「人間の人生は一個の芸術作品になりえないのでしょうか。なぜひとつのランプとか一軒の家が芸術の対象であって、わたしたちの人生がそうでないのでしょうか」ミシェル・フーコー「倫理の系譜額について」『思考集成』
今日はちょっと専門的な話。
言説分析という社会学の調査技法に興味があったので大学院の同輩にこれを知るために良い本を教えてもらったところ、中山元氏のフーコー本と佐藤俊樹氏と友枝敏雄の『言説分析の可能性』を薦められたので、とりあえずいかにも入門ぽい『はじめて読むフーコー』を読んだ。
基本的にフーコーの思想的遍歴を追いながら、その思想の特徴を解説していく構成。「狂気」「真理」「権力」「主体」という四つのメインテーマにそれぞれ項を設けてまとめて説明してくれる丁寧さ。とりあえずわかった気にさせながら、もっと深い理解に分け入っていくための手引きを含んだ理想的な入門書。良い仕事をしている。個人的には、「真理」そのものを問うのではなく、「真理」語る「権力」をもった「主体」は誰か?といったような思考方法がニーチェと似ているなと思って興味深かった。というか、哲学とか社会学とか面白いよなあ。職業としてやるのはちょっとためらいがあるが、趣味として読むのにはとても良い。まあ、あまり他人には理解されない趣味だが。
フーコーは死んだが、フーコーの思考、たとえば「生の権力」などの概念は未だ死なないどころか、ますます重要性をはらんでいるような気がする。そういう意味じゃ、われわれはフーコーを読み直していくことは必要なのだろう。と言っても、その「われわれ」ってのが誰なのかは微妙なとこだが。
今日はちょっと専門的な話。
言説分析という社会学の調査技法に興味があったので大学院の同輩にこれを知るために良い本を教えてもらったところ、中山元氏のフーコー本と佐藤俊樹氏と友枝敏雄の『言説分析の可能性』を薦められたので、とりあえずいかにも入門ぽい『はじめて読むフーコー』を読んだ。
基本的にフーコーの思想的遍歴を追いながら、その思想の特徴を解説していく構成。「狂気」「真理」「権力」「主体」という四つのメインテーマにそれぞれ項を設けてまとめて説明してくれる丁寧さ。とりあえずわかった気にさせながら、もっと深い理解に分け入っていくための手引きを含んだ理想的な入門書。良い仕事をしている。個人的には、「真理」そのものを問うのではなく、「真理」語る「権力」をもった「主体」は誰か?といったような思考方法がニーチェと似ているなと思って興味深かった。というか、哲学とか社会学とか面白いよなあ。職業としてやるのはちょっとためらいがあるが、趣味として読むのにはとても良い。まあ、あまり他人には理解されない趣味だが。
フーコーは死んだが、フーコーの思考、たとえば「生の権力」などの概念は未だ死なないどころか、ますます重要性をはらんでいるような気がする。そういう意味じゃ、われわれはフーコーを読み直していくことは必要なのだろう。と言っても、その「われわれ」ってのが誰なのかは微妙なとこだが。