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パイロンが6本の変型八の字スラローム

2010年09月13日 | 上級テクニック
「3本のパイロンが並ぶ直線スラローム」でいただいた質問です。

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8の字との組み合せ (はにまる)
2010-09-10 15:13:03
@sushiさん、こんにちは。

いつもお世話になります。
先日、8の字SPというクラスに参加した際に、どうしても走り辛いセクションがありましたので、質問をさせて下さい。
まず上記の図を参考に使わせてもらいます。
A・Bのパイロン6本をそのまま置いた状態で、横に並んだ3本はストパイ、そして左上と右下、右上と左下のパイロンをXに結んで走行するというものです。
この場合における、進入と出口のライン取り、その間のストパイ区間のライン取りが、どうもしっくりきませんでした。
前後にはあまり膨らみたくないので、図Aのライン取りになるような気がするのですが、そうするとストパイが結構きつく感じましたが、そこを頑張っていくべきなのでしょうか。
また、ストパイ区間でのスロットルワークも、自分が「ブォッ、ブォッ」に対し、イントラさんは「ブォッゥゥオ」という感じでした。
「加速しながら」と「リアブレーキを併用」ということまではアドバイスで分かったのですが、それ以上は時間切れで終わってしまいました。
前回の@sushiさんのアドバイスで「定速」は理解できたのですが、「加速」となるとまるでピンと来ないのです。
一度目の加速の後、スロットルを戻さずに(もしくは遊びを残す程度に戻して)リアブレーキでバンクのきっかけを作って切り返す、というイメージなんでしょうか。
つたない文章で理解し難いかもしれませんが、ライン・加速の2点に関して助言を頂ければ幸いです。
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さて、お題は、3本の直パイを並行に置いた変型8の字スラロームです。
はにまるさんのように素直に直パイを走ると、下図のようになります。



直パイでの切り返しは、例えば4.5m間隔のパイロン設定でも、案外旋回半径は大きくなります。ですからA列①、②、③と進むと、③の旋回が大回りになります。
前の話題が「定速の直パイ」ですから、そういうイメージで走ろうとすると、余計に③、④は大回りになります。(「定速の直パイ」ですが、言葉通りに一定速度を何が何でも維持するとは考えないでください。加減速のメリハリをなるべく抑えて最低速度を高めるような直線パイロンスラロームだと理解してください。)

すぐに改善すべきは、③から④に向かう直線の利用です。ここで④に向かってしっかり加減速を行うと、④の旋回を小さくすることができます。そうすると、こういうラインになります。



④の旋回を小さくするためには、アプローチの減速を強めに行って、フロントフォークを沈めてハンドルの切れ角を作る事です。そしてリアブレーキをしっかり使ってフロントタイヤを回し込み、小さな旋回を行います。ラインCのコーナリングを参考にしてください。
この結果、④および①のラインは下図のようになります。



こうなると、明らかに気分が悪いのは、③と⑥の旋回です。ここを小さく回ろうとすると、そこへのアプローチでフロントフォークを沈めて、さっきと同様にリアブレーキを効かせて前輪を回し込むということです。その前提として、①②③を左右に振るようなラインでなく、なるべく直線に近い方法で走るようにします。また、④を回る旋回が270度になり、大変に深く難しい旋回になっているので、その観点からも、④に対しては奥に突っ込んで回る必要があります。そこで回り終わって④のウラにつけるようにします。④のキワにつけることで、車体を立てて、⑤に近いところを通って⑥にアプローチすることができます。
これはこのエントリーの最初の図のBのラインに相当します。これによって、直パイの左右に振るラインではなく、もっとパイロンに近い場所をバイクを寝かさずに通ることができるのです。
そうすると④⑤⑥を加速しながら切り返す走り方になります。



「加速しながら」といってもパーシャルな加速です。しかし⑥に向けて加速することで⑥でブレーキをかけてフロントを沈めることができます。そして、リアブレーキをしっかり引き摺ることで、小さく回ることにつなげます。
①③④⑥は、少し左右に振り出した形で回り、③④、⑥①の直線を長めにとります。そうして見ると、少し変形したトライカーナ(図の①③④⑥を回るコース)と考えることもできるのです。

このようにして、「リアブレーキを使い」「加速しながら」走るラインが形成されます。ただし、前提として、リアを引き摺りながら、小さく回るターンと、パーシャルに加速しながら車体を振って向きを変える技術が必要になります。かなり上級なテクニックです。



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2 コメント

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ありがとうございます (はにまる)
2010-09-14 10:28:56
@sushiさん、こんにちは。

こんなに早く記事を起こして頂き、本当に感謝します。
図解入りで、しかも段階的に説明されているので、非常に分かりやすかったです。
@sushiさんの仰られる通り、自分の考えているラインでは、③④、⑥①間の直線が長く取れずに苦戦していました。
今回、その直線を長く取れない複数の原因が分かったような気がします。
そして、①③(④⑥)の際を通ることにより、②(⑤)をバイクを立てて切り返すことが出来る、という部分は目から鱗でした。
特に③や⑥の部分では、どうしても出口で際に付けなければいけない!という意識が働いてしまっていたので、全体としてのラインを考える必要性を痛感しました。
然しながら、この課題はかなり上級なテクニックを要するとの事ですので、時間をかけてじっくりと向き合っていく事になりそうです。

いつも的確な助言を下さり、ありがとうございます。
おかげ様で、また練習の楽しみが1つ増えました!
>はにまるさん、 (@sushi)
2010-09-15 01:15:25
さっそく見ていただき、ありがとうございます。念のため、追記しますが、上記は、直パイの間隔が4.5mないし5mと仮定して、「加速」と「リアブレーキ」というキーワードを援用した推理ということができます。
正直、4.5mで、上に書いたようなバイクを立てて加速するラインが実際に取れるかどうかは、試してみないとわかりません。ただ、5m以上離れていて、パイロン3本ならば、私なら車体を立てて際を通ると思います。
逆に4m間隔であれば、そういう走り方はちょっと難しいかなと。。。
その場合は②⑤でスピードを落とさないことが一番の課題になるので、それ以外のコーナーは大きめに回るという結果になると思います。

また、イントラさんによっては、図(3)の③と⑥も小さく回ってしまうテクニックを持っているので、そういうデモをされる方がいると思います。ただし、その場合は③と⑥は、バンクさせることが難しくなるので、車体を立ててハンドルを目一杯切るような走り方になると思います。

こんなことを書いていると、私も浜名湖に行きたくなります 

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