春の霜2/27

赫々と昇る朝日や春の霜
片隅を照らす一灯ポピー咲き

２・２６事件
母の背降り立つ停車場雪の街

待雪草（スノードロップ）2/25

待雪草小さな白いベル揺らす
レタス割る瑞々しき色現れる
冴え返る窓切り裂きて小鳥墜つ

落椿2/24

咲き満ちし紅一輪の落椿
街中の農園耕し耕運機
水濁し蛙の背に蛙かな
下萌えの嬰の歩みの十歩かな
蕗味噌の香り携え友見舞う

ミモザ2/21

福寿草丈一杯に日を容れて
乳母車日の燦々と花ミモザ
沈丁の花の弾けて香り立つ

春節2/19

鶴見川鉄橋遥か雪の富士
菜園の隅にひっそり犬ふぐり
公園の桜古木の春浅し
春節や傘の重なる中華街

白椿2/17

水面に声の飛び交う蛙合戦
孫の相手ブロック遊び暮遅し
木漏れ日の雑木林の白椿

迎春花2/15

白梅の白くっきりと日を返す
雛菊の花壇縁取り清々し
迎春花昭和二桁古稀迎え
迎春花母の故郷恋しくて

春暁2/13

福寿草日の燦々と耀いぬ
蒲団干す番の鳥の眺めをり
春暁や半月くっきり中天に

梅林2/11

＜横浜オフ句会大倉山投句＞
梅林の空真っ青に透きとおり
白梅の香に包まれて佇みぬ
メタセコイヤ梢にかかる春の雲
梅日和行交う人の笑い声
振り向けば白梅のみな俯きて
新しき句友迎えて梅林へ
春雷の霰残して足早に

椿2/9

帆船のマストの空の春浅し
水遣りを忘れぬように春立ちて
昨日からミモザの花の黄の見えて
紅がおち絞りもおちる椿かな
紅梅の屋根の高さに咲き満ちて