薄紅葉10/29

文学館銀杏並木の薄紅葉
ジンジャーの香り仄かに朝餉食む
咲き残る朝顔の藍深まりぬ

十月桜10/26

奥つ城の十月桜色淡し
古都の秋修学旅行の青帽子
公園の子等の喚声秋夕日

菊日和10/24

園児服着て孫の来る菊日和
短冊に自句の手習い秋灯下
石蕗の黄と時鳥草絵手紙に

東京オフ句会10/22

曼珠沙華花散り終えて葉の色に
萩枝垂れ疎水に影や鎌倉道
奥つ城や杉の木立の秋の声
肩までもゆったり浸かる夕の冷え
鳶の舞う柏槙大樹空澄む日

推敲句
ゆったりと肩まで浸かる夕の冷え

紫苑10/21

シャキと食む「もってのほか」の色の良し
茅葺きの鐘楼守る紫苑かな
川沿いの桜並木は落葉道

茶の花10/17

茶花咲く道を辿れば牛舎見ゆ
黄の蕊の花に勝りし茶花かな
牡蠣食めば酢橘の里の恋しくて

秋刀魚10/16

幸せは紫の色杜鵑草
秋刀魚焼く七輪の火の赤々と
夫婦して回転寿司の秋刀魚食む

蟷螂10/14

蟷螂や石の階段登りかね
児の仕種笑顔溢れる秋の宵
泡立ち草黄を青空へ一斉に

落葉10/12

孫の手を気持好いねと落葉道
式部の実公園の隅雅けり
散歩道今年の柿の小さくて

杜鵑草10/10

月光に蕾綻ぶ杜鵑草
オカリナを奏でる妻や秋深し
落花生大地の力確かめて