落葉9/30

坂道をからから転げ栃落葉
萩零れ水琴窟の音の澄みて
茜雲秋蝙蝠の飛び交いぬ

金木犀9/29

金木犀花散り終えて大地染め
赤とんぼ二階の空に見え隠れ
秋蝶や狭庭去りかね色残す

曼珠沙華9/28

稚児大師詣でる道の曼珠沙華
銀杏の溢れる程の古木かな
句会終えちちろ鳴く道帰り道

秋彼岸9/26

秋彼岸一期一会の句会かな
秋彼岸母の没年なぞりおり
銀杏を潰さぬように散歩道

風蝶草9/25

咲き上る風蝶草の風に舞い
あの庭もこの道端も風蝶草
街路樹の根元華やぐ風蝶草

風蝶草の名前を教わり、少し季節がずれますが、詠んでみました。

草紅葉9/24

東京オフ句会投句

ツンドラのいま紅に草紅葉
身に入むや指差す昴瞬けり
天高く白嶺眼下セスナ航く
谷戸の秋水車ことりと時刻み
坂の家萩奔放に咲き乱れ

敬老日9/22

孫からはじじの似顔絵敬老日
厨窓金木犀よと妻の声
芋がらの色そのままに宅急便

彼岸花9/20

彼岸花兄の形見の歎異抄
古文書の一字読み解く夜長かな
九品仏七堂伽藍曼珠沙華

敬老の日9/18

敬老の日孫の手紙は夫の顔
寄り添いて石佛明るき彼岸花
白壁の土蔵に映える柿の色

栃の実9/16

散歩道色よき栃の実を拾い
萩芒風ふところに峠道
清水湧く風さやさやと谷戸の秋