馬鹿バスケ

Brooklyn Comets(ABA)でのアシスタントコーチを終えて、今はNYでスタッツいじり。

アメリカ南部バスケットボール巡礼の旅(11日目:1月8日)

2005年01月17日 | アメリカ南部バスケットボール巡礼の旅
先日のバスケ巡礼旅行の最終日に、Memphisのダウンタウンにある公民権運動博物館を訪問した。この場所はもとはMartin Luther King牧師が狙撃されたモーテルで、改築して博物館となった。明日1月17日(月)は、こちらではMartin Luther King Dayで休日ということで、順番が前後するが先に旅行の最終日の記録を簡単ながらアップしておきたい。

11日目(1月8日)
午後から公民権運動博物館を訪問。Martin Luther King牧師が狙撃された際に滞在していた部屋は、当時のまま復元されている。

内部の観覧は、まずキング牧師の有名な演説「I have a dream。。。」の映画から始まる。「いつか、奴隷の子孫達と奴隷のオーナーの子孫達が、手を取って遊んでいる姿を見ることが、私の夢だ」というようなことを言っていた。

しかし当時の黒人達への弾圧の実態をこの博物館で見るにつけ、よくあの狂乱のなかで反動的にならず、こんな名演説を遺せたものだなと感心した。それだからこそ、一部の白人を含む大衆から広く支持されたキング牧師だったのだろうが、よくバランス感覚を失わずにいられたものだ。ちなみに、実際にブラックパンサーという反動的な団体も存在したが、ここの展示によれば、彼らもホームレスに食事を提供したり、他の公民権運動団体の活動に協力したりしていたそうだ。

アラバマ州モントゴメリーでのバス不乗運動をきっかけに、ノースカロライナでのダイナーでの座り込み、ミシシッピ大学への黒人の入学、ワシントンでの自由への行進、と黒人解放運動が草の根的に全米に広まり、徐々に高まりを見せていく様はダイナミックの一言に尽きる。King牧師はそれらの運動において中心的な役割を果たすのだが、そのきっかけが、King氏がモントゴメリーの教会の牧師で、バスの不乗運動の際に協力を要請されたからという偶然。しかもその不乗運動のきっかけも、白人に席を譲るように運転手から命令された黒人女性がそれに従うことを拒否したからなのだが、曰く「たまたま疲れていただけ」、とのこと。黒人解放運動は言うまでもなく必然であったが、そこに数々の偶然が絡んでいるのを見ると、歴史のおもしろさを感じずにはいられない。また、ここには黒人解放運動以外の公民権運動に関する展示ももちろんあり、Native Americanによるアルカトラズ島の占拠等、初めて知る事実も多かった。

心を打たれたままMemphisを出発。約7時間のドライブの後、夜12時過ぎに我が家に到着。走行距離は11日間で約4800キロ。実り多い旅だったように思う。

(補足)
昨日サタデーナイトライブというこちらのコメディ番組を見ていたら、Martin Luther Kingが誰かもよく分かっていないのに「今日は黒人のための休日だから働かない」と言い張る黒人救急隊員のコントをやっていた。爆笑。しかしアメリカはこんなエゲツないコントもやってしまうんだから、ブラックジョークに関しても先進国だと思う。

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