僕が撮ったものと違い、こちらには僕の姿が写っているものもある。聞き取りをしている自分の様子など、これまでみたことはなかったが、撮る人の腕がいいのだろう、自分でいうのも何だけれど、いい表情をしている。学芸員のNさんと並んだ後ろ姿の写真のシルエットなんかは、実にいい感じだ。

 ひと段落つくと、書類作り。われわれにも夏休みの宿題があるのだ。月末から来月半ばにかけて教育研究業績報告書とか、科研費の申請書類とか、重要なものが目白押しである。いずれも提出が義務づけられているものだから、ちょっとしたヒマをみつけてちょこちょことまとめていくしかない。本当は気合いを入れて書くものなのだろうが。科研費の申請に関しては、「参加することに意義がある」といった状態。

 その間ホークス-ライオンズ戦のネット中継をみていた。終盤までどちらに転ぶかわからないような展開だったが、9回にライオンズ打線が大爆発しての圧勝。9回裏にグラマン投手を出すような展開になったのは誤算だが、今のホークスとの勢いの差が顕著に表れた試合だった。明日か明後日には本拠地での胴上げもあるかもしれない。昨シーズン、落ちるところまで落ちた、とがっかりしただけに、今年の復活は感慨深いものがある。

 9時まで作業をして帰宅。急にカレーが食べたくなったので、レトルトカレーの夕食。それと皿に山盛りの生野菜を食べる。自宅で食べると安いもんだ。ここのところ外食をほとんどしていないので、だいぶ家計的には助かっている。

 今週で夏休みも終わる。月曜日から金曜日まで仕事でびっしり埋まっているが、授業のない日々の最後を、存分に楽しみたい。

9月20日(土)晴:パワーポイント完成

2008-09-21 01:24:38 | 仕事
 10時起床。よく眠ったので気分がいい。たまった洗濯を済ませ、車で出かける。

 ホームセンターで、切れた蛍光灯だとかミネラルウォーターとか洗濯用洗剤の補充をする。洗剤はこれまで使っていたミヨシの液体せっけんに代えて、部屋干し用の「トップ」を買ってみる。僕の部屋にはベランダがなく、洗濯物はすべて部屋干しである。日光に当たらない分、どうしてもニオイが残る。それが消えるとのふれこみなのだが、果たして効果はあるのやら。週末のこういった買い物が好きだ。

 昼食は以前住んでいた官舎にほど近い、「和歌山」で。もちろんしじみラーメンを食べる。前に食べたのは確か学校資料調査の帰りで、ゼミ生のWさん、Aさんと一緒だったな。そのときにもお客は僕らだけだったのだが、今日も僕ひとりだ。もっとはやっていいお店だと思うのだけれど。

 1時に研究室へ。パワーポイントを開いて、僕のほうで引き受けた修正処理を済ませておく。1時半にTさん、Yさんがやってくる。今日中にパワーポイントを完成させよう、とかけ声をかけて作業開始。1枚1枚のスライドを丹念にチェックしていく。フォントの不統一なんかも厳しくチェックして直していく。

 写真についても、候補となるものをいくつか並べて、これがいいんじゃないか、いやこっちでしょう、といった議論を3人でしながら選んでいった。とくにインタビュー対象者の方々の写真は、その人の人柄が伝わるようなものを厳選し、トリミングをしたりしながら貼り付けていく。

 今日も3時にアイスタイム。注文を取って僕が買いに出るのだが、Tさんが2日続けて「スーパーカップ」の超バニラを選んでいた。それならさぞかしうまいのだろう、とYさんも僕も同じものにした。実際うまい。これから毎日でも食べたくなるのがわかる。

 作業の後半はアニメーションをつける。写真やテキストボックスの登場の仕方は、その部分を担当する発表者の好みで変えることにした。しかしいろんなアニメーションパターンがあるのに、今さらながら驚く。TさんもYさんもかなりこだわりをもってアニメーションをつけていた。

 何度かのスライドショーを行って、ついにパワーポイントが完成。これで8合目までは到達できた。見た目にも美しい。かなりの自信作である。ただし、問題はスライドが48枚もあること。与えられた発表時間は20分である。昨年のグループは52枚のスライドで臨んだが、明らかに時間をオーバーしていた。実際にプレゼンを行った際にどうなるかは、明後日の予行演習で確認することになる。

 2人が帰ったあとで、最後のまとめの部分と謝辞のスライドを僕のほうで作成する。最後の1枚は、多くの写真とテキストを取り混ぜた豪華版である。ここまでしっかり報告し切れればいいのだがなあ。

 学生さんたちの熱意に報いることができるよう、あと3日間、僕もできる限りの時間とエネルギーを、報告に向けて注いでいくつもりだ。

9月18日(木)晴:授業評価の怪

2008-09-20 23:02:43 | 仕事
 10時起床。今日はまた実にいいお天気だ。天気予報では30℃くらいまで気温が上がるらしい。しっかりサングラスをかけて大学に出る。

 今日は会議や外出といった予定は入っていない。珍しく手帳が空白になっている。仕事に専念できるはず、なのだが、細々とした用事は入っている。今日のうちに片づけなければならないことを整理する。

 昼食はスコーラムで。チンジャオロースのランチ。『日本陸軍の研究』(下)を読む。ずいぶんとスローペースで、ゆっくりじっくり読んできた。ようやく今日中に読み終わりそうだ。この夏に読んだ仕事以外の本では、間違いなくNo.1だ。といっても読んだ冊数が少ないからなのだが。

 調査実習のパワーポイントに追加するスライドを作る。もともとパワーポイントが苦手で、授業で使うこともないので、指導する立場にありながら、実際にはあれこれいじりながら学習するというのが実状だ。アニメーションの出し方とか、確かに凝り始めると面白いが、だからといって20分のプレゼンテーションだからねえ。そんなに入れ込んでも仕方がないところではある。

 前期の授業評価アンケートの集計結果がWebで公開された(閲覧は学内からのみ)。はっきりいって結果にはさほど関心はないが、一応覗いてみる。すると2人しか履修者のいない演習の授業が、なぜか3人アンケートを書いたことになっていた。回答者数の誤りではなく、明らかに3人回答している(その証左として、5段階評価の平均値4.33というのが出ている。これは2人の回答者からは決して出てこない数値である)。まして2人の履修者はゼミ生である。いたずらをするはずもないし。

 用紙の配布と回収は僕自身が行っている(しかも研究室で)から、余人が回答することはできないはずだ。だとすれば集計のほうが何かミスをやらかしたのだろう。こんな杜撰なアンケート結果なんか信用できるもんか。まったくもっていい加減でテキトーだな。まあこういうところがいかにもうちらしい、といえばそうなのかもしれんが。

 だいたい、2人とか3人しか履修者がいない科目でアンケートをする意味があるのかもわからん。以前非常勤で教えていた大学では、10人とか15人とかの下限を決めていた。こういったところが弘前大学の後進性といえようか。

 あれこれ時間がかかったので、夕食は久々に人民食堂で食べる。心理学のH先生とご一緒させていただいた。先日仙台に行ってきたばかりなので、地元の先生と仙台話しをする。再来月には日本社会学会が仙台であるので、また行くことができる。そのころには寒くなっているだろうが(といっても弘前ほどではないだろうが)、楽しみだ。

 10時に帰宅。家に着いて9時から始まる映画の録画予約をし忘れたことに気づいた。朝出かけるときは早く帰るつもりだったからなあ。

 風呂に入りながら『日本陸軍の研究』を読了。もうちょっとリラックスできるような本にすればいいのだろうが、面白さに引き込まれるのは断然このジャンルだ。次ぎに読む本を考えるのもまた楽しい。 

9月12日(金)曇後晴:2つの書評

2008-09-13 22:39:13 | 仕事
 6時半起床。時差ボケのせいか寝不足のせいか、頭が重い。朝食を摂り、バルセロナでは着ることのなかったスーツ(もちろん持っていったものとは別)に着替える。

 車で研究教育実習の担当校へ。通用口に入ると学校の先生が迎えてくださった。簡単に挨拶をした後、2人の実習生の授業をみせてもらう。

 1時間目は道徳の授業。続けて2時間目は算数の授業。いずれもとてもよく練られた授業で、感心した。生徒の反応もよく、楽しい雰囲気のなかで行われていた。ただちょっとおかしかったのは、教師の質問に対する答え方だ。ある子がある答えをいう。すると別の子は「わかりました別にあります」といって手を挙げるのだ。それが定式化された動作になっているものだから、ついつい吹き出しそうになってしまう。僕が通っていた小学校ではそんなのはなかったから。

 授業見学の後、教務主任の先生に、これまでの経緯に関してお礼とお詫びを申し上げる。実習生たちは、この2週間の取り組みで何とか学校からの信頼を得られたようだった。ほっとして学校を後にする。

 帰宅して、スーツから着替えて大学に出る。2週間ほど留守にしていたら、レターボックスに満杯の郵便物やら事務方からの連絡やらが詰まっていた。抱えるようにして研究室に行く。郵便物の束のなかには、『小さい駅の小さな旅案内』の著者である夏目雄平先生からのおはがきや、モダ本をお届けした中央大学の森田尚人先生からのお便りなど、うれしいものがあった。

 スコーラムで昼食。きのこご飯の注文をした際、Yさんが「先生に残念なお知らせが」とおっしゃる。何かと思ったら、僕の好きなポークソテーおろしソースが10日に出食で、今月は終わってしまったとのこと。残念だが、次回を楽しみにしよう。スコーラムのポークソテーは、スペインで食べたイベリコ豚にも優るとも劣らぬうまさであると個人的には思っている(あくまで個人的に)。

 研究室で、届いていた『日本の教育史学』と『日本教育史研究』に目を通す。内容からして当然なのだが、書評では同じ書物が取り上げられている。その1冊が鳥居和代さんの『青少年の逸脱をめぐる教育史』(不二出版)である。前誌の評者が広田照幸、後誌のほうは僕が評者である。

 僕の書いた書評のほうには、著者である鳥居さんからのリプライが載っている。まずはドキドキしながら読む。何しろ不躾で、応えるのに相当に困るようなコメントを並べ立てたという自覚が僕自身にあったからである。かなりばっさりと斬り返されるという不安があった。

 だが実際に読んでみると、いかにも著者らしい手厳しい返しはあったものの、真摯に受け取ってくださったことがよくわかった。先に出ていたいくつかの書評と比べて「次元の高い」ものと書いていただいたことは、僕としては名誉に感じるところである。もともと教育史と教育社会学は、アプローチの方法も認識の仕方もことなっている。どうにか不毛なものにならぬように、という意図はかなったようで、安心した。著者の鳥居さんにはただただ感謝するばかりである。

 さて、もうひとつ、広田書評である。こちらは冒頭から気持ちの悪いほどの絶賛である。素晴らしい、見事、といった賛辞のオンパレード。まあ実際にすぐれた研究なのだから、賞賛することには何の問題もない。だが、これでもか、というくらいの褒めっぷりには苦笑するばかりだ。

 論点として出されたポイントにはみるべきものがなかった。かつての広田にみられたような、そんな見方があるのかと感心させられる、シャープな切り口はひとつもない。

 そのうえで、締めは広田お得意の他の研究者批判である。「問いに鈍感な教育史研究者」と「実証分析に弱い教育社会学の歴史研究者」それぞれに「反省せよ」と書いている。この人、10年前と同じことを繰り返しいっている。ならばご本人はいったいどのような立ち位置にいるというのだろう。そして、研究を実践し、かつ研究者を育てる立場にいた(今もいるのかもしれんが)のであれば、そうした学問の「停滞」の責任を、自身はどう受け止めるつもりなのか。この辺り、まさに他人ごとである。かつてこの人が研究していた陸軍将校のメンタリティそのものだ。保阪正康の『日本陸軍の研究』なんかを読んでいると、そう思えて仕方がないのである。

 だいたい、広田自身はもう10年近く、まともな歴史分析をものしていないではないか。それでいて、高いところから後続世代を批評するのはさぞかし気分がよろしかろうな。まあ、今の広田は教育史研究者でもなく、教育社会学者でもなく、教育評論家(評論家という仕事を貶めるつもりは毛頭ない)なのだから、どちらにも与さないということなのかもしれんが。この御仁が、自己言及性やリフレクションという概念に一切無頓着である以上、社会学者でないことは確かである。

 あくまでも自己満足でしかないが、「昔の名前で出ている」に過ぎない、「過去の」「終わってる」人物よりはいくぶんましなものを書いたという自負はある。僕にとっては、今回の書評は、広田によって引き起こされた、教育史学との不毛な対立と一線を引くための仕事でもあった。それがはからずもこのような形でできたことに、いくばくかの充足感を覚える。とにもかくにも、過去の呪縛を断ち切って、ずいぶんとすっきりした。

 夕方まで、たまってしまったメールへの返事書き、出張書類や提出書類の作成に追われる。仕事そのものは面倒なのだが、やっぱり自分も組織の一員なのだな、と変なところで変な自覚をもったりもする。

 2階の階段のところでお会いした同僚と立ち話。先生はもちろんバルセロナにも行かれていて、あれこれみどころを教えていただいた。行く前に教えていただいたほうがよかったのだが。ユーロ高でコーラが200円以上した、なんていう話しには驚かれていた。
 
 スーツケースは6時から9時の間に届くとのことだったので、イトーヨーカドーで食料品を買って帰る。寿司が食べたくなったので、パックのものを買って帰る。スペインの食事ももちろんうまかったが、やっぱり日本食が自分には合う。

 荷物を受け取り、すぐに中のものを取り出し、しまうべきものはしまい、衣類は洗濯する。3回に分けての大洗濯だ。

 急に疲れが出てきて、今夜も10時に寝る。一晩じっくり眠れば、時差ボケも治るだろう。