彼岸花9/29

＜高麗川に囲まれた巾着田の彼岸花＞
彼岸花緋の埋め尽くす高麗の里
川わたる風や高麗辺の曼珠沙華
雑木林緋の一面の彼岸花
　

曼珠沙華9/27

秋暁の光沸き立つ水平線
曼珠沙華蕾の紅のいとけなき
月今宵古文書教室帰り道

満月9/25

＜オンライン句会投句＞
一瞬の微笑み残し満月雲に（９２歳の姉見舞う）
天涯の湖に銀漢降る如く（チチカカ湖回想）
清清と花茎空へ彼岸花

鬼やんま9/20

鬼やんま雲を捉えて飛び去りぬ
谷戸の家厨の三和土涼しけり
白萩の咲き初め今朝の空真青
源流の太古の時を刻む秋

葛の花9/18

重たげに揺れる花梨の色淡し
オーボエの音色の冴えて２日月
引き寄せて掌に置く葛の花

実むらさき9/15

菊薫るチャペルに響く祝婚歌
秋気澄む海辺のチャペル祝婚歌
実むらさき主無き家の隅飾り

白芙蓉9/11

凛として蕊匂い立つ白芙蓉
朝顔の蔓を伝いて大空へ
老犬の肩で息づく秋暑し

竜胆9/10

遊歩道黄のコスモスに迎えられ
絵手紙の竜胆の彩鮮やかに
背に受ける風爽やかや茜雲
茜雲流れる果ての赤のまま

栃の実9/8

栃の実の空にぽっかり白い雲
台風の一夜明ければ誕生日
葛の花葛の葉陰に仰ぎ見る
相撲とる五歳の孫とはっけよい

韮の花9/4

かそけしや姉の面影韮の花
土の香を胸一杯に萩芒
バスの窓目よりも高き秋の海