聖火リレーで浮かび上がった日本の問題点

テレビ番組で、とあるコメンテーターが、
日本で聖火リレーを応援する中国人は、中国国旗ではなく、
せめて五輪旗を振るべきだった、と言っていました。

スポーツの祭典というより、明らかな「国威発揚行為」に見えますし、
他国で中国国旗が大量にはためき、赤一色になっている光景は
主権侵害をイメージさせます。

またオリンピックを政治利用すべきではないという声もありますが、
それは全く的外れな意見です。
オリンピックを政治利用するのは、当の中国が一番得意としてきたことです。
かつて何度も政治的な理由でオリンピックをボイコットしました。

1949年　中華人民共和国　建国
1952年　ヘルシンキ五輪　参加
1956年　メルボルン五輪　開会式直前にボイコット（理由は台湾問題）
1960年　ローマ五輪　　　ボイコット（理由は台湾問題）
1964年　東京五輪　　　　ボイコット（理由は台湾問題）
1968年　メキシコ五輪　　ボイコット（理由は台湾問題）
1972年　ミュンヘン五輪　ボイコット（理由は台湾問題）
1976年　モントリオール五輪　ボイコット（理由は台湾問題）
1980年　モスクワ五輪　　ボイコット（理由はアフガン問題）
1984年　ロサンゼルズ輪　参加
（以降は参加）

約３０年間、オリンピックをボイコットし続けたのです。

中でも東京オリンピックではボイコットしただけでなく、
オリンピック開催中に核実験まで強行しました。


そもそも、外国で聖火リレーすること自体が不要です。
前回のギリシャのアテネ五輪の際は、
ギリシャの国土があまりに小さく、国内で聖火リレーがやりにくいため、
アテネが五輪の発祥地であることも含め、外国で聖火リレーを行ったのです。

それを、あれだけ広大な国土を誇り、五輪発祥地でもない中国が、
わざわざ世界中で中国国旗を振り回して行う聖火リレーというのは、
あまりに政治的ですし、「あつかましさ」を感じずにはいられません。
日本なら「他国の迷惑になると困るから」と言って、
まず他国では聖火リレーはやらないでしょうね。


もう１つ興味深いのは、「国境なき記者団」のメナール氏が長野の沿道に行くと、
ある中国人がメナール氏に向かって、
「お前は世界の嫌われ者だ！」と発言したことです。
我々から見れば、中国こそ世界の嫌われ者ですが、
この中国人は本気でそんな発言をしたのです。

確かに中国国内では、メナール氏は嫌われ者でしょう。
その「中国国内」を、その中国人は「世界」と表現したのです。
これこそが「中華思想」ですね。「中国＝世界」なのです。
だから逆に言えば、「世界＝中国」で、世界中で中国国旗を振り回して、
聖火リレーを強行するのでしょう。

このような声もあります。

陳重権教授「中国五輪はナチスのベルリン五輪と同じ」
http://news.livedoor.com/article/detail/3619198/

鋭い分析で全て興味深いのですが、中でも、

「外国に出て自由主義文化に接した人たちがこのような行動をとるのを見ると、
中国内部の状況はどれほどひどいのか」

という部分は前々から感じていました。
中国人留学生達は、留学によって一体何を学んだのでしょうか？
何も学んでいないように見えます。


さて今回の聖火リレーでは、そのような中国の横暴さだけでなく、
日本人の危機意識の欠如も明らかになりました。

外国の反応と比較してみましょう。
ソウルでの聖火リレーに対する、韓国の反応です。
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=99383&servcode=400§code=430

以下のようなことが書かれています。

１．「ここが中国なのか韓国なのかわからない」と憤怒
２．韓国警察が、むしろ中国人を保護しているかのようだった
３．建国以来、ソウルが他民族に蹂躙された最初の事件
４．今回の聖火リレーの騒乱は、組織的な国家テロ行為
５．主権を踏みにじった中国人の武装暴徒を厳しく処断せよ
６．暴力行為を行った中国デモ隊の名簿をリアルタイムで作成

この中で１と２の批判は、日本と同じですね。
今回の聖火リレーでの中国人留学生の行為は、
多くの国に人に同じような印象を与えたのではないでしょうか。

しかし３以降は、参考にすべき点が多いですね。
日本人でこのような言い方をした人はほとんど聞いたことがありません。
日本人は他国から何をされても我慢する習慣がついているのでしょう。

特に６の行為は、徹底しています。
比較すればやはり日本人は平和ボケで、甘いと言わざるを得ませんね。


さらに疑問なのが、日本のマスコミが
こうした韓国の反応をあまり報道しないことです。
聖火リレーが日本で行われた直後で関心も高いはずなのに、
当日の様子を報道した程度で、その後の反応をあまり報道していません。

日本よりも強硬な中国批判を流すのが、何か都合でも悪いのでしょうか？

もう１つ、韓国では韓国人の被害状況もきちんと報道されているのに、
日本のマスコミが、日本人側の被害を一切無視している点が疑問です。
実際に日本人が被害に遭ったという話は数多く出ているのにも関わらず、
それを検証すらしないのは、
マスコミの役割を放棄しているとしか言いようがありません。

もちろん日本の警察にも原因があります。
中国人留学生を優遇した行為は韓国の警察と同じですが、
自国民の被害を発表したかしなかったかの違いがあります。

日本の警察は、くだらない一時停止などを取り締まるのは得意ですが、
いざという時は役に立たないのではないでしょうか？

これは日本の警察の愛国心の欠如もありますし、
官僚独特の「お役所仕事」にも原因はありそうです。