睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

窓に祈りを

2020-05-17 08:00:00 | ひびつれづれ


3日前に雀友が入院したと電話がきた。
県外から見舞いが可能か病院に問い合わせたところ、
「近親者以外のお見舞いはご遠慮ください」と丁重に
断られた。もやもやするけど仕方がない。

和歌を好み書をたしなむ。
見かけによらない風流人は、ぼくが欲しくてたまらない
珠玉の青牌の持ち主でもある。

カドを感じさせないするりと冷たい手触り、
流麗な書体にくっきりと深い彫り、あざとくない色彩、
手積みに最適な重さ、びしっと列に収まるバランスの良さ、
そして硬く軽やかな音が実にいい。

ぼくのお宝の端渓に熊野、人間国宝の手漉きなど
物々交換にも首をタテに振らない頑固者。
対面で握りあって、勝って、ぶん取るのがここ10年来の
ぼくの悲願なんだが、その機会さえ失われそうで悲しい。
勝負事はアンフェアーじゃダメなんだ。

くれぐれも惜しいのは、
手練れ4人が積んだ雀牌の美しさを写真に残さなかったこと。
大将がいない今となっては夢のまた夢、あの世の夢だが、
あの見事さはぼくの胸に刻まれている。

へんなところに熱くなるw

去年の春先から体調不良が続いていたらしいが、
大将の墓参りで会った時は元気だった。
ぼくより1つ上だけど精神年齢は5つぐらい下で
赤ら顔のいいヤツなんだ。

線香を持つ彼の横顔が白く頬が薄いような気がしたが、
墓参後に一杯やったときは、見慣れた健啖家の赤ら顔
だったから気にも留めていなかった。

日本人の二人に一人がかかる国民病みたいな病だから、
オペさえできれば順調に回復すると思ってはいるが、
腹腔鏡ではなく開腹オペに一抹の不安がある。

コロナ禍で医者にかかるのが憚れ遅れたうえに、
紹介状があっても大学病院の診察ははすんなりと
いかなかったらしい。

今日の午後に彼が入院している病棟のそばを通る。
ぼくには窓を見上げて祈ることしかできない。


見出し画像の寄せ植えビオラはまだ隆々と咲いているが
蕾の数は一挙に減り、花の勢いは最後のピークと思われる。

赤いシクラメンは残り1個の花が長いこと頑張っている、
こちらは今日か明日にも、触れなば落ちん風情がある。
もういいよと云ってやりたい。

ありがとう



たそがれ日暮れ






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