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哲学者か道化師 -A philosopher / A clown-

映画、小説、芸術、その他いろいろ

1月の美術展

2007-01-13 | 展覧会
・国立近代美術館
『横山大観《生々流転》』前期
 ~2月4日(日)

・東京都美術館
『オルセー美術館展』
 1月27日(土)~4月8日(日)

・東京都現代美術館
『中村宏 図画事件1953-2007』
 1月20日(土)~4月1日(日)
『闇の中で in the darkness』
 1月20日(土)~4月1日(日)
『等身大の約束』
 1月20日(土)~4月1日(日)

・国立新美術館(今年1月開館)
『20世紀美術探検―アーティストたちの三つの冒険物語―』
 1月21日(日)~3月19日(月)
『日本の表現力―アートとエンターテインメントの融合と進化』
 1月21日(日)~2月4日(日)
『黒川紀章展―機械の時代から生命の時代へ』
 1月21日(日)~3月19日(月)

・森美術館
『笑い展:現代アートにみる「おかしみ」の事情』
 1月27日(土)~5月6日(日)
『日本美術が笑う:縄文から20世紀初頭まで』
 1月27日(土)~5月6日(日)

・青山ユニマット美術館
『ミレー、コローとクールベ展』
 ~3月18日(日)


 このブログをコンスタントに読まれている人ならご存知だろうが、私は一応美術好きである。そんなわけでも、わざわざ上のように東京の美術館展の予定を企画展を中心にまとめたのにはちょっとした理由がある。できれば、毎月第一週の土日くらいに毎回こういう風にまとめて書いてメモにしておきたいので、参考していただければ幸いである。
 まあ、その理由というのが、今日Bunkamuraザ・ミュージアムに最終日の『スーパーエッシャー展』を観にいったのだが、前売り券もち90分、なし120分という怒涛の混み具合を呈していて結局観ずに帰ってきたのである。正直、エッシャーをなめていた、こんなに混むとは…。僕は印象派好きの色彩バカなので、あまりエッシャーのような白黒の騙し絵というのは趣味ではないのだが、学部生のときにやった認知心理学の授業で取り上げられたりしたので、まあギム半分ネタ半分で観にいったのだが…というわけである。しかも、あらかじめ前売り券を買ってあって、その分の損。90分待って観ることもできないわけではなかったろうが、今日はあいにく体調が悪くて(何せ、今年度最後の英文購読の授業の英文の最後の節をやっている最中にトイレに駆け込んだ!)、寒い中90分列に並んで待っているのはツラかったのである。一応、列の最後の方を見にいったときには、おじいさんに声をかけられて招待券いらんかと言われたんだけど、要するに僕と同じで展覧会を観るのを諦めた人だったわけだね。
 そんなわけで、美術館はなるべく早めに余裕をもって観ようというわけで、このブログに自他のメモとして美術展を残そうと思ったのである。特に今年は3月にダ・ヴィンチの『受胎告知』という大本命の、一体どれだけ混むのか想像するだに恐ろしい美術展があったりするのである。『存在の耐えられない軽さ』のテレザは「愛は戦争だわ」と言ったが、美術展も戦争である。

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森美術館『ビル・ヴィオラ:はつゆめ』

2006-11-29 | 展覧会
 六本木ヒルズの森美術館『ビル・ヴィオラ:はつゆめ』展を観てきた。ビル・ヴィオラは今週のAERAの表紙を飾る、ビデオアーティストである。
 会場には、絵画やオブジェのように、映像作品が展示されているのだが、そのほとんどが、スローモーションを駆使した、のろーいテンポの作品である。たとえば、会場に入っての最初の作品は、パネルの前後にほぼ同じ男性がこちらに歩いて近づいてくる映像がスローモーションで提示され、画面いっぱいまで近づいてきたところで立ち止まり、前面では足元からの火に焼き尽くされ、後面では頭上からの水に押しつぶされる、というものである。全体的にダイナミックな作品が多いのだが、わかりにくい上にスローモーなので、僕も含めて退屈そうに作品を眺めている人が多かった。作品も10分を超える(中には、人間の一分間の表情の変化を85分に引き伸ばしたという作品があり、その動きを肉眼で捉えるのは不可能なものとかがある)ものばかりで、鑑賞するにはけっこう根気がいる。物語を伴わない映像芸術という意味では、珍しい作品群ではあるが、あまり人にお勧めはできないかも。

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上野の森美術館『生誕100年記念 ダリ回顧展』

2006-10-30 | 展覧会
 上野の森美術館のダリ回顧展を見てきた。もともと国立西洋美術館の「ベルギー王立美術館展」を見にいくつもりだったのだが、月曜休館でその代わりに。もともといずれは見に行くつもりだったのだが。
 けれどもものすごく混んでいてまともに絵を見られるものでもなかった。入館に15分待ちで、入ってからも全然列が流れない。面白い絵がたくさんあるのだが、それをゆっくり鑑賞できないのは苦痛だ。また午前一番にでも行ってみるかなあ。しかし、ダリは奇抜な絵を古典的な画法で描いて、自分の絵を作っているのだがら、たいしたもんだよねい。革新的でも伝統的でもあるのだから。

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青山ユニマット美術館『シャガールとエコール・ド・パリコレクション』

2006-10-18 | 展覧会
 最近、美術館にいってばっかだが、今日も青山ユニマット美術館に行ってきた。今年できたばかりの、綺麗な美術館である。

 小さい美術館だと侮っていたが、コレクションはけっこう本物。モネやゴッホ、ピカソなどの超有名画家の作品は2、3枚くらいはそろえている。特に、今回の企画展の目玉であるシャガールの『ブルーコンサート』などは、かなり良かった。今までシャガールは幻想的なヨクワカラン的雰囲気で苦手というか近づきがたかったのだが、このシャガール展で一気に目覚めた感じである。人も少なく、入館料も一般1000円、学生500円と安めなので、かなりおすすめの美術館。芸術の秋にぜひ。

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Bunkamuraサ・ミュージアム「ピカソとモディリアーニの時代」

2006-10-12 | 展覧会
 Bunkamura美術館の「ピカソとモディリアーニの時代」(~10/22)を見てきた。げーじゅつの秋のせいか、この頃面白そうな美術展が多いのである。

 さて、「ピカソとモディリアーニ」展と銘打たれ、特にモディリアーニを見直すという趣旨の割には、あまりこれらは面白くない。むしろベタなところだが、クレーやミロのほうが面白かったりする。解説が充実しているので、20世紀以降のフランス絵画、特にキュビズムなどの勉強になる。そのほかは、特にこれを見ろ、という絵もないし、それほど特色のある美術展ではないかもしれない。まあ、暇つぶし程度に。

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東京芸術大学美術館『日曜美術館30年展』&東京国立美術館『モダン・パラダイス』

2006-10-05 | 展覧会
 昨日と今日で東京芸術大学美術館の『日曜美術館30年展』と東京国立美術館の『モダン・パラダイス 大原美術館 東西名画の競饗宴』(両方とも、10月15日(日)まで)を見てきた。

 まず、『日曜美術館30年展』についてだが、微妙。NHKの『日曜美術館』という番組からもってきたものだが、あまりおもしろくない絵が多い。それに、人が多いわじいちゃんばあちゃんばかり(別に差別するわけじゃないが)だわ、全然進まないので、人を避けて歩きながら絵を見なければならない。正直、おすすめしない美術展である。

 対して、『モダン・パラダイス』のほうだが、…最高。今年見た美術展の中では、間違いなく一番趣しろ(おもしろ、と無理やり読む)かった。モネ、ルノワール、マティス、ピカソ、ゴーギャンなど、有名な西洋画家で置いてない人はまずいない。しかも、日本画家との比較もされていて、写真や彫刻も置かれ、という実に豊富な構成になっている。しかも、それほど有名でもない画家の絵でも、なかなか良い絵が多くて、全体のレベルが高い。それに、上野ではなく、皇居周辺にあるせいか、妙に人が少なく、見て回りやすい。絵画とかに興味がある人なら、とにかく行くべし。また、日本画、西洋画を問わず、近代絵画を広く網羅しているので、初心者のための入門にもいい。とにかくおすすめ。

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東京芸術大学大学美術館『ルーヴル美術館展』

2006-07-29 | 展覧会
 今日、東京芸術大学大学美術館の『ルーヴル美術館展―古代ギリシア技術・神々の遺産―』(~8/20)を見に行ってきた。この美術館に行くのは初めてなのだが、名の通り東京芸大のキャンパスの中にあって、わりとこじんまりした美術館。美術館には、11時ごろ到着したのだが、美術館の外まで列が伸びていて、入場まで10~20分ほど待たされた。
 展示は、ギリシアの彫刻か陶芸ばかり。印象派みたいに派手な絵画が好きな私には、白一色の彫刻というのは基本的に退屈だったり。とはいえ、彫刻のレベルとしては、そもそもこれ以上のレベルの彫刻が存在しうるのか?というくらいに高く(とはいえ、筆者は別に美術に詳しいわけではないので、見た目の印象でしかないが)、優美なものだった。美術館自体は、鑑賞者の流れをスムーズに運べない陳列の仕方をしたりしていて、あまり良いものではなかったが、3階だけは今まで見たどんな美術館にもない、屋根からの採光をブラインドで調節するというもので、かなりの開放感があった。特に、B2階の展示室から3階の展示室へと移動するので、その雰囲気の違いには圧倒的なものがある。3階のちょっとしたホールのような部屋にずらりと等身大の彫刻が並べられ、それを鑑賞者たちがゆっくり観て回っているというのは、パーティのような雰囲気さえあった。まあ、変わった美術館だと思う。
 筆者が気に入ったのは、「アルルのヴィーナス」像と「ニケ」像、そして獅子像である。いずれも歴史の教科書にのるほどメジャーなものだ。あと、3D映像でミロのヴィーナスを立体的に再現したコーナーがあった(展示には「ミロのヴィーナス」はないが)が、これもかなりよかった。入場料も安めで、とりあえず行っておいたほうがいい美術展である。
 筆者としては、美術展というよりも博物展のような感じで鑑賞した。なんとなくだが、近代以降の美術や彫刻とは一線を画した雰囲気である。鑑賞者には、小学生くらいの子をつれた親子連れが多かった(夏休みの初めのせいもあろう)が、これは正解だろうと思う。というのは、印象派などのブルジョア(?)趣味な美術展を見るときには、子供なぞ周りにいてほしくないものだが、この美術展に関しては、教養としてか、子供にこそ見てほしい感じがする。たぶんそれは、人類がどうにか積み重ねてきた「歴史」の感覚があるからだと思う。展示された彫像にはかけた部分が多いが、それらが単純な「美」とは違う価値、「存在の重さ」みたいなものを感じさせる。そこには、何かしらの「怖さ」さえあると思う。そういう意味で、「美術展」ではなく、「博物展」らしさがあるのだと思う。どうにも詭弁ぽくもあるが、そんな感じ。

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東京都現代美術館『パリ カルティエ現代美術財団コレクション展』

2006-07-02 | 展覧会
 今日は、会期最後の東京都現代美術館(MOT)の『カルティエ現代美術財団コレクション』を見てきた。今まで忙しくてなかなか来られなかった展で、最終日の休日ということもあり、込んでいることが予想されたが、結果から言うと行ってよかったと思っている。見る者の意表をつくような大胆な現代美術がたくさんあったからだ。それに人の多さもそんなに気になるほどでもなかった(もっとも映像作品を見るときに並んで、けっこう待ったのには辟易としたが)。というのは、例えば印象派などの近代以前の"美しい"芸術だと、静かに、作品に没入するような鑑賞が必要だが、ポップ・アートとなるとそういう重たさはなくて、もっと気楽に人と軽く作品について話しながら見るくらいがちょうどいいくらいだと思うからである(それに、"美しい"美術展となると、やたらうるさいおば様たちが群居してやってくるので、そういう人たちがほとんどいなかったという点でもよかった。心持ちカップルの割合が、他の美術展よりも多かったように思う。くそう)。いやいやなかなかにしておなかいっぱいな観賞体験だった。
 筆者がもっとも印象に残った作品は、旧ソ連の映像作家アルタヴァスト・ペレシャンの約30分に及ぶ映像作品。メインにロケット発射の場面が置かれ、その合間合間に黎明期の飛行機や飛行船の事故シーンなどが挿入され、さらに悲劇的な様相を帯びた音楽が奏でられ、独特の緊迫した雰囲気を作り出していた。全編モノトーンの映像も悲壮な雰囲気を伝えている。ドキュメンタリー的にはNHKの『映像の二〇世紀』、寓話的にはクシシュトフ・キェシロフスキの沈鬱な映画に似ているか。ナレーションやセリフの1つもないのに、そのドラマ性の高さは圧巻!

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