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地名アラカルト

各地の難読地名や珍しい地名についての由来やエピソードなどについて調べてみたいと思います。

難読駅名を楽しもう  いくつ読めますか 平城山,野馳,上道,文挟,榎井

2016年10月14日 11時44分36秒 | Weblog
 ①木上  くま川鉄道 湯前線。熊本県球磨郡錦町木上。
②平城山 (JR西日本)関西本線。奈良市佐保(さほ)台(だい)一丁目
③真布  (JR北海道)留萌本線。雨竜郡沼田町(ちょう)真布
④和寒  (JR北海道)宗谷本線。上川郡和寒町(ちょう)北町
⑤木次 (JR西日本)木次線。島根県雲南市木次町里(さと)方(がた)。
⑥野馳  (JR西日本)芸備線。岡山県新(にい)見(み)市哲西(てつせい)町畑木
⑦別当賀 (JR北海道)根室本線(花咲線)。根室市別当賀
⑧上道 (JR西日本)山陽本線。岡山市東区中尾
⑨文挾  (JR東日本)日光線。栃木県日光市小倉。
⑩榎井    高松琴平電鉄 琴平線。香川県仲多度郡琴平町榎井



読みと由来等

 ①きのえ 球磨川流域にあり,木材の河川輸送に関係ある地名か。Kinoue→kinoe uの略か。

②ならやま 京都府との境にあり,草木を踏み平(なら)した所を意味する説や樹名の楢に因む説があるという。なお,近鉄京都線の平城駅(奈良市山陵町宮の前)は平城城に由来し「へいじょう」と読む。

③まっぷ アイヌ語由来であるが,未詳。

④わっさむ アイヌ語「ワッ・サム」(ニレの木の傍)の転訛という。

⑤きすき 来次神社に由来。「次」の「す」で始まる語彙に歴史用語の次官(すけ,律令制官職の四等官の第2 位の官)がある。

⑥のち 旧阿哲郡野馳村名(明治22~昭和30)から。馳は御馳走(ごちそう)の馳。
⑦べっとが アイヌ語「ペッ・ウッカ」(川の・浅瀬)の転訛という。地名は「べっとうが」と読む。地名と駅名の読みが異なるのは語呂の関係か。

⑧じょうとう 駅開設は昭和61年11月。旧上道郡上道町(昭和28~46)に因む。「みち」を「とう」と清音で読む所は少ないようである。なお,JR境線の上道駅(鳥取県境港市)は「あがりみち」と読む。

⑨ふばさみ 駅名は駅に近接する文挾町による。文挾は道の両側が小さな高台に挟まれたような地形をさす地形語に由来か。また,例幣使(れいへいし,例幣をささげるために遣わされる勅使)が日光東照宮へ行くとき,文挾(勅旨を納めた木箱)を掲げて先導したことに因むともいう。駅の左側に旧例幣使街道がある。県内には同地名がある(塩谷郡高根沢町文挾 ,河内郡上三川町上文挾)。姓氏あり。

⑩えない 江内とも書いた。江戸期からみえる地名。


注)『難読駅名を楽しむ,和食,糒,飯給は何と読みますか』(筑波書房)参照    


難読駅名を楽しもう   幾つ読めますか

2016年10月14日 11時26分32秒 | Weblog
①麻生  札幌市営地下鉄 南北線。北区北40条西5丁目。
②栄生  (名鉄)名古屋本線 。名古屋市西区栄生二丁目。
③雄信内 JR宗谷本線。天塩郡幌延町(ちょう)雄(ゆう)興(こう)字雄信内
④名手   JR和歌山線。和歌山県紀の川市名手市(いち)場(ば)。
⑤榛原  (近鉄)大阪線。奈良県宇陀(うだ)市榛原萩原。
⑥築城  (JR九州)日豊本線。福岡県築(ちく)上(じょう)郡築上町東築城
⑦厚東  (JR西日本)山陽本線。山口県宇部市吉見
⑧西新   福岡市地下鉄 空港線。福岡市早良(さわら)区西新2丁目。
⑨安栖里 (JR西日本)山陰本線。京都府船井郡京丹波町(ちょう)安栖里
⑩結崎  (近鉄)橿原(かしはら)線。奈良県磯城(しき)郡川西町(ちょう)結崎

読みと由来等

①あさぶ かつてこの地に北海道初の亜麻工場があったことに因むという。生を”ぶ”と読む駅名には,「丹生」(にぶ,JR高徳線,香川県),「埴生」(はぶ,JR山陽本線,山口県)などがある。なお,札幌市の隣の江別市には,函館本線の大麻(おおあさ)駅(大麻中町)がある。明治26年入植者がこの地で麻の栽培を始めたという。

②さこう 狭所(さこ),または湿地・砂地を意味する砂古・砂子に由来するという。これに好字の「栄」を用いたともいわれる。 栄を「さ」と読む漢字には,栄螺(さざえ,海産の巻貝)がある。「生」を”う”と読む駅名には,「石生」(いそう,JR福知山線,兵庫県),「狩生」(かりう,JR日豊線,大分県)などがある。

③おのっぷない アイヌ語「オ・ヌㇷ゚・ウン・ナイ」(川尻に原野のある川)が「o-nup-nai,オ・ヌㇷ゚・ナイ」になり,これに漢字を当てたという。

④なて 『和名抄』に那賀郡名手郷とみえる。由来等は不明。

⑤はいばら 諸説がある。①萩の生育していた地域。②葉イバラと称する蔓イチゴが生育していた地域。③榿(ハリノキ,別名ハンノキ)の生育していた地域。
④榛(ハリ,ハンノキ)の木を伐採して開墾された地。榛は国訓。”榛”の付いた地名に群馬県榛名(はるな)町や,榛名山(さん),榛名湖がある。

⑥ついき 『和名抄』の筑城郡搗木(ついき)郷の転訛とも,上代の山城のあった地から「築城(ツキキ)」の転訛(吉田茂樹『日本地名語源事典』)ともいう。
旧築上郡築城町。

⑦ことう 「厚狭(あさ)郡の東部」の意の旧厚東村名(明治22~昭和29)から。かつては中世の豪族厚東氏の本拠地。”厚”を「コ」と読む地名は殆どないようである。

⑧にしじん 福岡城下の西に新しくできたことに因むともいう旧早良郡西新町名(明治22~大正11)による。”新”を「ジン」と読む地名はほとんどないようである。

⑨あせり 栖(せい)は棲と同字で住むの意。安らかに住める地の意か。また,由良川の川水で土砂がせり(セリ)あげられ,集(ア)まった土地ともいう。

⑩ゆうざき 「ユフ(木綿)」(楮<こうぞ>の木の皮をはぎ晒<さら>したもの)と関係があるのかもしれない。楮からは繊維をとって織物を作る。類似駅名に「結城駅」(ゆうき,茨城県結城市)



注)『難読駅名を楽しむ,和食,糒,飯給は何と読みますか』(筑波書房)参照    




















京都の難読地名・珍しい地名

2016年10月14日 10時03分19秒 | Weblog

千年の歴史を有する京都は行政の効率化等から呼びかけた町名の整理統合などに抗してきたため,伝統を誇る由緒ある町名が多く残っており,いにしえに想いを馳せることができる。
町名の中には,難読町名や珍しい地名も少なからずある。そこで,代表的な地名についてみていくこととする。

・艮町(うしとらちょう)<下京区> 西本願寺の寺内で最も早くできた町の一つ。町名は寺内の艮(北東)にあたることに由来するという。
・靱屋町(うつぼやちょう)<上京区> 靱(うつぼ)師(し)喜兵衛・勘左衛門が住んでいたという。靱師とは,矢を入れて肩や腰に掛け,携行するための用具を作る職人のこと。*岐阜市にも靱屋町がある。これに関連して,茨城県鹿島郡鉾田町安(あん)房(ぼう)靱負は「ゆきい」,埼玉県比企郡小川町靱負は「ゆきえ」と読む。
・蛭子町(えびすちょう)<上京区> 「夷」とも記された。蛭子(恵比寿)や大黒(大黒天)などが祀られたこに由来する。
・役行者町(えんのぎょうじゃちょう)<中京区> 祇園祭山鉾の一つ,役行者山(やま)に由来するという。役行者は修験道の開祖で,自らの修行だけに止まらず, 民衆の中に入って医療などにつとめたという。
・大炊町(おおいちょう)<中京区> 大炊御門の南にあることにちなむという。同区に西ノ京大炊御門町と 西ノ京南大炊御門町がある。同名地名に鳥取県八頭郡若桜町大炊がある。炊を「い」と読むのは「すい」の前略か。
・傘鉾町(かさぼこちょう)<下京区> 祇園会に傘鉾を出していたことから,命名されたという。
・鐘鋳町(かねいちょう)<東山区> 大仏殿の鐘を鋳造する場所の跡地であったことにちなむといわれている。鋳は鋳形(いがた)や鋳物(いもの)と同じ「い」をあてたものと思われる。
・金吹町(きんぶきちょう)<中京区> 金属を冶工する金座や銀座があったという。
・皀莢町(さいかちちょう)<上京区> 豆科の植物の「皀莢」があったからという。
・西東町(さいとうちょう)<上京区>  同じ上京区に東西(とうざい)町がある。
・社家長屋町(しゃけながやちょう)<上京区> 
・俊成町(しゅんぜいちょう)<下京区> 
・葛籠屋町(つづらやちょう)<下京区>・都市町(といちちょう)<下京区>
・蟷螂山町(とうろうやまちょう)<中京区> 
・木賊山町(とくさやまちょう)<下京区>
・百々町(どどちょう)<上京区>
・椥辻(なぎつじ)<山科区>
・廿一軒町(にじゅういっけんちょう)<東山区>
・納所(のうそ)<伏見区> 多数あり