はみ出し行政書士日記

破天荒(?)な行政書士が、遭遇する様々な事件に挑戦する日々の実態+α

貰い事故

2007年04月07日 02時26分04秒 | 衝撃の事件
ここのところ仕事で忙しいせいか体調が芳しくない日が続いている。
そんな中、精神的にも疲労を感じる事件に巻き込まれてしまった。

自宅最寄り駅ロータリーの乗降場で子供をベビーシートに乗せている最中、ガツンという衝撃を後ろから受けた。後ろを見ると追突されたことがわかる。相手はジープ、ゴッツイ車。こっちはハッチバックコンパクトカー。

新車を買ったばかりなのに、早速事故とは運が悪い。

事故に遭うこと自体は確率の問題なのである程度諦めがつく。
保険で損失の補填をすればよいのだから。

でも、加害者の態度には正直参った。
まるで自分が悪いことをしたという意識が無い。
普通なら開口一番謝罪の言葉が出るはずのところ、「ここかもしれないな」等と言いながら私の車の傷がついた所を手で擦って、まるで傷を誤魔化そうとしているかのような仕草をしている。思わず「馴れ馴れしく人の車に触らないでくれ!」と言いたくなる。この手のタヌキオヤジは、甘い対応をしていると後で痛い目に遭うのは目に見えている。

事故現場が駅ロータリーであったことが不幸中の幸いであろうか、目の前に交番があるので、加害者に「交番がそこにあるのだから一緒に来てくれ」と言って無理やり交番に連れ込んだ。

加害者は警察に届け出ようとする気配すら見せない。
今にでも逃げ出しそうな気配すら漂わせている。

交番で調書を取っている間、加害者はずっと迷惑そう、面倒くさそうな顔して貧乏ゆすり。
まるで反省の色が無い。
乗降場停車中の車に追突したのだから、誰がどう言おうと10:0の過失割合だ。

ところで、調書の中に職業を書くのが通例だが、加害者は職業を聞かれると「うーん・・・(数秒の間)、自由業ね」と答えた。

何故自分の職業を聞かれて考え込むのだろうか、私には全く理解できない。
しかも、職場の名前を聞かれて「○△◇×コンサルティング」と答える。

よくある話なのだが、「コンサルティング業」「著述業」を自称する人は怪しい人が少なからずいる。「自由業」という人もまた怪しい人が少なからずいる。何しろ、「自由業」を名乗るのは書いて字の如く自由だ。なにをやっていようと、「自由業」と言うのは自由だ。
私自身、対英語圏のクライアントには「ビザコンサルタント」を自称する。そういう怪しい人と思われないように、かなり自分の行動には気をつけているのだが、この加害者はそういう気配は全く見せない。
怪しさ120%なのだ。

調書作成が終わって、いつもの勘で「こいつは危ない」と思ったので、その場で大事な話はまとめてしまったほうが良いと思い、保険に入っているかを確認した。

しかし、その加害者は自分が保険に入っているのかどうかすら知らない。
自賠責保険の保険証を一生懸命読んでいるのだが、それは全く意味が無い。
何しろ、自賠責保険は対人補償しかしないのだから。
加害者は60代半ばの人なのだが、そんなことも知らずに今まで過ごしてきたのかと思うと、平和ボケも来るところまで来るものだと、怒りを通り越して加害者の情けない姿に思わず笑ってしまうほどだった。

こんな危険な人物、交渉を終えずに帰らせたら後がこじれるのは目に見えている。
任賠保険の加入をしているだろうと詰め寄り、車検証などの入っている書類を確認させた。
私の厳しい追及に参ったのか(と言っても、正当な権利を主張したに過ぎないのですけどね。普通なら、加害者の方から申し出るものでしょう。)同乗者は加害者の妻だったらしく、「○×保険サービスに入っていますが、保険証は自宅です」などと、これまたすっとぼけたことを言い出す始末。

事故がおきたら直ぐに保険会社に連絡しなくてはいけないのに、自宅にしまい込んで一体何の意味があるというのだ。
こういう怪しい感じの非常識な人は、行動全てが非常識で無責任。

もう半分諦めモードで、直接保険会社と話をした方が良いと思い、加害者に保険会社に電話をさせて、その電話を代わってもらって直接話をすることにした。

そのほうがイライラしなくて済むし、タヌキオヤジの非常識な行動に付き合わされる必要も無い。とにかく腹立たしいその面を拝まなくて良いのは、精神衛生上非常に好ましい状況だろう。

ところがここでまた新たな加害者の非常識な事実が判明。
加害者は加入していた保険の会社が「○×保険サービス」の保険だと思い込んでいたようだが、その○×保険サービスは、保険代理店だった。
一体どこまで非常識なのだろうか。
底なしの非常識かもしれない。

社会性の無さは天下一品と言っても良いかもしれない。

結局、保険会社と話をつけて一段落したのだが、帰り際加害者が私に掛けた言葉に絶句した。

60を過ぎた初老の人物、高度成長期に日本社会を支えてきた世代の一員であるその人の社会経験の乏しさを如実に物語る一言、

「いやぁ、悪かったね。」

まるで悪いことをしたという意識が無い。
むしろ面倒なことに巻き込まれて迷惑だと言わんばかりの仕草。

ここまでくると、こんな人から謝罪などして欲しいとは思わない。

「私と係わりを持たないでくれ。二度と私の目の前にその面を見せないでくれ。そしてこれ以上他人に迷惑をかけないでくれ。」
そうとだけ言いたくなる。

これまでも追突事故には何度か遭ったことがあるのだが、どれも丁寧に対応してもらったので、腹立たしいと思ったことは全く無いのだが、今回は本当に腹立たしく、今でもその怒りが収まらないぐらいだ。

今回の事故では、ただひたすら加害者を反面教師として、もし自分が加害者になるようなことがあったら、絶対に相手に不快な思いをさせてはいけないという教訓を得た。

人間誰しも、窮地に陥ったとき、苦しいときにこそ本当の姿がでてくるというもの。こういうときに誠実な行動が取れない人物は、普段からそういう行動をしていない証拠なのだろう。

時々、こういったことを人から相談受けるのだが、いざ、自分が当事者となると、思うようにことが進まない。
人からの相談は冷静に聞けるが、自分のこととなると怒り心頭、冷静になり切れないところは、まだまだ人間として未熟だという証拠だろう。

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