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応用コーナリング:スローイン・ファーストアウト

2006年10月19日 | 上級テクニック
 今までにオフセットパイロン・コーナリングのパターンとしてラインA:ファーストイン・スローアウト、ラインB:ファーストイン・ファーストアウト(寝かせて曲がる)、ラインC:スローイン・スローアウト(ハンドルを切って曲がる)、ラインD:ハイスピード・ファーストイン・スローアウトの四つのタイプがあることを説明しました。
 上のタイプの表現を見ると、Dを除いて、「ファースト」と「スロー」の三つの組合せが示されています。「ファースト」と「スロー」の組合せは全部で四つありますが、残された「スローイン」「ファーストアウト」というパターンは無いのか?と感じられた方もあったのではないでしょうか。

 それが上図の黒実線のラインです。対比させているオレンジ破線のラインは基本のコーナリングであるラインA:ファーストイン・スローアウトです。
 考え方はラインD:ハイスピード・ファーストイン・スローアウトの延長線上にありますが、コーナリングの前半でバイクの向きを変えてしまい、後半で、もっと早いタイミングからアクセルを開け始めるというものです。アクセルを開け始めるので後半で旋回半径が膨らんで行きます。結果として前半の円弧が小さく、後半の円弧が大きなラインになります。
 図は象徴的でラインAの卵型の旋回円がちょうどパイロンを挟んで対称的な位置に来ることになります。


 このラインは、あこがれのN口イントラの走行ラインです。彼が言う「一気に倒して素早くハンドルを切りましょう」「脱出でもっと早く開けましょう」を突き詰めていくとこういうことになります。上級で走っている人の中にもこれに近いラインで走っている人がいて、私の知るところでは尊敬する先輩Gさんもパイロンに近いところに向かい、脱出でバイクが寝ているうちに、極めて早いタイミングで開け始めています。ただGさんは小排気量車に乗っているため前半のスピードロスを嫌ってアプローチで「倒して曲がる」傾向があり、いつもN口さんに「Gさん、もっとハンドルを切ろうよ」と言われています。でもGさんは、自分のスタイルを決して変えようとしないので、そこのところも私としては尊敬しています。
 このラインは、正直言って、極めてリスクが高い方法なので、今まで引き出しにしまっていました。バイクがコーナーの出口の手前でまだ寝ているところから開けていくわけですから、スロットルコントロールが相当しっかりとできないと、簡単にスリップアウトしてしまいます。上級で走って、前回述べたパーシャル旋回と減速旋回のギャップがなくなるようになってから挑戦するのが無難かと思います。



 後半で膨らむとラインが苦しくなるのではないかと思われるかもしれませんが、少なくともオフセットパイロンの走行で言うと、1本目の出口で膨らんでも、2本目のパイロンの狙いどころがラインAよりもパイロンに近いところになるために、ラインとパイロンの位置関係がずれるだけなので、全体としては関係ないのです。


 このラインの走り方は以下の要領になります。

①基本のコーナリングであればここらでブレーキを開始するのですが、ブレーキは我慢します。(パイロンの間隔が非常に離れていればその限りにあらず)
②この辺から強いブレーキをかけます。
③④で倒し込み、さらにセルフステアを待たず、ライダーの意思でハンドルを切ります。倒し込んだバンク角に見合った分の切れ角を先行して作ってしまうわけです。
⑤でバイクの向きが変わり、⑤から⑥にかけてアクセルを開け始めます。
⑦では全開になります。


‥‥‥‥‥‥‥‥
という風に書きましたが、私自身は、文字通り現在挑戦中というべき技術であって、そんな要領では走ることは未だできません。ただ、これをやってみたくて、CB1300を封印し、ここ3ヶ月位はCB900で練習しています。CB1300だと、⑤⑥で開けにいくときのアクセルコントロールがシビアでバリアが高いのです。

 このラインNは、目次の中で予告してあったのですが、ようやく記事にすることができました。そして本日、モニタースクールに参加して、そのことの意味するところをデータとして目の当たりにすることができたのです。この話は、次の記事に続きます(多分)。


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2 コメント

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Unknown (かんじ)
2006-10-20 14:35:16
@sushiさんに質問です。それではホーネット250のような小排気量車では、舵角重視よりもバンク角重視で走った方が有利なんでしょうか?前にSRTT茂木に参加したとき、タカハラさんと私はホーネット250でした。タカハラさんは後ろから見ていて、基本のAのラインで、きれいなフォームで走られてました。タカハラさんに聞いたら、スピードが落ちると立ち上がれないし、ホーネット250で上級を走るGさんはすごいとおっしゃってましたが‥
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小排気量車 (@sushi)
2006-10-20 21:48:38
かんじさん、こんにちは。

以下、私の推測で、本当のところはわかりませんが‥‥‥‥。



Gさんのラインは、レベルが高いですからコーナリングの前半は普通の人の基本のAのラインと同じくらいはハンドルは切れているはずです。しかし基本のAのラインだとコーナリングの後半でアクセル全閉+後ブレーキでスピードが落ちて、それにつれて切れ角が増していくのですが、それを嫌ってスピードが落ちる前にアクセルを開け始めるということです。その結果として逆に後半のラインが膨らんで行きます。

膨れていくときには切れ角を増すことはできませんが、バンク角を強め気味に押さえ込んでいくことはできますので、後半も寝かせた態勢が続くのではないかと思います。Gさんくらいのレベルになると、普通の意味ではバイクも寝てるしハンドルも切れているのですが、その中でも微妙に旋回速度重視の方に振っているというイメージになると思います。また細かいUターンの連続になるとGさんもバイクを立て気味にしてハンドルをフルロックからフルロックへ切り返すという走り方になっていると思います。



N口さんのラインは、④の手前で瞬時に倒し込みとハンドルを切ることを一気にやってしまい、④ではもうバイクの向きが変わっています。「エンジンの回転が落ちる前に曲がってしまえばよいのだよぉー」とN口さんは語っています。やはり普通の人にとっては「夢のライン」であって、どういうところまでそのイメージに近づけるか?という世界ですね。N口さんのそのコーナリングについては、CB400やCB750、CB1300に乗っているところしか見たことがないので、250をどう乗るかは想像がつきません。しかし一度、CR100に乗って上級がバリアブルを走っているところに乱入し、Gさんを追いかけたのですが、「ついてこね~!」と叫びながらS字の辺りで撤退したのを目撃したことがあります(笑)





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