仙崎の金子みすゞ記念館へは、一度行ったことがあったが、再び訪ねたくなり、広島に行く機会に足を伸ばしました。みすゞの数々の童話、詩集の珠玉 にはみえない悲運の果てに若くしてこの世を去ったなぞを解くためだったかもしれません。離婚を決意してから3歳の愛娘を夫が連れにくるという前日の模様が記されているのを見つけました。「3月9日、テル(みすゞこと)は、娘のために最後の写真を撮りに写真館に行き、母と娘のために桜もちを買って帰り、その晩、三歳の娘と風呂に入り、たくさん唄を歌ったとあります。歌い続けることで悲しい言葉が出るのをとどめたのだろう。風呂から上がると母と叔父と4人で桜もちを食べ、いつもと変わらず明るく過ごしたという。その夜3通の遺書をしたため、カルモチンを飲む。枕元には遺書と写真の預かり証がおかれていたとありました。