Blue Apartment Life

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時雨読書譚。

2008年10月24日 18時54分25秒 | よもやま話
一昨日の晩に降り始めてから諦めてました、ということで昨日のお休みは自宅謹慎。

1人暮らしの方で家が好きってのをタマに耳にしますが、辛くないんですかね(笑)。広い家にお住まいなのであれば話が違うのでしょうが、あの狭い空間に半日以上居ると偏頭痛がしてくるんですね。苦手です。しかし昨日はケンも悠も週末のレースで居ないし・みんな出張とか行ってたし・雨で山にもいけず外に出たのは数メートル先の自販機にデカビタ買いに行っただけ、声発したのも悠と電話で5分のみ(笑)。
んで、先日両親が来た折に実家に置きっ放しの本を少々運んでもらいましたのでそれを久々に読んでいこうと、相成りまして。

話は逸れますがボク、1人暮らしして十数年になるのですが水周りの日用品の類を買いに行った事がないんです。ウチの母御、男がゴミ捨てたりトイレットペーパーを提げて歩くのを非常に嫌うタイプで、定期的に米や洗剤なんかをエッチラオッチラ運んでくれます。そこにボクの意見を挟む余地はございません(笑)ってのは冗談で、感謝感謝、この場を借りて両親に感謝の気持を伝えさせて頂きます、お陰で愚息は汚くならずに済んでます(笑)。


で昨日読んだのはこの4冊。
















いくつの頃に読んだのかは忘れました、小学生~中学生の頃はこの手合いの歴史・時代小説を貪り読んでましたね~。小5位かな、司馬遼太郎を読んでてその1節に「御開帳」という表現の隠語があったのを見て、父に尋ねると困った顔で丁寧に教えてもらった、という記憶があります(笑)。池波正太郎や五味康祐・南條範夫・海音寺潮五郎など片っ端から読んだなかで、最も好きだったのがこの藤沢周平。時代小説の良さってのは色々あると思うのですが、単純明快・豪快であったり・テンポの良さだったり・残酷・リアルなどなど作家なりの特徴があって中々面白い。同じ人物についての作品でもそれぞれの描写の違いで全く別人物にしあがったりもします。ボクはモチロン子供だったのでヒーローものを見る感覚で読んでたんです。

しかし藤沢作品は所謂ヒーローが出てこない。きっちり題材として主人公にした著名人は長塚節くらいでしょう、そのほか短編でチラホラ。そういうインパクトが無かったにも関わらずドップリはまりました、今思い返すと彼の文章の美しさがそうさせたのかもしれません。時代小説、というよりもヨーロッパの作品に感じられるニュアンスでしょうか、情景描写も際立つものがあった。例えば漬物を噛む音が聞こえてくるようだったり、「川の水が流れて」と書くよりも水が流れていそうだったり、何よりも人の表情が美しく感じられました。子供心にそれを感じ取っていたのかもしれません。そして登場人物が非常に身近で彼の描く主人公は卓越した人物が少ない、時代劇で見る華やかな元禄文化ではなくリアルなその時代性があり、その中で苦労がありながら明るく暮す人々が活き活きと輝いてるのですね。

そしてその最たる物がこの4部作。彼のエッセイなどを読んでみると転機になった作品で、これまで暗い文調一辺倒だったのが又八郎に出会い朗らかになったようです。

そして彼の短編の半分程は架空の「海坂藩」が舞台になっており、バラバラの短編を登場人物で繋ぎ合わせたりできます。良く出てくる人なんかは若い頃~老年期と多くの短編で主役だったり脇役だったり。こういうロジックなので熱心なファンサイトもあったりします。大人になって歪んだ目で見ると、藤沢氏は意外と商売上手な人物だったのかも・・・・・と考えてしまします(笑)。しかし彼の人となりをみると立派な人物だという事は良く分かるのでボクの考えすぎ(笑)。




夕暮れの丘、金色に輝く稲穂。軽やかに走る風の足音が夜の訪れささやき去ってゆく、、、、、。



チョッとは真似出来たかな(笑)。


おこがましいですが、そう表現したくなるそんな彼の作品。





秋~冬の夜長にオススメです。


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2 コメント

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Unknown (carabosse)
2008-11-09 14:49:21
昨日あたりから冷えてきて、新宿御苑のプラタナス並木はもう落葉してます。 秋はどこったんや、もう冬かーって感じです。 私は叡電の紅葉電車乗って
鞍馬に行きたいです・・・。 一昨年行ってプチ旅行気分味わえてとてもよかった。
  
 お店もうすぐ閉店なんですね。ほんと寂しい限りです、度々行っていたわけではないですが、店長さんのこれから、それにこのブログどうなっちゃうんですかね? ともあれ、あと少し風邪なんかひかぬよう頑張ってフィニッシュを飾って下さい。

 さて、藤沢さんですが、これらの作品が私の藤沢デビューでして・・ 池波さんとかは読んでたんですがね。  この時代て、契約書とかないでしょ。でも、この辺でいいんじゃないという匙加減が、それぞれちゃんと判断できるというのがすごいなーと思うしかっこいいと思いますね。 
 今月は酉の市、今年は3回あるそうです。3回ある年は火事が多いとか・・私も一度行ってみようと思っております。  

 それではダッシュ、おきばりやす~。
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carabosseさま (swell)
2008-11-10 20:34:34
お久しぶりです!
そうなんです、明日で終了です。有難うございました、よく来て頂いてましたよ(笑)
体調も、こないだ「あれ?風邪かな?」と思ったら扁桃腺が腫れて発熱してました、さすがに疲れてるという事ですが、大まかには問題無しです(笑)


ブログについては本文で。


そういえば、うちのAがこの前藤沢デビューしました、もうすぐ2冊目にいくみたいです。読む前からボクが「佐知がな~~」としきりに言うので、どんなにイイ女なのか気になるみたいです(笑)
そうですね、この時代は人と人との関係性が良い時代だったのかもしれません、個の利益のみじゃない。そうじゃない大作家さんもいらっしゃいますが、藤沢さんはいいひとだった気がします、そうであって欲しいですし(笑)。


またお話したいですね、いつの日かお会いできる事を願っております!!
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