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1億3000万分の、独言(ヒトリゴト)

日常の一コマをマイペースに切り取ります

読書の季節

2009年09月28日 | 読書
先日のゆりかもめdaysの折に撮ったキティちゃん観覧車
デジカメバージョン。キティちゃん、頭に血が下がってる系。


この時移動中に買った恩田陸の『中庭の出来事』(新潮文庫)を読了。
複雑な構成で、最後までよくわかんなかったけど(笑)、
なんせ読んでる間はぐいぐい引き込まれた。
優れた作家さんの筆致って、どうしてこうも「どうなるんだ、どうなるんだ」
って思わせるんだろう。すごいなあ。

ストーリーとは別に、面白かった記述。
私特に、恩田さんや新潮社の回し者じゃないし、
これで何か商売してるわけでもないので、原文で載せちゃいます。

「都市は、世界は、どんどん劇場になりつつある。
未だかつてないほど、虚構が消費されているこの時代、自分を
虚構の中の登場人物とみなすことが大きな娯楽の一つとなったのだ。
だから、ステージである都会を見よ。
若い女性をはじめ、『見られる』ことを求める人々のために、
どんどん町は透明化している。・・・(中略)・・・
街そのものがステージになったのだ。」

ストーリーとは直接関係のない記述ではありますが、
この『中庭の出来事』という作品の成立する背景はここにあるし、
もしかしたらテーマと言い換えてもいいような気がする。

そう、「一般」とされる人々が、「見られる」ことを意識して
「自分をプロデュースする」のが当たり前の時代。
「虚構の消費」とは言い得て妙。
誰が見て、誰が見られるって?
誰もあなた(たち)のことなんか見てませんけど、って
ちょっと引いてみると自意識過剰さ・ナンセンスさを鼻で笑いたくもなる。

そんでもって、この劇場型都市・世界は、
全員が顔見知りではないところに成り立つ、と恩田さんは言っている。
地方都市や市町村で、ほぼ全員が顔見知りのコミュニティでは成立しにくい、と。
これも、なるほど。

『中庭の出来事』では、都会のきれいなホテルの中庭
(つまり衆人が周りを取り囲んで「見ている」状況)で
殺人が起こるんだけど、
登場人物が役者さんや演出家で、その殺人事件が中庭で行われていた
「オーディション」の最中だった、という設定なのだ。
話が進むにつれ、現実世界の人々がこの虚構の演劇の演者に
なっていき、最後はどれが現実でどれが虚構(演劇)なのか
分からなくなったところで幕が下りる。
うんうん、完全に現代日本をパロッてる。
誰が犯人か全然分からなかったけど、面白かった。

・・・と読み終えたところで電車を降りたら
いかにもファッション誌から飛び出てきたような上から下まで
キメキメに決めたおねいちゃんとすれ違う。
ああ、まさに、と思う。
日常で私たちがここまで「ハレ」である必要があるんだろうか。
誰の目を意識して、短いまつ毛に何度もビューラーをかけて、
ミリ単位やグラム単位で本日の自分の体のサイズに一喜一憂して、
常に120%の自分を見せていなくちゃならないんだろう。
異性の目?ほんとにそう??
「女性であれば常にきれいでいたいと思うのが当たり前」なんて
すみません、どなたさまの価値観でしょうか?
そうであろうとすることは、本当に「努力」の範疇?

価値観はさまざまですよ。それは認める。
でも、あたしゃヤダなー。疲れるっちゅーねん。
見られるのが好きな方は、どうぞどうぞ。
でもそれを「当たり前」とかにはしないでほしいです。


久々に本を読んで物思いにふける余裕ができそうなので
amazonのマイページを覗いたら・・・
わー!
そんなに色々お勧めしないでくれたまえよ!!
芋づる式に欲しくなってしまうではないかー



漫画の季節

2009年07月22日 | 読書
寝不足でした。

なぜか今になってハマった漫画があって、
全22巻を大人買い。
ああ、大人って嬉しい。

最近の少年コミック系漫画って面白いですよね。
私がハマってるヤツもストーリーがものすごく良く出来てる。(と思う)
人もたくさん死んでいくけど(題材が戦争なので)
軍人の苦悩なんかもよく描けてるし、なかなかに深いなあ、と。
なんでもそうだけど、作者のメッセージや伝えたいことや、
何ていうか思い入れとか気持ちとかものすごく入れ込んで
命削るようにして仕事してあるものって(漫画の連載って
ものすごく大変だと聞きます)、こうも人を惹き付けるんだな。
まるで命との「等価交換」。
(・・・といえば作品が特定できましょう恥ずかしい~)

漫画だけでは飽き足らず、テレビ放映のアニメまで借りてきて
お風呂DVDで見ふけること数日。
確実に寝不足になって、頭は痛いわ、
吹き出物がボツボツ出るわ。
こらこら、ちゃんと自律しなさいよ、社会人。

面白いことに1年のうちにこの時期限定で
何かの漫画にハマるんですよね。なんだ、この季節性。
去年も同じ時期にある漫画にはまり込み、今年よりも少々時間が
あったため、暇さえあれば漫画喫茶に通いましたっけ。
3ヶ月くらいで飽きちゃったんだけど。

職場のイチゴに花が咲いた!

実がなるかなあ♪わくわく。







引きこもりの友

2009年07月09日 | 読書
日本はどれだけ涼しいだろうと期待して帰って来たけど
あまり涼しくないな・・・

湿度はシンガポールの方が上なので、ジッとしてても汗が流れる・・・
ような暑さは向こうの方が勝っているけど。

ところで、諸事情ございまして今週一杯引きこもり生活です。
詳細は後日・・・話せればいいなあ、って感じですか。
あ、身体がどうとか健康面がどうってことではないので
ご心配なく、です。逆にピンピンしておりますの。

引きこもり生活のお供は何と言っても本(&漫画)でしょう!
先日ここでご紹介した宮城谷昌光さんの『楽毅』(新潮文庫)は
ほんとに面白かったです。シンガポールでも時間さえあれば読み耽った。
宮城谷さんの描く楽毅の、上に立つ武将としてのまっすぐさみたいなのは
丁度現地で似たような(あ、本気で比べれば全く違いますよ。
でも、私はすぐその時ハマった本や映画や音楽に影響受けるタイプ)
立場にあった気がする自分に、すぐ投影できて、結果なんだか頑張れました。

ビジネス本以外の小説読んで、頑張れたのは久しぶりだったので
なんだか嬉しかったです。
漫画もいいし、映画もいいけど、やっぱり活字はいいなあ。
マイ(妄想)ワールドが出来上がるし

他の宮城谷作品を求めにチラッと本屋さんに行ったら・・・
なんと宮城谷さんったら文春文庫から『三国志』も出してるわー!!!!
わーいわーい。
しばらくは宮城谷小説&久々の中国史祭です。


祭りといえば、一昨日は七夕でしたね。
プライベートでそれどころではなかったのですが、
よく訪れる方々のブログを拝見したら、その地方地方での様々な七夕の行事の
様子がアップされていて、新鮮でした。
見たことも聞いたこともない風習が、全国にはあるもんだ。

因みに私が七夕の夜に撮った写真はこちら。

↑写真の右半分と左半分の見え方、まるで合成したみたいじゃないですか?
左の街灯とお家の感じ、ここだけいかにも昭和な雰囲気で好きなんですよね。
ちなみに合成してませんよ、勿論。


有閑な午後願望

2009年05月26日 | 読書
移動中に読もうと思って、文庫本3冊ゲット。
読みたい!と思う本が短時間でボロボロッと出てくるのは珍しいので、
(これも一期一会だと思うが)早く頁を繰りたい一心でしたが・・・

どうやら袋ごと打ち合わせ会場に置き去ってもうた様子。
がーーーん・・・
ジブン、ほんとに読みたかったんか、おい、と突っ込むこと数度。

3冊は痛いな~
考えてはみたけど、やっぱり読みたいので結局同じ本屋で同じ本を3冊ゲット。

ということで彼らは2代目くんたちです。
『孤独の作法』(下重暁子著 中経文庫2009年)はサラサラ読めて
面白かった。『女性の品格』よりはこっちが好きかな。
どこが、といわれると困るけど、幸田文を髣髴とさせました。
幸田文は私も大好き。
日本語がとってもうつくしい。

昔、幸田文の文を読んでてハッと思ったんだけど、ある箇所で
彼女はいわゆる「負けずぎらい」を「負けぎらい」と言ったんですよね。
考えてみると、確かに「負けずぎらい」は変ですよね。
負けないことが嫌い、は二重否定で勝つことが嫌いってことになる。
「ず」は否定の意味じゃないかもしれないけど、
でも「負けぎらい」の方が、文句なく本来の意味が伝わりますね~
ほう、そうだそうだ、と思った言葉使いでした。

よしもとばななは大好きな作家さん。
どっちかっていうと江國香織さんの世界より、ばななさんワールドの
方が、なんていうか感覚が沿うのです。

奥田英朗さんのは『インザプール』のデブ系精神科医・伊良部が
大好きだから!電車の中で伊良部シリーズ読むのはチョー危険。
絶対、噴出すから。

2代目くんの大出費はアイタタだが、
面白い本に会えて、おねいさんはとりあえず嬉しい。
それぞれジャケットもきれいです。
今はあまりにも書店に本がありすぎて、玉石混交ですもんねえ。


写真は、先日妹とランチした時の「モロッコティー」。
私がコーヒーじゃなくてお茶を頼むのはとっても珍しいのですが、
この器と中のミントティー、大当たり。ほんとに素晴らしかったです。

こんなお茶とご本で、有閑な午後を過ごしたいな・・・


禅問答

2009年05月13日 | 読書
今日は午後いっぱい、バスケット教室講習でした。
(こんなことやってます⇒クリニックHP

しかし、返す返すも、現場はいいなあ・・・。
反応が良くも悪くも生で、ダイレクトに返って来るし、
気心知れた仲間とやってるから、阿吽の呼吸でやりたいことが
分かってもらえる。
どんなに頑張ってはみても、人間には向き不向きがあるものねぇ、と
思い知らされている今日この頃。

ところで最近面白い本を読みました。

『人は死ぬから生きられる 脳科学者と禅僧の問答』
(新潮新書2009年)

今をときめく脳科学者の茂木健一郎さんと禅僧の南直哉さんとの対談集です。
タイトルの強烈さと帯に写っている南さんの写真の厳しい佇まいに
惹かれて思わず手に取った。
好き嫌いが分かれる著書かとも思いますが、
私は色んなヒントをもらえました。

茂木さんもさることながら、南さんの言葉がすごい。
さすが永平寺で修行して、青森の恐山の院代(山主代理だそうです)を
お務めのことだけあります。
特にこれは面白い、と思ったのは
「私(南さん)は昔から、理解するとかわかるというのは、
わからないことを隠すことだと思っています。」(138頁)の一文。
物事はすべからく「わからない」と考えるのが前提なのだ、と。
これ、何となくピンと来るんですよね。
私も昔から、世の中の全ての事象に「正解」なんてないのじゃないのか、と
「分かった」というのは「分かったような何か」なのであって
絶対的な本当の正解じゃない(色んな人が色んな立場からある事象を見れば
立場の色眼鏡を通して見るわけだから、その立場によって答えは変わるはず)
のではないかとずっと考えていたので、
この一文の表現を見たとき、ああ、そういうことなのかも、と
思ったわけです。

論拠のないポジティブシンキングの勧めよりも
(※論拠のあるポジティブシンキングは別)
人生は苦だ、と言い切り、でも
「にもかかわらず死を選ぶことなく、寿命があるまでは必ずしも簡単とは
いえない人生を、最後まで勇気を持って生き切るにはどうするのかというのが、
我々仏教者の、メインテーマ」(160頁)という南さんの言葉の方が
信頼に値するような気がするのです。

だってさー
生きるのって本当に大変だと思うもの。マジで。

興味がある方は是非ご一読下さい。








いちごとメロンと三国志

2009年05月02日 | 読書
先日の日記でアップした、職場の苗シリーズ(?)が好評なので
続編。

メロンVSいちご!

メロン(左)はすくすくお育ちです。
でもいちごも頑張ってるでしょ?
なんてつつましい芽なんでしょ。
GO,GO,いちご!頑張れ、いちご~!!
(自分が播いたとゆーのもあるが、メロンとゆー果物、
残念ながら私の天敵・・・)

って、別に競争してるわけじゃないんだけど。
メロンはきっとこれ、植え替えとか必要になりそうだな~


さて、一昨日のお休みの夜、「レッドクリフPARTⅡ」を
友人と待ち合わせて観てきたのでした。
この日記で以前、無駄にアツく語った(三国志好き)PARTⅠでしたが
11月3日の日記
11月7日の日記
PARTⅡは、Ⅰよりもツッコミどころが満載だったよ・・
(以下これから観るという方のために気をつけて語りますが、
それでもネタばれになりますので、どうかご注意を!)

上の日記でも言ったとおり、三国志は基本、漢(おとこ)の物語で
あってほしいというのが私の願望なのですが、
(確かに原作でも、貂蝉って色仕掛け役の女性や孫権の妹なんかも絡んでくるし、
美女に惑わされる英雄っていうのは歴史ものの典型としてアリですが)
なんつーか、戦の大勢決めるところで、あの時代のオンナの人がのこのこ
出てっちゃいかんよな~と思うわけです。
もう、そこはエラく興が覚めた。

それから、2作目にしてようやく「あ、これトニー・レオンのための
映画だったのね」と気付きました。
トニー・レオンの周諭がオトコマエすぎる。
いや、周諭は実際男前だったらしいけど、でも
原作では常に諸葛亮にイライラさせられて(これもフィクションだけど)
ウキ~ッ!!ってなってるキレやすい人なのに、ラストも「え?そこで敵の大将
逃がしちゃう?」みたいな君子ぶり。
(だいたい、大将同士が、戦場でそこまで相見えないでしょーに。)
三国志演義では、こういう戦い方は劉備の専売特許みたいな感じですが。

ってなわけで、残念ながらPARTⅡでは「なぬ?!」って
噴き出しそうになる場面も多かった・・・
でも、大衆娯楽映画としてはああいう作り方にならざるを得ないのかな。
ファンとしてはもう少しマニアックに作ってほしかったな~
個人的には、三国志演義「赤壁の戦い」最大のフィクションの見せ場、
諸葛亮一世一代の大芝居・七星壇で風を祈るシーンは見たかった。
あの辺りの諸葛亮と周諭の駆け引きはすごく面白いのに。

とはいえ、
百万を号する水軍の戦いは見事でした!!
船が火にまかれる迫力は本当にすごかった。
これは過去の三国志実写版にない要素でしたね~
戦争に勝者はない、というメッセージも、評価できました。
(あらワタシったら、いつのまに、何様?)

歴史ものって、残された史料は限られてるし、新たな史料が
発見されない限り永遠に変わることはないから、
それを読んで解釈する人の思い入れが、その人なりの歴史を
作ることになりますよね。
大学の時、歴史学をちょっと齧ったけど、歴史学って要はその
限られた史料からどう事実を抽出するかって話で、
徹底的にその人の主体的な見方や思い入れは排除されなくちゃならなくて、
ちょっとつまんなかった。
それが歴史学のおもしろさだって教授は言ったけど、
私のような一般庶民は、歴史上の登場人物が私の頭の中で動き出すから、
歴史小説が面白いと思うんだな。

うああ・・・
またウザく語ってしまった。
あ、そうそう、「細マッチョ」の獅童くんも頑張ってたですよ~












ヲタク趣味

2009年03月03日 | 読書
おまわりさんからおてがみきたよ♪
(黒ヤギさんからお手紙着いた♪の音でどうぞ)

ちょうど佐々木譲さんの『制服捜査』(新潮文庫)を読み終えたばかり
だったから、何?何?何のお手紙~!?!?と盛り上がったら・・・
「巡回連絡カード」とやらだった。

『制服捜査』面白かったです。
一つ一つのお話は一見独立しているように見えるんだけど、
気がつくと最後はものすごい大きな捕り物に巻き込まれている。
移動中、何度も電車を下り過ごしそうになりました。
ぐいぐい夢中になれる本に会えるのは、至福。
『警官の血』(新潮社)も買おっかな。ハードカバーで上下巻。
持ち運び、かさばるかな・・・

ま、だいたい本屋でなんでこの本に手が伸びたか。
「制服」の文字があったから。うはははは。
だって、働くおぢさんたちの制服姿がすごく好きなんだもーン!!

今朝もスカイブルーな白バイ2台、見かけた。
前に走る窓ガラススモークの車を護衛してるっぽかった。
昔、「黄色いワーゲンを見るといいことがある」って言われてたみたいな
私の中の、密かなラッキーアイテム。ふふ。

(・・・みなさん、ついてきてくれてますか~!?!?)