蚕豆5/30

蚕豆の甘く炊かれて草津の湯
おつまみの蚕豆茹でて夕餉かな
庭先に真っ赤な苺熟れており

夏霞5/29

相模湾初島遠く夏霞
さ緑の鐘を揺らせて宝鐸草
走り梅雨上がりて空の青眩し

紫陽花5/27

紫陽花の色見せ雨の停車場
竹の皮脱ぐ竹林の色となり
走り梅雨友と語らう湯の宿に

竹が皮脱ぎ竹林の色となる（正子先生添削）

緑陰5/25

公園の母子は砂場緑陰に
散歩道緑の陰に沿い歩き
はたた神犬は尾を下げ竹薮に

夏場所5/23

夏場所や新大関の初賜杯
糠漬けの胡瓜さくりと母の味
冷素麺孫のお椀は温めて

百合5/22

庭の百合すらりと立ちて蕾み付け
青空に残りの梅の実を数え

芭蕉記念館
芭蕉翁愛でし石の蛙の鎮座まし

鞘豌豆5/20

今朝摘みし鞘豌豆のしゃきしゃきと
風薫るチャイムを鳴らし孫の声
夏燕飛び交う道の牛の声

五月富士5/18

芭蕉庵大川端の五月富士
五月雨や上り下りの航の跡
白牡丹青には染まぬ色をみせ

深川清澄庭園5/17

己が影水面にあずけ黄の菖蒲
五月雨や写生する人四阿に
夏ツバメ青に染まりし水面きる
青葉影石仏群の鎮座まし
泉水の水面乱れる五月雨
古池の句碑を守って紫蘭咲く

風薫る5/15

風薫る雑木林に我を置く
風透る雑木林の二輪草
萩芽立ちすくすく伸びて今日の月