病葉7/31

蝉の声聴かぬ公園昼下がり
風無きに柳病葉散らしけり

＜５２年ぶりの同級生に会う＞
冷し酒酌む半世紀束の間に

茗荷の子7/29

茗荷の子忘れてならぬこと多し
空蝉や少年の貌半世紀
ルーブル展上野の杜の蝉時雨

荒梅雨7/28

荒れ梅雨や峡より友の無事の声
神護寺や北山杉の風涼し
観蓮会自由民権の鐘を撞く

エーデルワイス7/25

＜モンゴルの夏回想＞

駒駆けよエーデルワイス果てる野を
水浴びの駒のたてがみ風通る
舞い降りて鶴は北へと羽休め

ハス7/23

縄文の青空の夢ハス開き
庭の草刈る片隅のテニスボール
青栗の毬のまるさよ日の暮れて

白木槿7/22

半世紀経て友の白髪や白木槿
雨重しアガパンサスの頭垂れ
青柿と青葡萄の家角曲り

祇園囃子7/20

コンチキチ祇園囃子の声揃い
土砂降りに鉾引く人も見る人も
錦市場鱧の串焼き食そそり

雲の峰７/１８

雲の峰北山杉の真っ直ぐに
荒れ梅雨や休耕田の青淡し
宵山の四条通は手をつなぎ

団扇7/13

パソコンを打つ手団扇の風送り
水族館夾竹桃に導かれ
新盆の兄の書棚の「歎異抄」

アガパンサス7/12

月満ちてアガパンサスの花充ちぬ
草を刈る雑木林の風清し
黒揚羽舞う竹林に風通る