TOKI : LOG

LOGGYと竹坊の物見遊山

国分寺・藤森建築巡り

2014-06-15 | 建築散歩
先日、ブロ友106さんと国分寺界隈の「藤森建築」を巡ってきた。
「藤森建築」とは、建築家であり建築史家でもある藤森照信氏の
設計・施工した建物の事である。

LOGGYが建築散歩をするようになって最初に読んだ資料本が、
この藤森氏を含めた6名のメンバーで結成された東京建築探偵団が
著した「スーパーガイド建築探偵術入門」である。
その後「建築探偵~」の本が次々と出版され、何れも
LOGGYには欠かせぬ資料となっている。

そんな藤森氏の造る建物は実にユニークで、
業者がなかなかやってくれない作業を施主と藤森氏の知人達が趣味で行い
造り上げてしまうというスタイルなのだ。

今回巡った3軒の建物も想像を超えるユニークな作品だった。

■チョコレートハウス

有名な国分寺崖線の上に聳え立つ板チョコを貼り合わせたような建物、
それがチョコレートハウスだ。



板チョコに見えるのは人の手で折り曲げられた銅版。藤森照信氏の設計で5年をかけ2009年に完成。


この建物の家主は、画廊店主の兒嶋俊郎氏で、施工にも喜んで参加したそうだ。

入口側からの外観。


↓空中に浮かんだような茶室(左)と余った銅版で作られたポスト(右)。


■丘の上APT


チョコレートハウスの隣に建つ丘の上APT〈Art Perspective(遠近法・展望) Textile(織物)の意〉は
チョコレートハウスの家主兒嶋俊郎氏が身近に上質の芸術を楽しめるように造った
オープンアート空間である。



屋根と外壁は、亜鉛メッキ鋼板であるトタンを使用しているという。


一見キルティングのように見える外壁。


2階のロフト部分は兒嶋俊郎氏の祖父で日本を代表する洋画家、
児島善三郎氏のアトリエが再現されている。


■史跡武蔵国分寺跡とお鷹の道

さて、2軒の藤森建築を見学後、最後の目的地まではやや距離があったので、
例によってブラ散歩していると何やら見覚えのある景色が!
史跡国分寺跡とあるのだが、LOGGY的にはこの場所は迷宮入りとなった
三億円事件で、乗り捨てられた現金輸送車が発見された場所として記憶に残っている。

すぐ近くに名水の湧く水路があり、遊歩道になっていた。
江戸時代この付近は尾張徳川家のお鷹場だったことから、
この遊歩道はお鷹の道と名付けられているようだ。

辺りには古い民家も多く、林ではウグイスが鳴いていた。


■タンポポハウス

さて、最後の目的地はタンポポハウスと呼ばれる藤森氏の自邸である。


基本設計が決まったのが1993年6月、そして1995年竣工。
屋根と2階壁面に日本タンポポを植え、全体を鉄平石で覆い、1階にはベランダをつける。
自然との同化を目指した家である。
・・・だが、1本ずつ手で植えた日本タンポポは散水システムに問題があり、
雨の日に傘を差しながら2階の壁に水やりするハメになり、やがて枯れてしまったそうだ。



ベランダは、夏は日除け、冬はサンルームの役割を果たすという。



自らが自らの手で納得のいくまで築き上げた建物からは
何れもみなぎるパワーを感じたLOGGYであった。

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