蔦紅葉10/31

図書館のみずき紅葉の昼下がり
吟詠の温習会や初時雨
風そよと動かぬ空の十三夜
ピラカンサ朱を浮ばせる水盤に
擁壁を蓋い尽くしぬ蔦紅葉

石蕗の花10/26

真直ぐに一輪挿しの石蕗の花
きれいねと玄関先の萩枝垂れ
ほめられて玄関飾る萩零れ

＜十三夜オンライン句会＞投句
十三夜写経始めの妻の筆
九月十三夜陣中の作朗詠す
木洩れ日を踏む山道や野紺菊

運動会10/22

空真っ青孫熱発の運動会
ちちろ鳴く一方通行赤信号
秋澄むや泰山古木凛と立つ

六義園吟行10/20

札幌の人と語りぬ秋の園
団栗の数を教える園児かな
大梯子吹上茶屋の松手入れ
池の面彩鮮やかに櫨紅葉
地に枝を桜紅葉の垂れかな

式部の実10/17

紫の色透きとおる式部の実
空一面茜に染めて秋入り日
夕暮れてちちろ鳴く道回り道

杜鵑10/15

みちのくの旅の思い出温め酒
千屈菜や清流の音に目を覚ます
萩零る郵便受をそっと開け
杜鵑草咲き初め姉の忌日かな

露10/11

葉に宿る露きらきらと煌きぬ
武相荘柿高々と掲げられ
こんもりと金木犀の香を零す

虫の秋10/8

雲の彩刻刻変わる秋入り日
虫の秋公園よぎる遊歩道
窓開き木犀の香を訪ねけり

男郎花10/5

ひたすらに山路歩く秋一日
星宿る柿生る里の古刹かな
竹林の谷戸の山路男郎花
七草の名札手帳に書きとめぬ
分れ道緋の烏瓜二つ三つ

秋の雨10/1

手をつなぎ団栗山へどんぐりを
ジンジャーやそぼ降る雨の庭灯す
本を読む外は終日秋の雨