すずりんの日記

動物好き&読書好き集まれ~!

ちぃの好物

2005年03月17日 | 
以前、はろの好物のことを書きました。
今日はその「好物シリーズ」(そんなの無いって)の第2弾。
ちぃの好物です。

さて、私が住む、北海道の日高地方も、昨日、今日と、しばれもとれてきて、すこ~し春めいてきました

こうなるとちらほら出てくるのが、「虫」。
バッタ、ミミズ、アリ、クモ、カエル、などなど・・・。

そうです。もうお解かりですね?
ちぃは虫が大好きなんです

食べるのはいいんです。
でも、帰ってきて、部屋の電気を点けて、ご飯を食べ、風呂に入り、ぼ~っとテレビを見始めたくらいに、床の隅に、カピカピに乾燥したミミズとかを見つけた日にゃあ、もう、くつろげませんよ!ちぃちゃん!

もう、ねぇ、gooブログエキスポでやってる、擬似殺人より全然怖いよ
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小説「アジア人の怒り」⑮終

2005年03月16日 | 小説「アジア人の怒り」
 もう、目が覚めても、昼か、夜か、わからなくなっていた。というよりは、自分の所が、現実の洞穴なのか、それとも天国なのかが理解できなかった。山に入ってから何日経ったのか。宮本が死んでから何日経ったのか。食料が底をついてからどのくらい経ったのか。そして、・・・ジムが死んでから、どのくらいの時間が経っているのか。
 
 ・・・自殺だった。
 
 彼が死んだのを知った後、私は、火を焚くために、ジムのリュックの中から燃えそうな物を掻き出していた。その中に、ジムが使っていた小さな医学書はあった。挿んであるしおりを見つけて、私は、この中に私がジムから聞き出せなかった全てがあるのだ、と思った。ジムが死んだ今、もう何も、怖いものは無かった。私は、何のためらいも無く、そのページを開いた。
 大きな字で、「ASIATIC CHOLERA(真性コレラ)」と書いてあった。
 そうか、ジム。そうだったのか。あの伴天連は、ただ単に病魔に侵されていただけだったのか。「アジア人の怒り(ASIATIC CHOLER)」と一字違いの「真性コレラ(ASIATIC CHOLERA)」に。だから山を下りなかったのか。これ以上被害者を出さないために。何の鎧も着けていない私たちに感染した、このちっぽけで恐ろしい菌を麓の村に持ち込まないために。・・・ふふっ、ジム、私を褒めてくれよ。最期まで君に従順だった私を。・・・自殺するほど責任を感じていたのなら、私もその時殺してくれればよかったのに。リーダーとして唯一の失敗だったな。ふふふっ。ジム、私も、もう、長くはないんだ。食料は無いし、菌にも侵されているし、その上、肩の傷が化膿してきている。心臓が近いから、すぐにダメになるよ。
 ・・・ふふっ、アジア人の怒り、か。・・・昔の人はうまいことを言ったものだな。・・・なぁ、ジム。・・・ふふっ、ふふふっ、・・・ふふふふっ・・・

 
 ―――これは、警告である。これを読んだ誰かが、必ず山を下りられるとは限らない。だが、これは、間違いなく、・・・警告なのだ。
 私は、いや、ここで死んだ多くの人々は、この中で、この遺書を見つける者のいないことを、切に願っている。

 
 これで、私の務めは終わった。さぁ、眠るとするか。
 
 もう2度と、目覚めはしないだろう。 
 
 おやすみ、ジム。さよなら―――


 
 追伸:その頃、麓の村では、また新しい言い伝えが生まれていた。


(おわり)


・お詫び:文中では、コレラにかかり、体温は上がっていますが、正しくは、体温は下がります。
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眼科に行って

2005年03月15日 | ちょっとしたこと
先日、眼科に行ってきました。
眼科に行って、目の表面に傷がついている、と言われてきた友人が、私と同じで、「コンタクト経験あり、目が乾く」という症状があった、って話を聞いて、ちょっと怖くなって

私は、傷は無かったけど、「完全に、ドライアイですね。」と言われて、目薬を出してもらいました。
目薬って、沁みるほど、効いてる、と思ってたんですが、そうじゃあないんですね。
眼科でもらった目薬は、添加物がほとんど入ってなくて、粘り気がある。で、全然沁みないんです。涙の成分に近いんですって。
今までは、疲れてあくびしたりして涙が出てくると、その涙が沁みて、涙が止まらなくなったり、普通に歩いてるだけで、その外気に触れて涙が出てきたりしてきたんですが、今は快調です。


でも、「近視が強いから、今度、眼底検査を受けたほうが良い」って
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小説「アジア人の怒り」⑭

2005年03月14日 | 小説「アジア人の怒り」
 私たちは火を囲んで、宮本が残してくれた食料をちびちびと口に運んでいた。もう、外は真っ暗になっているだろう。少し前に外で、銃の音がしていた。どうやら村人たちは、今日も山に入ったらしい。どうしてだ。私たちをここから動けなくするためか。もしそうだとしたら何の理由があるんだ。・・・わからない。しかし、もし、10年前も、そしてその前も、人々が“同じ理由で死んだとすれば”、いや、私のように、村人に撃たれた者があったとすれば、「山に入った者たちがどこに行ったかわからない」はずはない。少なくとも、野犬狩りと称して山に入る数人は、知っていたのだ。
 10年前のことだって、「山を下りた者は1人もいない」と言っていたが、原因不明のまま、宮本のように死んでいった者はともかく、生きて山を下りようとする者さえ、下りさせなかったに違いない。何か、―――そう、ここで何かわかったこと―――例えば、“アジア人の怒り”の正体とか―――を、村人に知らせるために山を下りようとした者がいた。しかし、助けに来てくれたと思っていた村人に、逆に、撃たれた。彼は、諦めてここに残り、そして最期に、壁に言葉を書き残した。
 私はジムに、自分が立てた仮説を聞いてもらおうと彼に目をやった。が、彼は既にいびきをかいて寝ていた。意味も無く、痛みにうずく肩に手をやりながら、私は、寂しさとも悲しさともつかない、何か、冷めた感情に浸っていた。友人を1人失ってしまったというよりは、私とジムと、次はどちらが先に逝ってしまうだろうという不安と、遅かれ早かれ、2人とも死んでしまうんだという悟りのようなものが、目の前を覆っていた。その冷めた感情を、アジア人の怒りが不安に駆り立てようとしていた。同じ死を目前にして、ジムがこんなふうに眠れるのは、きっと、その、私を眠らせようとしない正体不明の不安の種をも、彼が見切っているからだろう。彼はたぶん知っているのだ。何かを、知っているのだ。しかし、私は、彼からそれを聞き出そうとはしなかった。それを聞いて、今さら何になるというのだ。それほど私は、死を身近に感じていた。生への希望を考えれば考えるほど、私はその不安に近づいて行った。まるで宮本が、自らを狂気へと導いて行ったように。
 それにしても、ジムがあんなにも責任を感じているとは思わなかった。ジムは、1万分の1もの確率にかけて、私に山を下りるように言った。・・・それとも、私が山を下りないと言うことを知っていて、私を道連れにしたのか。そうも思ったが、なぜか私は、ジムが私を道連れに選んでくれたことを嬉しく感じていた。不思議なこともあるものだ。生前、私を慕ってくれていた宮本の死には涙1つこぼすこともできず、逆に、あんなに反発していたジムに親しみを感じるなんて。死という非常な状態を前にすると、人間はここまで変わるものなのだろうか。それとも、こういう時に現れる姿が、死に還っていく直前の、本当の姿なのだろうか。
 私が今恐れているのは、自分が死ぬということではなく、もしかしたら、ジムが先に死んで、自分が1人ぼっちになってしまうということかもしれない。私はそんなことを思い巡らしながら、いつしか眠りに就いていた。

(つづく)
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小説「アジア人の怒り」⑬

2005年03月13日 | 小説「アジア人の怒り」
 私は何もできずに、ただ、彼の体に涙声で叫び続けているジムを見つめていた。2人共、いや、宮本本人さえ予期していた当然の出来事だった。しかし、それがあまりにも早く、あまりにも突然に起きたことに対するショックが、私たちを動揺させていた。・・・どうして、こんなことに。そんな言葉が無意識のうちに口をついて出ていた。しかし、その言葉は、自分にも非はあったと認めた私の前言を全面的に否定し、あまりにも露骨に、ジムに対して責任を転嫁していた。
 ジムは、それを敏感に感じ取り、睨むように私を見た。頬を濡らしている涙も拭かずに、まるで何か意を決しているかのように黙っていた。私は、それに気づかない振りをして宮本を見ていた。しばらくしてジムは、ゆっくりと視線を落とし、埋めてやろう、と、ぼそっと言った。私は同意の返事を返す代わりに、立ち上がって宮本の足元に移動した。私たちは、あの“墓地”へ宮本を運び、そこに11人目の墓を立てた。ジムは、宮本のリュックから医療品と食料を出した後で、リュックをその杭に掛けて、5秒ほど手を合わせていた。私もジムに続いて、杭の正面に立って手を合わせた。私は正面の杭を見つめたまま、ジムに体調を尋ねた。ジムは、症状は良くならないが宮本みたいに急激に悪化することは無いだろう、と言った。ジムは、一息ついて、また話し出した。
 自分は責任を感じている。宮本がこんなふうになったのも自分が悪いんだ。しかし、自分が山を下りずにここに残ることにしたのは間違っているとは思わない。あの狂気の村人たちに撃ち殺されるくらいなら、ここに居た方が、同じ死ぬにしてもまだ長く生きられる、そう思ったからだ。自分の考えは間違ってはいない。そう思ってはいるが、・・・おまえが反対するなら、自分は、ここに引き止めはしない。山を下りるなら1人で下りろ。
 ―――“撃ち殺される”?ジムは、知っていたのか?“同じ死ぬにしても”?どういう意味だ?ジムは、薬で治らないことを知っていたのか?―――自分も同意見だ。従って、山を下りる気は無い。・・・私ははっきりと答えた。ジムは、うつむいた顔を上げて、火を焚こう、いつまでもここに居たら肩の傷に応えるぞ、と言って、私の右肩をポンと叩いた。

(つづく)
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小説「アジア人の怒り」⑫

2005年03月12日 | 小説「アジア人の怒り」
 それからどの位の時間、考え事をしていただろうか。ジムに声をかけられて、私は我に返った。具合はどうだ、と聞くと、症状が宮本と同じだ、と言った。私とジムは、同時に宮本の方を見た。そして、自分もいずれこうなってしまうのか、と思った。たぶんジムも、同じことを考えていただろう。私はジムに、10年前に死んでいった人もこんなふうに苦しんでいったのかなぁ、と言った。ジムは、たぶんな、と短く答えた。宮本がこうなった原因は何だ、と聞くと、ジムは、外因が重なったのもあるが、根本的なものはたぶん10年前と変わっていないと思う、と簡単に説明してくれた。そうすると10年前に死んだ人たちはどうして死んだんだ、と聞くと、わからない、たぶんそれ以前にここで死んでいった外人たちと同じことで死んだんだろう、とジムは言った。・・・アジア人の怒りか、と私はつぶやくように聞いた。ジムは、何も言わなかった。ただじっと、宮本を見つめていた。
 私は、ジムの肩越しに、まるで静物画でも鑑賞するように宮本の顔を覗き込んだ。・・・“静物画のように”?なぜ私はそんなふうに感じたのだろう。・・・あぁ、そうだ。口から漏れる空気がひゅうひゅうと音を立てていないからだ。歯だってガタガタさせてないし。・・・・・・!まさか!!
宮本!と叫んだのはジムだった。私は、息が詰まって声にならなかった。ジムは、宮本の肩をつかんで何度も何度も揺すったが、もう2度と、彼の見開いた目が気味悪くぎょろぎょろと動くことはなかった。ただ、首の動きに合わせて、噛み合うことの無い両顎が、かくっかくっと力無く音を立てるだけだった。彼の名を強い口調で叫んでいたジムは、やがて諦めたように、宮本の肩から手を離した。

(つづく)
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小説「アジア人の怒り」⑪

2005年03月11日 | 小説「アジア人の怒り」
 私たち3人は、洞穴の中で、2度目の朝を迎えた。しかし、いつまで経っても、1人も起き上がろうとはしなかった。いや、できなかったのだ。私はまだ肩が重くて寝返りをうつこともできなかった。宮本は、まだ熱が下がらず、下痢も止まらない。食事も、山に入る前に村の人にごちそうしてもらった後、一度しか取っていなかった。痩せこけて死人のようにも見えたが、恐怖に大きく見開いた目と、殺される殺されると、ほとんど動かない口から発せられる言葉だけが、かすかに彼を生き長らえさせていた。体を包み込む寒さや、外から入り込む湿気までもが、下痢や発熱と一緒になって、宮本の体の隅々にまで悪影響を与えていた。それは、宮本の呼吸を時々困難にさせるまでになっていた。
 私は、傷を受けていない右の腕に全神経を集中させて、なるべく傷を受けた筋肉に力が入らないようにしながら、ようやく起き上がった。私は、死神を見るように、頭のてっぺんから足の先までゆっくりと宮本を凝視したが、宮本の瞳孔は、私を映していないようだった。ジムは、・・・ジムはまだ眠っていた。ジムが昨夜寝付いたのは、夜中を過ぎてからだった。私が肩の痛さで寝付けずにいると、ジムは何度も苦しそうに寝返りをうっていて、そのうち、むっくりと起き出して立ち上がった。どこに行くのか聞くと、用を足しに行くと言った。どうも熱があるらしい、とも言った。私はジムが戻って来ないうちに眠ってしまったが、ジムはその後もしばらく眠れなかったようだ。私は、ジムの腕に触ってみた。熱い。やっぱり、熱っぽいようだ。私は、ジムにやったのと全く違う気持ちで、・・・そう、まるで死人にでも触るように、恐る恐る宮本の体に手を伸ばした。宮本の体に手が触れて、一瞬、血の気が引いた。・・・本当に、死んでいるのかと思った。口元が、かすかに呼吸に震えているのを見て、私はほっとして、長いため息をついた。

(つづく)
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たまには職場でこんな話

2005年03月10日 | ちょっとしたこと
昨日、仕事の後、ある同僚と少し話をした。

「最近、勝鞍、無いっすよねぇ」
という、同僚の一言をきっかけに、牧場のこと、仕事のこと、業界のことを話した。
彼は、乗り役なのだが、うちの牧場で毎日何頭かの調教をしてても、自分がどれだけの技術を持っているのか、はたして、今後、他の牧場に行ったりしたときに、自分がどこまで通用するかわからないし、不安だ、と言った。
これだけあちこちで競馬場廃止が言われてもいるし、うちの牧場にただ考えなしに居たって、居る人間みんなが役をもらって高給取りになれるかもわからない。だから辞めろ、っていう訳じゃないけど、
「自分は今後どうしていきたいのか、考えてる?」
って聞いたら、
「そんなこと、考えたこと無いっす。」

年齢的には、私のほうが、「今後のこと、考えてるの?」って突っ込まれてもおかしくないんだろうけど。
やるならやるで、牧場がどうなろうが、自分だけはどんなに苦しくてもこの業界で生き延びてやる!っていうくらいのギラギラしたとこって、若い人には無いよなぁ。
そこまでの覚悟が無いなら無いで、他の仕事で生きる道も考えてたほうがいいと思う。

以前、仕事絡みで、新潟の調教師さんと連絡を取り合うことがあって、その調教師さんの娘さんから手紙をいただいたことを、ふっと思い出した。
ちょうど、新潟競馬場の廃止が決まって、関係者のみなさんが、今後の行き先とかの話し合いを、自治体と行なってたときだ。
ご本人の承諾は無いですが、ちょっと紹介させていただきます。

「自分の気持ちの中では、競馬が在って当たり前、馬がいることも当たり前と、まるで空気のように、いつも在るもの、と考えていたのだと思います。
しかし、突然の県競馬廃止で、今まで自分のまわりに当たり前のように存在していたものの大切さ、それを守って行くということの難しさ、それが簡単に消えて無くなってしまうものだということを目の当たりに体験致しました。とても悲しく、悔しいことです。(中略)これから廃止路線をたどろうとしている全国の地方競馬場のことや、競馬廃止により多大な影響をうける馬産地のことを、1人でも多くの方々に知ってもらい、今一度、考え直すための良いきっかけになってもらえれば、と願っております。」

この手紙をいただいたときには、数年後、こんなに地方競馬廃止が進むとは、まだまだ思っていなかったなぁ、としみじみ思うだけでなく、いろいろ考える今日この頃です・・・
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アガサ・クリスチィ「アクロイド殺人事件」

2005年03月09日 | 本・映画など
私はけっこう本を読むのが好きです。
その上、好きになった本は捨てられず、増えていく一方です。
その、ほんの一部を、紹介していきます。

私が好きな作家の1人が、アガサ・クリスチィで、小学校中学年か、高学年の頃に、「開いたトランプ」という本を読んだことを覚えています。が、「読んだ」ということをかすかに覚えているだけで、なぜその本を読むことになったのか、全然覚えていません。内容も、トランプゲームをしている中で人が殺され、登場人物の、細かいアリバイが明らかにされるのですが、あまりにその当時の私には難しく、登場人物も、みんな外人で(当然)、誰が誰やら、名前が全然覚えられなくて、なんの感慨もありませんでした。

その後、高校生になって、バイト先の近くに古本屋さんがあり、そこで、クリスチィの文庫本を2冊買いました。その1冊が、この「アクロイド殺人事件」でした(もう1冊は覚えてない)。
あのねぇ、これはわかりやすかった。で、その上、大どんでん返しにビックリしました。こういうとこで、内容をどこまで言っていいかわかりませんが、いわゆるポアロ物で、確か、その街の有力者が殺されて、その人の友人のお医者さんの語りで話が進んでいくんですが、えぇ?あの人が真犯人?んなアホな!ってつっこみたくなります。
たぶんクリスチィの代表作じゃあないでしょうか。今でも、この小説を元にした推理小説ありますもんね。

私にとっても、この本が、原点であり、本好きになるきっかけです。
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小説「アジア人の怒り」⑩

2005年03月08日 | 小説「アジア人の怒り」
 私が意識を取り戻した時、目の前にあったものは、あのまぶしい緑ではなく、冷たい石の天井だった。村人たちの姿が消えた代わりに、失望が私の目を覆った。ジムが横で、宮本を寝かしつけていた。私は、肩の傷の熱さと包帯のせいで起き上がることができないので、目を天井に向けたまま、ジムに声をかけた。
 ジムの話によると、私が気を失った後、村の人たちはすぐに帰ってしまったそうだ。ジムは宮本をちらっと見て、こいつはこいつで、死にたくないって叫びながら中に狂ったように走って行くし、大変だったんだ、と行っていた。ジムは、・・・気づいていない。あの銃口が、私を狙っていたということを。まるで、私たちを、山から出られないようにするかのように。まるで、はるか昔にかけられた“呪い”に生け贄を捧げるかのように。宮本は何と言っていたか、ジムに聞くと、彼は、自分たちはアジア人の怒りに触れてしまったんだ、おまえが撃たれたのは野犬狩りの流れ弾なんかじゃなくて、村人がおまえや自分たちに狙いをつけていたからだ、と言っていた、と言った。やっぱりそうだ。宮本は、気がついている。ジムは、宮本がノイローゼになっていると思い込んでいるのだ。
・・・もう、山を下りられない。下りたら殺される。私は、宮本の衰弱と自分の肩の怪我を理由に、山を下りるのを拒否した。ジムは、こいつまで気が狂ったかとでも言うように、まぁ落ち着け、わかったよ、と軽く生返事をしたきりだった。


(つづく)
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ベルモントソニック

2005年03月08日 | 
今日のベルモントソニック強かったなぁ。
最近、勝鞍自体も少ないんですが、今日みたいな、人気に応えての1勝はほんとに久しぶりで、私個人的には、なんだか涙がちょちょ切れるくらいうれしいです。
明日は、東京シティ盃(G3)、ベルモントソレイユ。
「黄色」「7番」「1番人気(今のところ)」つながりで、絶対勝ってほしいです。
写真は、去年のテレビ埼玉杯の時のソレイユです。古くてすいません。
ところで、レースによって、「盃」「杯」って漢字が違うけどどういう意味があるんでしょうか?
牧場生活長いのに、こんな競馬初心者の私に、誰か教えて
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小説「アジア人の怒り」⑨

2005年03月07日 | 小説「アジア人の怒り」
 外の景色が近づくにつれて、何か騒がしい物音が聞こえてきた。何だ?人の話し声が聞こえる。5、6人はいるらしい。きっと村の人が・・・。きっとそうだ。村の人が心配して来てくれているんだ!
 私は洞穴の中を走って、―――全速力で走っていた。ジムは相変わらず、分厚い本のページを忙しそうにめくっていた。宮本は、落ち着いたらしく、ぐっすり眠っていた。私は、ページをめくるジムの指を遮るようにいきなりジムに顔を近づけた。ジムの怪訝そうな顔をよそに、私は、一気に、外で見聞きしてきたことを話した。ジムは見る見るうちに表情を変えていった。
 外に走り出そうとしているジムを必死で止めながら、私は宮本を揺すり起こし、さっきと同じことをしゃべり出した。宮本は興奮して目を見開き、ふらふらと立ち上がった。私は宮本に肩を貸しながら外に向かった。ジムは、私たちを心配そうに振り返りながら、一足先に走って行った。
 しばらくして、おーい!と叫ぶジムの声が聞こえてきた。私たちも、後から追い着き、一緒に、おーい!!と叫んだ。何度も何度も叫んだ。手も振った。帽子も振った。ぴょんぴょんと飛び跳ねてもみた。しかし誰も気がつかない。ジムと宮本は、疲れ果てて諦めようとしたが、私はそれでも叫び続けた。村の人たちの姿が、小さく、木々の中を見え隠れしてきたので、雨で足場がかなりぬかるんでいたのもそっちのけで、私は走り出した。その時だ。後ろで、気がついたみたいだぞ!と叫ぶジムの声を聞いたのは。
 ――― 一瞬の出来事だった。その声を聞いて立ち止まった時、私は、村人の1人が銃を所持しているのを見つけた。私の足はすくみ、目は銃に釘付けになった。野犬狩りに銃はつき物だが、私は、またもやあの不安を感じたのだ。ゆっくりゆっくり、ゆっくりゆっくり、ゆっくりゆっくり、銃口が、・・・野犬の影に、ではなく、私の方向に向いた。まさか、・・・まさか私たちを、・・・いや、私だ!その時、激しい爆発音と衝撃が私を襲った。倒れたまま私は、ぬかるみの中で、ジムと宮本が必死で私に声をかけるのを聞いた。肩の辺りの燃えるような熱さと、目の前のまぶしいほどの木々の緑に目が回り、私は意識を無くしてしまった。


(つづく)
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小説「アジア人の怒り」⑧

2005年03月06日 | 小説「アジア人の怒り」
 ジムは、小型の医学書をリュックから取り出し、必死で治療法を探していた。私は、それを冷たく見つめていた。そして、熱でのぼせ上がっている宮本に水を飲ませた。宮本は、私の腕をつかみ、村の人はまだ来ないのですか、と聞いた。私が、彼に手を離させて、そんなに心配しなくても来たらちゃんと教えるよ、と言うと、宮本は、僕も怒りに触れてしまったんでしょうか、とすがるように聞いた。私はその時、例え嘘でも、そんなことはあるはずは無い、と彼に言うことはできなかった。宮本の目は真剣というよりも、それを通り越して、まさしく今これから死に直面しようとしている目だった。彼は瞬きもせずに、死にたくない、絶対に山を下りるぞ、と震える声でつぶやいた。しかし宮本は、そう自分に言い聞かせれば言い聞かせるほど、ゆっくりと、そして確実に、“呪い”という名の暗示に掛けられていった。
 ジムは、そんな私たちのやり取りには一切耳を貸さずに黙々と医学的な治療法を探していた。いや、探していたというよりは、その治療法の中から自分たちにもできるものを選び出し、それを順序立てていたという方が適切かもしれない。ジムは、ノイローゼ気味になっている宮本を見ても、その、彼が恐れている妄想に対しては何の関心も見せなかった。そのジムの態度は、私たちには、頼りがいのある、いかにもリーダーらしいものではあったが、ある意味では、“呪い”などという非常識なものやそれを信じる者をばかにするような冷たいものでもあった。私はジムを信頼してはいたが、それは友情というよりも、むしろ、服従心に近いものであった。私はこの対照的な2人の真ん中に立たされてしまっている。私個人としては、超自然的な力を信じられるだけの柔軟な心を持ち合わせているつもりだし、他の諸の意味でも宮本の方に対して強く同情していたが、リーダーと共に責任を任されている立場上、ジム1人を孤立させる訳にはいかなかった。私は、自分の気持ちが動揺しているのを2人に悟られないように、外の様子を見てくる、と言い捨ててその場を去った。
 私は、ただただ、早く山を下りたいと思った。このまま3人で行動するのは、体力的にだけでなく、精神的にも無理だろう。あぁ、早く帰りたい。帰ったら、ぐっすり眠って、疲れを取って、・・・そして、しばらく、登山は止めよう。しばらく、あの2人と顔を会わせずにいよう。そうすれば、2人の登山仲間を失わずに済む。このまま、嫌な思いを抱いたままお互いに会ったりしたら、いつかきっと、相手を嫌いになることだけに時間を費やすことになるだろうから・・・。友人を、一時の感情で失ってしまうなんてバカなことはしたくはない。・・・そう、そうならないためにも、早く、山を下りよう。アジア人の怒りが、私たちをここに閉じ込めてしまわないうちに―――。


(つづく)
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くろちゃんもそろそろ

2005年03月06日 | 
いつもご飯をくれる人が休んでて、代わりにご飯をあげているおかげで、すっかり懐いてくれたくろちゃん。
全く触らせないのが、ご飯を食べてる間は背中を触らせてくれるようになりました。
これだと、また妊娠しないうちに、病院に連れて行って、避妊手術できるかな
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アジュディケーティング

2005年03月05日 | 
うちの牧場の所有種牡馬、アジュディケーティングの現役時代の写真です。
ちょっとテカっちゃって見づらいけど、なかなかかっこいいでしょ?
もう、種牡馬としてはベテランだけど、まだまだがんばってますよ
馬主さん、牧場関係のみなさん、よろしくお願いします
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