今朝は、朝っぱらから滅茶苦茶な電話がかかってきた。
以前1回相談を受けている案件の続きである。南アジアのとある島国出身の男性からの電話だった。日本で会社を作って経営したいという内容の相談を受けていて、これから実際に手続に入りたいというところに至って、突然、法律上絶対に不可能なことをやろうとゴリ押ししてくる。
こんな感じだった。
男性: 「有限会社の定款に資本金300万円と書いて、それだけで会社を作ることは可能ですか?」
私: 「定款に資本金300万円と書いたら、銀行に300万円を預けて、その証明を取らなくてはいけません。」
男性: 「いや、そんなことは無いはずだ。私は何十年も前に弁護士に頼んで有限会社をつくったことがあるが、そのときは1円も金を預けていない。」
私: 「それはありえないです。もしそれが本当だとしたら、何らかの方法で違法行為をしているとしか考えられません。」
男性: 「なに言ってるんだよ!おまえは若造だから何も知らないんだ!私は、あなたがずっと小さいころから会社を経営していたんだ。そのときに銀行に金なんか預けなかった。それとも弁護士が悪い事したって言うのか!」
私: 「昔のことは存じ上げませんので、その弁護士さんを紹介していただければ、私がそのときの経緯を確認させて頂きます。しかし、現在の法律では、資本金を銀行に預けて証明書を取らなくてはいけないことになっていますので、それ以外の方法は私は存じ上げません。世の中には悪いことをする人がいて、『見せ金』(※)という方法で会社を作る人もいますが、それは違法ですから、私の事務所では受けません。」
男性: 「おまえは頭悪くて何も知らないから出来ないだけだ。相談料を5000円も払ったのに、おまえは詐欺師じゃないか。そうやって騙しているだけだろう。」
私: 「私のことをどうおっしゃっても構いませんが、出来ないことは出来ないのです。もしそれでも出来ると思うのであれば、前に頼んだ弁護士さんに頼めばいいじゃないですか。それが一番確実だと思いますよ。」
こんな問答を30分も続けることになった。
そもそも、ことの始まりは、品川かどかに住んでいるという某人物の紹介だということで、この男性から相談が来たのだが、不思議なことに私はその某人物を全く知らない。名刺交換をしたことがあれば、必ず記憶に残っているはずなのに、何故そういうところから相談が来るのか少々疑問には思っていた。
そして実際に会ってみれば、どこかの代議士秘書と親友だとか、弁護士をたくさん知っているとか、日本の大手企業の役員を知っているとか、大きな話ばかりする。
私は、この手の話はあまり信用しない。いや、信用しないというより、どうでも良いと思っている。
こんな話で一々惑わされていたのでは真実が見えてこないからだ。こういう大きい話をする人に限って、案外何も無い人だったりすることが多い。
前につくったことがあるという会社も、共同経営していた日本人に乗っ取られたとか、その会社では在留資格を取得することが出来なかったとか、私にしてみれば、「さもありなん」と言いたくなるのだ。要は詰めが甘いのである。
私の信条は、何事も真っ向勝負すること(決して郵政公社の回し者ではありません^^;)。だから、本当に困っている人には、商売抜きで支援することすらある。しかし、こんな滅茶苦茶な話をゴリ押しされたのでは、こちらから断りたくもなる。
今回に限っては、「あんたに頼んだら私の商売どうなるかわからないよ」と最後に捨て台詞を吐いて電話を切ってくれた。
あなたの依頼を受けていたら私の資格がどうなるかわからないよ。
私の本心である。
※見せ金=資本金が不足している人が使う手段で、知り合いや消費者金融など一時的にまとまった額の金を用立ててくれるところから金を借りてきて、銀行などの金融機関に預けて証明書を取ることによって、資本金についての実態を伴なわない会社を作る行為を『見せ金行為』という。商法違反で罰せられる。一部の士業者には、これを堂々とやる者もいる。最もひどいケースでは、その『見せ金』を高利で貸し付けることもあり、そこまでになると、貸金業法違反、出資法違反などになる可能性すらある。
なお、現物出資という方法があるが、それは一定の資格を持った人に、出資額相当の資産価値があることを証明してもらう必要があり、手続としては銀行に現金で出資金を預けるのと同様である。
ちなみに、今回は確認会社を想定していなかったので(確認会社でビザを取るのは事実上不可能)、その話は出ていない。
以前1回相談を受けている案件の続きである。南アジアのとある島国出身の男性からの電話だった。日本で会社を作って経営したいという内容の相談を受けていて、これから実際に手続に入りたいというところに至って、突然、法律上絶対に不可能なことをやろうとゴリ押ししてくる。
こんな感じだった。
男性: 「有限会社の定款に資本金300万円と書いて、それだけで会社を作ることは可能ですか?」
私: 「定款に資本金300万円と書いたら、銀行に300万円を預けて、その証明を取らなくてはいけません。」
男性: 「いや、そんなことは無いはずだ。私は何十年も前に弁護士に頼んで有限会社をつくったことがあるが、そのときは1円も金を預けていない。」
私: 「それはありえないです。もしそれが本当だとしたら、何らかの方法で違法行為をしているとしか考えられません。」
男性: 「なに言ってるんだよ!おまえは若造だから何も知らないんだ!私は、あなたがずっと小さいころから会社を経営していたんだ。そのときに銀行に金なんか預けなかった。それとも弁護士が悪い事したって言うのか!」
私: 「昔のことは存じ上げませんので、その弁護士さんを紹介していただければ、私がそのときの経緯を確認させて頂きます。しかし、現在の法律では、資本金を銀行に預けて証明書を取らなくてはいけないことになっていますので、それ以外の方法は私は存じ上げません。世の中には悪いことをする人がいて、『見せ金』(※)という方法で会社を作る人もいますが、それは違法ですから、私の事務所では受けません。」
男性: 「おまえは頭悪くて何も知らないから出来ないだけだ。相談料を5000円も払ったのに、おまえは詐欺師じゃないか。そうやって騙しているだけだろう。」
私: 「私のことをどうおっしゃっても構いませんが、出来ないことは出来ないのです。もしそれでも出来ると思うのであれば、前に頼んだ弁護士さんに頼めばいいじゃないですか。それが一番確実だと思いますよ。」
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こんな問答を30分も続けることになった。
そもそも、ことの始まりは、品川かどかに住んでいるという某人物の紹介だということで、この男性から相談が来たのだが、不思議なことに私はその某人物を全く知らない。名刺交換をしたことがあれば、必ず記憶に残っているはずなのに、何故そういうところから相談が来るのか少々疑問には思っていた。
そして実際に会ってみれば、どこかの代議士秘書と親友だとか、弁護士をたくさん知っているとか、日本の大手企業の役員を知っているとか、大きな話ばかりする。
私は、この手の話はあまり信用しない。いや、信用しないというより、どうでも良いと思っている。
こんな話で一々惑わされていたのでは真実が見えてこないからだ。こういう大きい話をする人に限って、案外何も無い人だったりすることが多い。
前につくったことがあるという会社も、共同経営していた日本人に乗っ取られたとか、その会社では在留資格を取得することが出来なかったとか、私にしてみれば、「さもありなん」と言いたくなるのだ。要は詰めが甘いのである。
私の信条は、何事も真っ向勝負すること(決して郵政公社の回し者ではありません^^;)。だから、本当に困っている人には、商売抜きで支援することすらある。しかし、こんな滅茶苦茶な話をゴリ押しされたのでは、こちらから断りたくもなる。
今回に限っては、「あんたに頼んだら私の商売どうなるかわからないよ」と最後に捨て台詞を吐いて電話を切ってくれた。
あなたの依頼を受けていたら私の資格がどうなるかわからないよ。
私の本心である。
※見せ金=資本金が不足している人が使う手段で、知り合いや消費者金融など一時的にまとまった額の金を用立ててくれるところから金を借りてきて、銀行などの金融機関に預けて証明書を取ることによって、資本金についての実態を伴なわない会社を作る行為を『見せ金行為』という。商法違反で罰せられる。一部の士業者には、これを堂々とやる者もいる。最もひどいケースでは、その『見せ金』を高利で貸し付けることもあり、そこまでになると、貸金業法違反、出資法違反などになる可能性すらある。
なお、現物出資という方法があるが、それは一定の資格を持った人に、出資額相当の資産価値があることを証明してもらう必要があり、手続としては銀行に現金で出資金を預けるのと同様である。
ちなみに、今回は確認会社を想定していなかったので(確認会社でビザを取るのは事実上不可能)、その話は出ていない。