睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

雀友の家を訪ねて

2020-05-18 10:37:04 | ひびつれづれ



北アはいいなあ。
背中を押された気がして、
つづきを書こうと思った。

昨日は山の家のついでに入院中の雀友の家を訪ねた。
奥方の電話で婆さんがひとりで留守番をしていること、
耳が遠いので大声で話して...、と聞いている。

間口の広い引き戸をあけ、マスクを取って声を掛けると、
「あいよ~」の大声とともに奥座敷の障子があき、
ニット帽をま深かにかぶった婆さんが顔を出した。

何年かぶりに会う婆さんの腰はかなり曲がっているが
しわくちゃの顔は血色がよく元気そうでなにより。
玄関に腰掛けて入院のいきさつを聞いた。

脈絡を欠く婆さんの長い話しに相槌をうちながら、
それほど深刻でもなさそうだと安心した。
ただ、オペ日が決まらないことに若干の不安は残る。
大学病院は夜も眠れないほど忙しいらしい...。

見舞い品を託して家を出た。
子どもたちは独立し、大きな百姓家に老夫婦と婆さんの
三人暮らし、大酒のみの爺さんは先年に旅立った。
ここんちは大丈夫、うちと違って立派な跡取りがいる。

岡山に行ったデジタル婆さんは元気だろうか。
総じてオンナの長生きの秘訣は順応力なのか。

子どもが独立したあとの夫婦二人暮らしの環境で、
夫に先立たれた妻は一ときは悲しみに打ちひしがれても、
立ち上がるのは早い。
それからのオンナは花が咲いたように余生を享受する。

だらしない身なりに化粧っ気がなく、白髪まじりの頭は
ぼさぼさで、どこのババアよと思っていた後家さんが、
いつの頃からか見事な変身をとげた。

あれほどまで変わるのかと、爺いどもは呆気にとられ、
指をくわえる輩まで出る始末。
大岡越前の母親が示すようにオンナは灰になるまで、
オトコは赤い玉が出るまで、エロスはつづく。


今日はしとしと雨降り
ベランダのドア全開に
肌寒くてフリースを着ている
タバコを吸うと
咳がでたりして
本末転倒とか、好きなんだ。






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