本館:族長アシメック⑨
別館:カノープス・32
第3館:つきのしろあめ・11
写真館:凡庸
ご自由にお書き下さい。
*ハーバート・ジョージ・ウェルズの誕生日、宮沢賢治の忌日、マルタ独立記念日。誕生花はクズ。
尾が九本に分かれたという狐の妖怪。
女難の象徴。鳥羽上皇が寵愛した玉藻前や、悪婦として名高い妲己、褒姒などの正体もこれとされる。
美しい女に化け、男を支配して惑わし、あらゆることを自分のためにやらせる。このような妖婦というものの伝説は昔からあるが、それは悲しいものである。
なぜなら女性というものは、本質的に悪というものになりきれないからだ。
女性のなす悪は、馬鹿というものなのである。男のなす悪とは違う。男は悪でできることがあるが、女の悪は、いつも悲しく消えていくのだ。残るのは恨みばかりだ。
男にだまされ、傷つきすぎた女性の魂が、世を恨み、あらゆるものの邪魔をしてやろうと邪を願うとき、その魂は妖狐に落ちる。そして猛然と男を食いはじめ、この世界に恐ろしい難をばらまく。
女性とは愛の姿だ。その愛を獣扱いしたから、愛が獣になったのである。
男は妖狐を見ると大軍をもって滅ぼそうとするが、女を馬鹿にしてだますということをやめない限り、九尾の狐は次々と生まれ続け、この難は永遠に続くであろう。
神武東征の折り、神武天皇と導いたとされる大きな烏。三本の足を持っていたと言われる。
金烏とも言い、太陽の化身とも言われるが、それが闇夜のように黒い羽をもった烏であることに、違和感を覚えるものはいるはずである。
それは、武力というものの真の意味を表している。武は愛を剋するものだ。だが、大いなる愛をこの世に表現するためには、武もまた必要なのである。
光の根源である太陽が、闇夜のような烏に変化して武王を導く。それもまた愛の姿である。
男子の心得をも導く存在である。