歴史好き・キゴウ君のひとりごと

主に日々の暮らしで感じたことなどを歴史的なことを交えてひとりごとりたいと思います。

スイス傭兵部隊 part9 終焉・・・

2006-12-21 00:52:40 | Weblog
スイスはナポレオン戦争後も大国の思惑に翻弄されるのですが、持ち前の「気合」でなんとか生き抜きます。

そうこうしている間に、ヨーロッパ各地で民主化の動きが活発になってきて、1930年にパリで7月革命が起こります。
もちろんスイスにも影響してきました。
旧来の門閥貴族支配に抵抗する勢力、カソリック対プロテスタントの争いなど、スイスの国内が慌ただしくなってきました。

そしてついには1847年には、「分離同盟戦争」と呼ばれる内戦が起きました。
しかし分離同盟派は敗れました。
そして、スイスは憲法や軍事だけは一つまとめた方が良いと考えて、現在の連邦制にしました。
その後もいろいろありましたががんばって、皆さんがご存知の現在の繁栄を謳歌するスイスに成長していきました。

其の過程でついにスイス傭兵部隊はその役目を終えて歴史の表舞台から去ります。
スイスでは19世紀には、時計産業や繊維産業が育ち、傭兵産業に依存しなくてもやって行ける様になってきました。

しかしながら、傭兵産業によってもたらせる利益は門閥貴族の独占的な利権となっていましたので、19世紀中頃になってもまだスイス傭兵部隊は存在していました。

しかし、1859年に起きたイタリア統一の巡ってのオーストリア対フランス・サルディニア連合国軍との戦いの際、フランス軍に参加していたスイス傭兵部隊は大変な損害をうけました。
そしてついにスイス傭兵部隊は「もう金で雇われて戦争するなんて嫌だ傭兵は命を粗末に扱われてやってられないよ」と反乱を起こしたのです。
この反乱をきっかけにスイスでは外国の正規軍以外の軍務は禁止ときまり、その後1927年、第一次世界大戦の10年後にすべての外国軍隊での軍務は禁止されました。

ついにスイス傭兵部隊は役割を終えて姿を消したのです

スイス傭兵はスイスにお金とさまざまな体験を与えました。
戦争と言う歴史で最も過酷のところでスイスの人々は生きる知恵を学んだのだと思います。

わたくしは、スイスの美しい山々、スイス製の高級腕時計、スイス銀行を思い出すたびに、其のスイスの誇る栄光の陰で人知れず命を賭けて戦った人々の歴史の上に、現在のスイスが存在すると思いますと、なにやらなんとも言えない感慨が沸き起こります

スイス傭兵部隊・・・。
まさに、スイスの背骨のような気がしてなりません。

これにて「スイス傭兵部隊」のひとりごとは終わります。

次回はスイスのお隣、オーストリアに生まれた天才音楽家についてひとりごとりますよ







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3 コメント

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それってモーツアルトのこと? (腹黒光り)
2006-12-21 04:48:48
つぎはサヴァン症候群のあの人か?ウオルフガング・アマデウス君か,面白そうだね。
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スイス議会は (syn3)
2006-12-21 07:41:19
どうなったんや。聞きたい。聞きたい。聞きたい。
もはや、子供。(笑い)

ポピュラーな事より、マイナーな道の方が君には似合うと思うのだが? どうだろう?
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sny3さま、承知いたしました」 (歴史好き・キゴウ君)
2006-12-21 07:55:47
snn3さまの要望にお答えして次の次はスイスの政治制度についてひとりごとさせていただきます
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