VolleIsm~バレイズム~

Volley+Ismの造語。日本国内、世界のバレーの魅力を発信します!(現在、書籍化計画の記事は非公開にしています)

ヨーロッパのお話

2013-12-13 | バレー情報(国内・海外)

今日は、ヨーロッパのバレー情勢についてお話してみようと思います。

近年、ヨーロッパでは、これまであまり聞いたことのなかった国が急速に力をつけてきています。今年のワールドグランプリに出場していたチェコ(世界ランクは当時24位)、ブルガリア(同43位)などは記憶に新しいところ。加えて、ベルギーも欧州選手権で3位に入るなど、世界トップの仲間入りをしつつあります。

チェコは、かつてのチェコスロバキア時代に国際大会で数回メダルを獲得して以来、低迷。しかし、2010年の世界選手権でイタリアを破るなど、頭角を現してきました。さらに2012年の欧州選手権では初優勝。197cmのミドルブロッカー、クリスティナ・パストロバ、パワーエースのアネタ・ハブリチコバなど、強豪クラブでプレーする選手が中心です。


真ん中、クリスティナ・パストロバ(Kristyna Pastulova)。
右もミドルブロッカーのミハエラ・モンゾニ(Michaela Monzoni)。

またブルガリアは、木村沙織選手の所属するガラタサライでチームメイトのドブリアナ・ラバジエバ、キャプテンでセンターエースのストラーシミラ・フィリポバ、そして日本リーグに興味を示していたというエリツァ・バシレバなど、190cmを超える非常に高い選手を揃えていて、今年のワールドグランプリで日本にストレート勝ち。またブルガリアは、ワールドグランプリで優勝したブラジルから金星を挙げた唯一のチームでもあります。世界のトップに仲間入りを果たしたことは言うまでもないでしょう。

ベルギーは、台頭してきたのがあまりに突然だったので、正直何も知りません(笑)
しかしイタリア、セルビアなどの強豪を倒していることから、その実力は確かなものであると思います。今年の欧州選手権で3位入賞し、リセ・ヴァン・ヘッケという選手がベストスコアラーに、ヴァレリー・クルトワという選手がベストリベロ賞に選ばれています。攻守に安定したチームであることがわかりますね。さらに欧州選手権で3位入賞したため、2014ワールドグランプリの出場権も獲得しました。ベルギーがどんなチームなのか、見るのがとても楽しみです。

このように頭角を現しているチームもあれば、逆に少し力が落ちてきているかな?と感じるチームもあります。トルコ、ドイツ、イタリア、ポーランドといったチーム。

トルコは国内リーグの発展に伴い、どんどん力をつけていくだろうな、と予想していたのですが、今年のワールドグランプリでは、予選ラウンドが比較的楽な相手ばかりだったにもかかわらず予選落ち。あれでは正直かなり厳しい。

ドイツは、今年の欧州選手権で2位に入ってはいますが、実際はかなり伸び悩んでいるのではないかと思います。とにかく若手が成長しない(というか出てこない)。ワールドグランプリでもプエルトリコやアルゼンチンといったチームに負けてしまい、予選落ち。ドイツのバレーは、正直どこを目指しているのかよくわかりません。

イタリアは世代交代が上手くいっていない印象。ロンドン後、ロビアンコ、ジョーリ、デルコーレなどのベテランがごっそり抜けました。コスタグランデ一人が残って奮闘し、どうにかワールドグランプリでは決勝ラウンドに進出しましたが、その後の欧州予選では思わしくない結果に終わりました。202cmの新鋭、バレンティーナ・ディウフなどがどれだけチームを立て直せるか、注目です。


202cmのバレンティーナ・ディウフ(Valentina Diouf)

ポーランドは、日本とはいつも競った試合を見せてくれていたので、今年のワールドグランプリで日本がストレート勝ちしたときはもちろん嬉しかったですが、「ポーランドってこんなだったかなあ・・・」と複雑な気持ちになりました。

もしかするとこれらのチームは、実際は弱体化しているのではなく、周りがどんどん強くなっているから、相対的に弱くなっているように見えるだけかもしれません。そもそもヨーロッパは他の地域と比べても国の数が圧倒的に多いので、激戦区であることは既知の通り。来年の世界選手権の地域別出場枠を見てみると、アフリカから2チーム、アジアから4チーム、北中米から6チーム、南米から2チーム、ヨーロッパから10チーム、となっています。えっ?ヨーロッパから10チームって少なくない?と思ってしまうのは自分だけでしょうか?北中米の枠、6つも要らないでしょうというのが本音。アメリカ、ドミニカ共和国、キューバ、プエルトリコの4チームで十分な気がします。その代わりヨーロッパの出場枠を2つ増やしたらどうなんでしょうか...

自分で言ってしまいますが、近年のFIVBのやることなすこと、ほとんどに批判的です。21点制の推進、チャレンジシステムの導入、W杯の開催方法...話が脱線しそうなので、このことについてはまたお話したいと思います(笑)

ヨーロッパのバレー情勢について、少しは伝わったかな...もう少しこの辺がどうなのか知りたい!とかありましたら、コメント欄でもTwitterでもいいのでどんどんご意見ください。分かる範囲でお話させていただきます^^


ところで、おまけ。
ヨーロッパの選手はなぜか爪を噛むのが癖の選手が多いようで...


イタリアのクリスティナ・バルチェリーニ(Cristina Barcellini)


同じくイタリアのバレンティーナ・アリゲッティ(Valentina Arrighetti)


色んな意味で強烈...セルビアのステファナ・ベリコビッチ(Stefana Veljkovic)