睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

散文:今宵のぼくはknightなんだから。

2019-11-01 08:23:49 | 散文うたかたの記
海沿いは今日も霧
白い朝はつまらない

親指に茶色の縦線がある
いつからだろうか
けさ気が付いた

赤いマニキュアをつけると隠せる
オカマちゃんみたいに
化粧は老いを隠しつ
すっぴんとの落差を見せつける

オカマちゃんは頭のてっぺんがハゲている
ふんわりとウイッグをつけるとわからない
垂れたマブタはつけマツゲがぴんと起こし
ブラウンのルージュはほうれい線をかくす

ケバくてもいいじゃないかー
むさいおっさんをみるよりも
怪しいマダムのほうがましさ

彼女と一緒に夜の街を歩くよ
奇異の目を向けられてもいい
今宵のぼくはknightなんだから。

爪は栄養が偏ってるせいか
食べたいものだけを食べて
食欲不振をごまかしている

みんなそうなんだ
どこかで辻褄を合わせてる
そのポイントはそれぞれに
オカマちゃんは化粧にこり
ぼくは食べるものをえらぶ
君のポイントはなに?


ヨーロッパアルプスのユングフラウ鉄道だか
スイスの山岳鉄道だっけか、
スイッチバックしながら山を登る列車。

箱根登山鉄道もそうだった
自前の足がダメなら鉄道に頼ろう
知らない世界が見えてくるかも。

箱根鉄道といえば、
昔の箱根駅伝で電車が通過するのを踏切の前で
足踏みしながら待つ選手の姿がアタマに浮かぶ。
ゼッケンに「C」とあるから中央大学かもな。

古い記憶のスライドは多くを語らないが
白いユニフォームと上下に動かす手と足と
選手の必死さは伝わってくる。

スイッチバックする列車は喘ぎながら
車体をきしませながら高度をかせぐ。

些細なことに動じず
大局を見られる人はいいなぁ
ぼくは結局その人の許に戻ってゆく。







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