私のファーストキス
私は“ませた”子供だったかも知れない。あれが初恋と呼べるなら、それは保育園時代、既に好きな男の子がいたのだ。私は顔から好きになっていくタイプだ。美しいものにいつも心惹かれる。私が好...
古いギターの旅立ち
中学生の頃、音楽の時間に楽器を使っての授業があった。音楽室へ行くと、マンドリンとギターが用意されており、確か座っている場所によって、楽器は振り分けられた。たまたま私の列はマンドリン...
フリマの大失敗
友人Tさんの不用品をフリマアプリで売って、温泉に行こうという「トレジャー計画」も、資金が貯まり、そろそろ出品する不用品もなくなりかけた頃の事だった。トレジャー仲間のIさんが引っ越し...
皿に残ったはちみつから
お昼時に、前日に焼いて冷凍しておいたホットケーキをレンジで温めた。ホカホカのホットケー...
老夫婦の静かな日常
基礎化粧品の乳液がとうとう無くなり、詰替えをしようと、買い置きの封を切った。夫はいつも通り、居間のパーソナルチェアに座って、スマホをいじっていた。珍しくテレビは消えていて、静かでの...
もーいいかい?
2週間ほど前の事。「もーいいかい?」午前中から何度も聞こえる隣のご主人の声。お隣は私たち夫婦より少し年上のご夫婦、きっと団塊の世代だ。昭和の人間は我慢...
息子と二人旅 7.恐竜ブームと旅の終わり
むかわ町穂別は小さな町である。お昼ごはんを食べるところも、そんなに数は無いのである。最初に見つけたのは昭和レトロな喫茶店だった。入ってメニューを見て、どうしようか迷っていると、お店...
息子と二人旅 6.カムイサウルス・ジャポにクス
そもそも恐竜マニアでも無い私が、今回穂別博物館へ来たいと思ったのは、道新こども新聞「まなぶん」を読んだのがきっかけだった。週一回のこども新聞には北大総合博物館の小林快次...
息子と二人旅 5.太古は海の底だった町
一夜明け、7月14日。息子のアパートから、のんびりと穂別博物館へ向け出発した。途中むかわ町の道の駅「むかわ四季の館」へ立ち寄った。事前の下調べで館内にはノーベル賞を受賞された鈴木章...
息子と二人旅 4.散策の後、食べて呑んで
記念館を出て、周辺を散策した。この辺は、シカもよく通るようで、そこかしこに“落とし物”があった。真新しい物もあり、今しがたここをシカが通ったのだと考えると、それだけで何だか楽しくな...