ここ数年銀座の古い建物が急速に取り壊されていく中で、
今も頑張っている筆頭格の建物がこの奥野ビルだろう。
このビルは、1932年（昭和７年）に川元良一の設計で建てられた。
元々は二棟建の単身者向け集合住宅、銀座アパートとして
建設する計画だったが、関東大震災後の混乱で認可が下りず、
1932年に左側の棟が出来、翌年に右側の棟が完成したそうだ。
現在は商業ビルとして多くのギャラリーや店舗が入居しており、
LOGGYも気合いを入れて見学開始！
ビル内部に入るとスクラッチタイル張りの広い玄関ホールと
その脇に手動扉のエレベーターが目に入る。
このエレベーターには、洒落たデザインのアナログ式フロア表示板が
ついているが、何故かフロア毎に微妙にデザインが異なるものが
取り付けられている。それらをチェックしながら結局階段でフロア探検。
階段の木製の手摺も上品に装飾されており、
当時の設計者の意気込みが感じられる。
また、最初に出来た左棟の階段には踊り場に窓があり、
右棟の階段とフロアを見ることができる。
床面は長年の人の往来で磨り減っており、歴史の重みを感じた。
ひたすら階段を登ると最後は屋上へと続く鉄製の階段があったが、
立入禁止になっていた。
今度は右棟側の階段を地下まで降りていく。
途中階段踊場毎にオブジェ作品が展示してあり、
来訪者の心を和ませてくれる。
ひと通りビル内を探検した後、
1階のアンティークショップを覗こうかと思ったが、
外人客が大勢来ていて、敷居が高そうなムードだったのでパスし、
今回の目玉スポットがある３階へと向った。（後編に続く）
