寒餅1/31

房総の潮風を連れ金盞花
暁闇の赤屋根覆う霜真白
故郷の寒餅こんがり膨らみぬ

寒椿1/29

寒椿紅一輪をてのひらに
帆船のマストの空の冴え返る
寒の晴れ青透き通る少女像
冬温し足音弾む開港の道

横浜オフ新年句会1/27

冬空の大桟橋の寂として
氷川丸繋ぐ鎖に冬鴎
一月の海しみじみと眺めをり
水底に日差し煌めく寒の潮
汽笛鳴る水鳥発てり一斉に

紅梅1/25

紅梅の番の鳥の弾みをり
日溜りの紅梅一枝綻びぬ
鳩鴎啄ばみ騒ぐ寒日和

初雪1/23

初恋の如く初雪淡く消え
初雪や背中まるめて図書館へ
枯芝の足元ふんわり植木園
白梅のいろすがすがし咲き初めぬ

紅梅1/21

＜オンライン新年句会投句＞
曇天を灯す紅梅三分咲き
蝋梅の花馨しく咲き満ちぬ
畦道を破魔矢の鈴の音を残し（1／7掲載）

寒椿1/19

（映画武士の一分）
一分とはくだらぬ意地か寒椿
銀杏大樹梢に数多寒雀
老犬の猫と向き合う水仙花

冬日1/17

冬日浴び延命地蔵掌を合わせ
蝋梅の香り零れて煌きぬ
日溜りの番の鴨のよく眠り
白鷺の眼差し遠く冬の川
大き翼広げ水浴び冬鴎
大根引く跡ぽっかりと黒々と

寒見舞い1/15

寒の水水琴窟の音の高く
初恋の如く咲き初め桜草
寒見舞い卒寿の姉の住む街へ
兄姉と逝きて路傍の帰り花

沈丁花1/13

沈丁花香り誘う路地奥へ
笹鳴りや挨拶交わす里の道
栃冬芽赤く鋭く空を指し