意外にも朝方の気温が上がり、何だか快適な気候になりそうだと思って始まったHMSでしたが、午前11時頃に天気が急変し、極寒の北風が吹き出したと思ったら、アラレ混じりの土砂降りになるという大変な日でした。午後は寒いなりにドライにもどって快適だったのですが、この日の上級のテーマはなんといっても市街地コースに設けられた最小旋回半径のUターンでした。
この日は2012年導入の新車解禁日だったので、皆喜んで、cb1300、NC700、vtr250などの車両を引っ張り出したのですが、担当したスーパーイントラN口さんは情け容赦ない超制約されたUターンセクションで迎え撃ったのでした。
図は午前中のコースの一部を示しています。スタートは図の右側からで右折してスタートです。で、市街地を回った後、再び図の右側に戻って4m間隔の直パイを通過して3番のセクションでコテコテと回って帰ってくるコースでした。で、ハイライトは(7)のコーナーです。図の(7)の左手の部分は中級さんがコースを使っていたので、7.6m幅2車線の半分を使ってUターンしています。
Uターンする水平方向の道幅は1車線で3.3メートルでした。縁石が10cmありますので、縁石までキチンと使えば3.5mということになります。
ですから有り体に言って、この道幅でのUターンは、自転車でもない限り無理です!
私自身の経験で言うと、私がcb1300で定常円旋回をするときの最小回転半径は2.4mです。これは先般、浜名湖の貸切でスペースを貸してもらって確認した実測値です。白バイの足をつくような小道路旋回とは違って、クラッチを使わない速度でフルロックで回っての前輪の旋回半径です。カタログ上の最小回転半径は2.7mですから、そんなに不自然な数字ではないでしょう。同時にフルロックでの内輪差を測ったら50cmでした。これはバイクを傾けていない状態での測定ですから、バイクを傾ければもっと大きくなるかもしれませんが、そんなに違わないだろうと思います。
で、これらの数字を基準にすると、置かれたパイロンを中心にして旋回しようとすると、しっかりはみ出してしまうことがわかります。実線の青い線がパイロンを中心にした半径2.4mの円、赤い実線が半径1.9mの後輪が描く円となります。
したがって、私がこのUターンをクリアするためには、図の青の破線で描かれた前輪の軌道および赤の破線で描かれた後輪の軌道を描く必要があるわけです。
これには相当、悩まされまして、当然最初のコース案内では(8)の部分で、もうどうしようもないという感じではみ出してしまいました。まあ、想像を超えていましたね(笑)
で、その後、走り始めて、3回に1回とか4回に1回は回り切れないという状況でした。
アラレが降り始めたので様子見で休憩に入り、そこでそのセクションをじっくりと観察した結果、アプローチラインを発見したのです。
それはこの図の赤い実線のラインです。つまり、パイロンの奥に旋回の中心を持っていく必要があるのですから、奥に広いスペースを作るために深いアングル(つまり画面で右下から左上に向かう角度)を作って進入するというものです。
しかし、そう心に決めた後、雨があがって再開した時にN口さんがデモしたのはまったく逆でした(泣)。
N口さんは、図のオレンジの二重線のラインを示し、縁石に寄せて直進し、抜けたらフロントを右に振ってそこからUターンするという指導でした。赤のラインのように図の上方向(進行方向右)にラインを振るとUターンする後輪の旋回角度(ラジアン)が大きくなるからやめておけということです。これはイメージとしては白バイの小道路旋回と近いもので、右に前輪を振ってそれを逆ハンドル的に利用しながら左に一気にフルロックに持っていくということなのだと思います。
これは説明するのに難しいのですが、達人(と書いてけだものとも読む)のスーパーイントラさんにとってはそういうことになるのですが、旋回半径2.4mの普通の人にとっては成り立たないということなのです。
N口さんが言うように縁石と平行にして抜けたところでフロントを右に振ってそこから車体を左に倒すというやり方だと、後輪の旋回角度は変わらないのですが、フロントの旋回角度(ラジアン)は大きくなります。これに対して赤実線のように深いアングルで入って逆ハンドルを切らないでドンと旋回すると後輪の旋回角度は深く(多分220度位)なりますが、奥で回るので前輪をうまく縁石から躱すことができるのです。
事実、再開後のセッションでは、私は赤いラインでアプローチして、回り切ることができてN口さんから「抑えて!(フルロックのハンドルを切り戻さないで回りきれ!という意)」2回頂いたあと、「いいね!」と「イェイ!!」を獲得することができたのでした(笑)
まあ、その声は別にして、休憩後のセッションでは、一度も失敗することなく回りきれたので、私自身のライン構成としては成功したと思っています。最後の周回では、縁石から20cm~30cm位の余裕を作ることができたので、もしかしたら、私の旋回半径も2.3m位まで詰めることができたかもしれません。
それにしても、このセクションの評価はまったく違った二つの側面があります。
一つは、達人(けだものとも読む)イントラの旋回能力です。N口イントラのいうとおりに旋回するためには直径で4.5m以下の旋回ができなければいけません。見ているとそれは易易と実現していたように見えました。N口さんは、自分が走るように皆も走れるべきだという思想ですから、自分の実力を良く考えた上でN口さんの言うことを聞く必要があります(笑)
もう一つは、これだけけだものセクションであったにもかかわらず、みんな良く頑張った。まるでオフロードコースのように芝生に跡がグダグダに残っていたのですが、それでも皆さん、走り抜けたということも素晴らしいことです。
近頃の上級は面白いなあ!!
この日は2012年導入の新車解禁日だったので、皆喜んで、cb1300、NC700、vtr250などの車両を引っ張り出したのですが、担当したスーパーイントラN口さんは情け容赦ない超制約されたUターンセクションで迎え撃ったのでした。
図は午前中のコースの一部を示しています。スタートは図の右側からで右折してスタートです。で、市街地を回った後、再び図の右側に戻って4m間隔の直パイを通過して3番のセクションでコテコテと回って帰ってくるコースでした。で、ハイライトは(7)のコーナーです。図の(7)の左手の部分は中級さんがコースを使っていたので、7.6m幅2車線の半分を使ってUターンしています。
Uターンする水平方向の道幅は1車線で3.3メートルでした。縁石が10cmありますので、縁石までキチンと使えば3.5mということになります。
ですから有り体に言って、この道幅でのUターンは、自転車でもない限り無理です!
私自身の経験で言うと、私がcb1300で定常円旋回をするときの最小回転半径は2.4mです。これは先般、浜名湖の貸切でスペースを貸してもらって確認した実測値です。白バイの足をつくような小道路旋回とは違って、クラッチを使わない速度でフルロックで回っての前輪の旋回半径です。カタログ上の最小回転半径は2.7mですから、そんなに不自然な数字ではないでしょう。同時にフルロックでの内輪差を測ったら50cmでした。これはバイクを傾けていない状態での測定ですから、バイクを傾ければもっと大きくなるかもしれませんが、そんなに違わないだろうと思います。
で、これらの数字を基準にすると、置かれたパイロンを中心にして旋回しようとすると、しっかりはみ出してしまうことがわかります。実線の青い線がパイロンを中心にした半径2.4mの円、赤い実線が半径1.9mの後輪が描く円となります。
したがって、私がこのUターンをクリアするためには、図の青の破線で描かれた前輪の軌道および赤の破線で描かれた後輪の軌道を描く必要があるわけです。
これには相当、悩まされまして、当然最初のコース案内では(8)の部分で、もうどうしようもないという感じではみ出してしまいました。まあ、想像を超えていましたね(笑)
で、その後、走り始めて、3回に1回とか4回に1回は回り切れないという状況でした。
アラレが降り始めたので様子見で休憩に入り、そこでそのセクションをじっくりと観察した結果、アプローチラインを発見したのです。
それはこの図の赤い実線のラインです。つまり、パイロンの奥に旋回の中心を持っていく必要があるのですから、奥に広いスペースを作るために深いアングル(つまり画面で右下から左上に向かう角度)を作って進入するというものです。
しかし、そう心に決めた後、雨があがって再開した時にN口さんがデモしたのはまったく逆でした(泣)。
N口さんは、図のオレンジの二重線のラインを示し、縁石に寄せて直進し、抜けたらフロントを右に振ってそこからUターンするという指導でした。赤のラインのように図の上方向(進行方向右)にラインを振るとUターンする後輪の旋回角度(ラジアン)が大きくなるからやめておけということです。これはイメージとしては白バイの小道路旋回と近いもので、右に前輪を振ってそれを逆ハンドル的に利用しながら左に一気にフルロックに持っていくということなのだと思います。
これは説明するのに難しいのですが、達人(と書いてけだものとも読む)のスーパーイントラさんにとってはそういうことになるのですが、旋回半径2.4mの普通の人にとっては成り立たないということなのです。
N口さんが言うように縁石と平行にして抜けたところでフロントを右に振ってそこから車体を左に倒すというやり方だと、後輪の旋回角度は変わらないのですが、フロントの旋回角度(ラジアン)は大きくなります。これに対して赤実線のように深いアングルで入って逆ハンドルを切らないでドンと旋回すると後輪の旋回角度は深く(多分220度位)なりますが、奥で回るので前輪をうまく縁石から躱すことができるのです。
事実、再開後のセッションでは、私は赤いラインでアプローチして、回り切ることができてN口さんから「抑えて!(フルロックのハンドルを切り戻さないで回りきれ!という意)」2回頂いたあと、「いいね!」と「イェイ!!」を獲得することができたのでした(笑)
まあ、その声は別にして、休憩後のセッションでは、一度も失敗することなく回りきれたので、私自身のライン構成としては成功したと思っています。最後の周回では、縁石から20cm~30cm位の余裕を作ることができたので、もしかしたら、私の旋回半径も2.3m位まで詰めることができたかもしれません。
それにしても、このセクションの評価はまったく違った二つの側面があります。
一つは、達人(けだものとも読む)イントラの旋回能力です。N口イントラのいうとおりに旋回するためには直径で4.5m以下の旋回ができなければいけません。見ているとそれは易易と実現していたように見えました。N口さんは、自分が走るように皆も走れるべきだという思想ですから、自分の実力を良く考えた上でN口さんの言うことを聞く必要があります(笑)
もう一つは、これだけけだものセクションであったにもかかわらず、みんな良く頑張った。まるでオフロードコースのように芝生に跡がグダグダに残っていたのですが、それでも皆さん、走り抜けたということも素晴らしいことです。
近頃の上級は面白いなあ!!
レベルが高いというのか、撃沈している人も多数いたので、要はN口さんが「容赦ない」ということではないでしょうか(笑)
N口さんが戻ってきてからM川さんの活性もハンパなく高まっております‥‥‥
は~っくしょっん!!寒っ
今年はそれを入れて38回参加。通算390回。今年の転倒回数は4回で目標としていた2回以内を達成できませんでした。
怪我がなくてよかったのですが、来年はぜひ達成したいものです。できれば「ノー転倒」を目指して!
ひょえぇ・・・390回・・・すごすぎます(汗)
私はまだまだ通算十数回なのですがすでに壁を感じております・・・(中級では皆さんあの重たい1300をヒラヒラスイスイお乗りになっていらっしゃるのでどこにそんな体力があるのかと不思議に思ってしまいます)
中級の諸先輩方やイントラ氏に「毎回目標を持って出来ないことに挑戦!」とご教授頂いてるのですが、いつもいつもがむしゃらにむちゃくちゃなフォームで走ってしまってます・・・
sushiさんのデータをしっかり学ばせていただき頭を使った走りができるように頑張りたいです・・・
390回といっても、こういう楽しい修行ができるところで遊んでいたら、いつのまにか8年近く経ってしまったということですね。馬齢を重ねるということでしょうか。まあ、年に100回来る人もいますから、私あたりはアベレージ常連です(笑)
中級数回さんはまだ十数回なのでこれからの伸びしろはたっぷりあるということで、ある意味羨ましいです。凸凹はあるでしょうが、乗れば乗っただけ上達するというのは、誰も変わらないと思いますよ!
今後共よろしくお願いします。
率直に質問させていただきます。
イントラの方、上級の方は、例えばですが、筑波サーキットや茂原ツインサーキットでは何秒位で走れるものなんですか?
HMSで上級のタイムならサーキットでも上級のタイムなのですか?
率直に言ってサーキットでの速さとHMSでの速さはあまり関係ないと思います。チューニングされたスーパースポーツとくたびれたノーマルのネーキッドでは全く違う乗り物と考えるべきです。それから走るコースがまるっきり違うので、ラインに対する考え方が全く違います。そのため要求されるテクニックの性質が異なります。
もともとサーキットで走っていたMイントラやYイントラも、桶川着任直後に上級を担当していた時には相当戸惑っていらしたようです。
逆にHMS上級で速くてもサーキット体験がない人ではサーキットをちゃんと走るにはそれなりの練習が必要だと思います。私もサーキットに行ったことはありませんので、多分、サーキットに行ってもどこをどう走って良いのか見当がつかないと思われます。
バイクという大きな括りで、バイクという乗り物になれているという意味では、それぞれのための練習を始めれば上達は他の人よりも早いかもしれません。
HMSの成果というのは、比較的低い速度域で意のままにバイクを扱えるようになり、そのことを大いに楽しめるようになることだと、私は考えております。
大変、参考になります。
当方、バイク歴24年にして、先日初めてHMS初級を受講してきまして、なかなか楽しいなぁと!
まだ目標となるものが、はっきりとはしませんが、HMSを続けてゆけば、何かつかめるかなと(汗;)
この度は本当にありがとうございました!