すごく説得力のある記事だった。新興国とのビジネスを伸ばしている日本企業や日本経済の2010年の大胆な展望を描いていた。1ドル=130円の円安、10年後半からのインフレ・シフトの発生、日経平均株価が1万5000円までの上昇が、必然であると言い切っている。作者はいったい誰なのだろうか。
<日本経済新聞2010年2月3日水曜日朝刊19面コラム「大機小機」の記事、「グローバル史上最大のサプライズ」>
『過去数年、グローバル金融市場では悪い知らせの”サプライズ”が続いたが、2010年は良い知らせの”サプライズ”ありそうだ。東証1部に上場する企業の10年度の経常利益は前の年度比で大幅に増え、新興国や設備投資関連の多くの企業が70%を超える伸び率を記録し、大きなサプライズとなろう。
背景には新興国ビジネスが予想をはるかに上回る勢いで伸びている状況がある。さらに過去数年、財務の改善に全力を傾けた多くの企業も将来の成長戦略を考えれば、設備投資に大きく舵を切らざるを得ないという事情もある。一方、グローバル市場を驚かすのは、M&A(合併・買収)ブームがより大きな規模でよみがえることだろう。企業が今後、新たな成長戦略を描く上で、M&Aは数少ない選択肢である。金融緩和と低い株価水準は、M&Aにはまたとない機会と見られる。
186年の歴史を持つ英国最大の菓子メーカー、キャドバリーはこれまで数多くの買収提案を拒否してきた。だがグローバル化が進む中で、今年1月末、同社は独立路線を見直して、米国の巨大食品メーカー、クラフト・フーズの2兆円近い買収提案を受け入れた。M&Aブームが世界的に復活する兆候といえる。
ゼロ金利政策からの出口が見えない我が国と、他の先進諸国との金利格差が拡がり、円安が1ドル=130円程度まで進めば、これもサプライズとなろう。先進国のインフレ率は過去38年間でもっとも低い水準にあるが、世界的に企業活動が活発になり、金融緩和の状態が続く中で、10年後半には短期間でインフレへのシフトが起こると考えられる。
グローバル市場での最大のサプライズは、①企業業績の高い伸び、②M&Aの活発化、③円安、④インフレの影響を受けて、日経平均株価が1万5000円に届く勢いで上昇することだろう。これまで世界でお荷物扱いされてきた東京市場は一転、グローバル株式市場の中で今年の株価上昇率トップを記録する、というシナリオも考えられる。
グローバリゼーションと金融技術の成長が進む中で、経済や市場の変化のパターンや早さを予測するのに十分なデータや経験則が不足している。このため、市場で起こる多くのことが”サプライズ”と理解されている。だが今後は、検証が進めば大抵の場合、必然的に起きた事態だったと実証されるだろう。(逗子)』
<日本経済新聞2010年2月3日水曜日朝刊19面コラム「大機小機」の記事、「グローバル史上最大のサプライズ」>
『過去数年、グローバル金融市場では悪い知らせの”サプライズ”が続いたが、2010年は良い知らせの”サプライズ”ありそうだ。東証1部に上場する企業の10年度の経常利益は前の年度比で大幅に増え、新興国や設備投資関連の多くの企業が70%を超える伸び率を記録し、大きなサプライズとなろう。
背景には新興国ビジネスが予想をはるかに上回る勢いで伸びている状況がある。さらに過去数年、財務の改善に全力を傾けた多くの企業も将来の成長戦略を考えれば、設備投資に大きく舵を切らざるを得ないという事情もある。一方、グローバル市場を驚かすのは、M&A(合併・買収)ブームがより大きな規模でよみがえることだろう。企業が今後、新たな成長戦略を描く上で、M&Aは数少ない選択肢である。金融緩和と低い株価水準は、M&Aにはまたとない機会と見られる。
186年の歴史を持つ英国最大の菓子メーカー、キャドバリーはこれまで数多くの買収提案を拒否してきた。だがグローバル化が進む中で、今年1月末、同社は独立路線を見直して、米国の巨大食品メーカー、クラフト・フーズの2兆円近い買収提案を受け入れた。M&Aブームが世界的に復活する兆候といえる。
ゼロ金利政策からの出口が見えない我が国と、他の先進諸国との金利格差が拡がり、円安が1ドル=130円程度まで進めば、これもサプライズとなろう。先進国のインフレ率は過去38年間でもっとも低い水準にあるが、世界的に企業活動が活発になり、金融緩和の状態が続く中で、10年後半には短期間でインフレへのシフトが起こると考えられる。
グローバル市場での最大のサプライズは、①企業業績の高い伸び、②M&Aの活発化、③円安、④インフレの影響を受けて、日経平均株価が1万5000円に届く勢いで上昇することだろう。これまで世界でお荷物扱いされてきた東京市場は一転、グローバル株式市場の中で今年の株価上昇率トップを記録する、というシナリオも考えられる。
グローバリゼーションと金融技術の成長が進む中で、経済や市場の変化のパターンや早さを予測するのに十分なデータや経験則が不足している。このため、市場で起こる多くのことが”サプライズ”と理解されている。だが今後は、検証が進めば大抵の場合、必然的に起きた事態だったと実証されるだろう。(逗子)』