こちら、たじま聴覚障害者センター「つれづれ日記」

公益社団法人兵庫県聴覚障害者協会の事業所として、たじま聴覚障害者センターの活動やお知らせをご紹介します。

むかしの出来事

2007年02月26日 | 日記
Oさんから聞いたちょっと良い話。  

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今から3?年前の話になります。
Oさんが子供を自転車に乗せて自宅近くの川沿いの道路を通っていた時の事です。
その当時”県立T農高”が近くにあり、そこの生徒がよくバイクで走っていたそうです。
2人乗りをしたバイクが、自転車に乗っているOさんの後ろから来ました。
そしてOさんの肘にぶつかってしまったのです。(ほんの少しと言う事でしたが)
そのはずみで自転車もバイクも道路から土手の方へと滑り落ちていきました。
幸いな事に川の中へは落ちませんでした。
そこでOさんのとった行動とは・・・・・
なんと、泣いている自分の子供をほっといて2人の生徒さんを助けに行ったのです。
「大丈夫!大丈夫!怪我はしてない?」
と必死に助け起こしたそうです。
「僕達は大丈夫だから早く子供を見てあげて!」
と泣いている我が子を指差して言われて、その時にはじめて子供が怪我をしている事に気が付いたそうです。
肩の辺りから血が出ています。
あわてて自宅に帰り普段から懇意にしているお隣さんに助けを求めました。この方は手話ができます。
子供の怪我の状態を見て
「まぁー大変!病院に行った方が良いよ!」
タクシーを呼んで一緒に行ってくれました。
怪我の処置を終え自宅に帰ってから、
学生さん達も怪我をしていたけど大丈夫だったのかな?と思ったそうでう。
それから数日後、誰かがOさんの家を訪ねて来ました。
玄関を開けると、そこにはあの時の生徒さん2人と他に1人いました。
隣の人に頼んで通訳をしてもらいました。
「私はこの生徒の担任です。2人からバイクに乗っていて親子が乗った自転車とぶつかったと聞きました。
 本当に申し訳ありません。耳の聞こえないお母さんだったと聞いて探して、ここが分かりました。
 子供さんの怪我はどうですか?2人も自分達の方を先に助けてもらったと気にしています。」
「すみませんでした!」と、2人の生徒。
「わざわざどうも。子供は切り傷だけですみましたし、元気です。心配ないですよ。」
それを聞いて先生と2人の生徒さんは、何度も謝りながらホッとした様に帰って行きました。

本来なら話はここで終わると思いますが、Oさんの話には続きがあります。

それから2人の生徒さんは
「子供さん元気ですか?」
と、家を時々訪ねてくれるようになりました。
幾度目かのある日、
「僕達は高校を卒業して豊岡を出ます。もう来れなくなるけど、もし何か困った事があったら
 学校の先生に相談してください。」
と言って、先生の名前と電話番号を書いた紙を渡してくれました。

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「あの時の生徒さんは元気にしているのかなと時々思う事がある。」
とOさんは話していました。
私はこの話を聞いて、Oさんの話が上手なのもあってか思わず目がうるっとなってしまいました。 
ホントに良い話ですね。 


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