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地名アラカルト

各地の難読地名や珍しい地名についての由来やエピソードなどについて調べてみたいと思います。

難読駅名を楽しもう  いくつ読めますか 彼杵,母野,勝原,神田,朽網,銀山町

2016年10月10日 13時14分01秒 | Weblog
①高原 (JR九州)吉(きっ)都(と)線。宮崎県西諸県(にしもろかた)郡高原町(ちょう)西麓(にしふもと)
②唐櫃台 神戸電鉄 有馬線。神戸市北区唐櫃台二丁目
③彼杵 (JR九州)大村線。長崎県東彼杵郡東彼杵町(ちょう)蔵本(くらもと)郷(ごう)
④母野  長良川鉄道。岐阜県郡上市美並町上田
⑤勝原 (JR西日本)越美北線。福井県大野市西勝原
⑥神田  松浦鉄道 西九州線。長崎県北松浦郡佐々(さざ)町(ちょう)皆(かい)瀬(ぜ)免(めん)
⑦日出谷 (JR東日本)磐越西線。新潟県東蒲原郡阿賀町日出谷
⑧朽網  JR日豊本線。福岡県北九州市小倉南区朽網東一丁目
⑨銀山町(電停) 広島電鉄。広島市中区幟(のぼり)町
⑩三溝   アルピコ交通上高地線。長野県松本市波田(はた)三溝


読みと由来等


①たかはる 高千穂峰の高天原(たかまがはら)神話に関連するのではないかという。

②からとだい 神功皇后が朝鮮半島から持ち帰った甲胄を石櫃に入れてこの地に埋めたという伝承に因む。標高309m。

③そのぎ 彼は「カノ」の変化か。杵は「キネ」の略転訛か。昔,目じるしになる巨木があり,「その木」といえばわかるからともいう。彼杵は難読のためか,インターチェンジ名は「東そのぎIC」となっている。

④はんの 保野の転で,五戸を一保とする「保」という集落が所有していた原野に因むともいう。母を「ハン」と読む地名は他にないようである。

⑤かどはら 九頭竜川が大きく曲がったところに位置。「かつはら」の転訛か。勝を「カド」と読む地名は他にないようである。

⑥こうだ 駅名は近くの神田免(めん)から。神田は郷社三柱(みはしら)神社が領有する田に由来するのではないかという。なお,神田の地名には,かだ,しんた,じんだ,じんで,しんでん,かみだ,じんでん,かんだ等の読み方がある。

⑦ひでや 阿賀野川中流域。戦国期からみえる地名。なお,(JR九州)日豊本線の日出駅(大分県速見郡日出町)は「ひじ」と読む。

⑧くさみ 景行天皇が土蜘蛛(大和朝廷に服従せず異民族視された民の呼称)を討伐する際,葛の網を敷いたが,それが朽ちたという伝承に因むという。

⑨かなやまちょう 由来等不明。銀は「しろがね」の「かね」の変か。

⑩さみぞ 梓川上流右岸の河岸段丘上に位置し,集落の北にある神林・和田・新村の3つの溝に因むという。


(注)『難読駅名を楽しむ,和食,糒,飯給は何と読みますか』(筑波書房)参照    

難読駅名を楽しもう 幾つ読めますか 富野荘,馬立,池戸,小奴可,旅伏

2016年10月09日 15時06分13秒 | Weblog
①八家 山陽電鉄本線。兵庫県姫路市八家前浜
②興戸 (近鉄)京都線。京田辺市興戸。
③富野荘  (近鉄)京都線。城(じょう)陽(よう)市枇杷(びわ)庄(のしょう)鹿(か)背(せ)田(だ)
④馬立    小湊鉄道。千葉県市原市馬立。
⑤天和  (JR西日本)赤穂線。兵庫県赤穂市鷆(てん)和(わ)字苗座
⑥池戸  高松琴平電鉄 長尾線。香川県木田郡三木町(ちょう)池戸
⑦恩智 (近鉄)大阪線。大阪府八尾市恩智中町(まち)一丁目
⑧小奴可 (JR西日本)芸備線。広島県庄原市東城町小奴可
⑨明科  (JR東日本)篠ノ井線。長野県安曇野市明科中川手
⑩旅伏  一畑電車 北松江線。島根県出雲市西代町


読みと由来等


①やか 昔8軒の家が当地の発展に寄与したからとか,中世後期に当地の領主が家臣8人に付近一帯の海上を警備させたからなどの説がある。

②こうど 酒造りの呼称「さかうど」の「さ」の省略説などがあるという。興は呉音。*副駅名は同志社前。

③とのしょう 旧久世(くぜ)郡富野荘村名(明治22~昭和26)から。同村は冨野(との)村,枇杷庄村,観音堂村が合併して成立。駅のすぐ近くに富野の地名がある。“富”を「と」と読む地名は少ない(富山県,石川県羽咋郡の旧富来<とぎ>町,兵庫県尼崎市富松町)。

うまたて 古代の駅(うまや=旅人用に馬や人足などを備えたり,宿を設けたりしてある所)または馬牧と関連があるのではないかとみられるという。同地名が兵庫県たつの市新宮町や愛媛県四国中央市新宮町にある。

⑤てんわ 真木村と鳥撫村が合併して誕生した新しい村の名前を「真」と「鳥」の二文字をあわせ,さらに両村が和すことを願い鷆和村とした。当駅の所在地はこの名残の鷆和であるが,漢字が難しいため駅名は天和駅とされた。地名の鷆和も「天和」と表記されることが多い。なお,鷆の字義は「よたか」(夜行性の鳥)。
⑥いけのべ 天水に恵まれない地域なので,住民(戸)が共同で池を掘ったことと関係があるのかもしれないともいう。“戸”を「へ」と読む地名には,静岡県沼津市戸田(へだ=旧田方郡戸田村),山口県徳山市戸田(へた),大分市上(中・下)戸次(へつぎ)などがある。

⑦おんぢ 駅の東方にある恩智神社名に由来。

⑧おぬか もと「奴可部(ヌカベ)=ヌカタベ(額田部)」の地で,小は美称ともいう。

⑨あかしな 犀川と会田川の合流点付近に位置。赤土の段丘地形に由来するという。科(シナ)は信州特有の言葉で,埴科(はにしな)郡,立科(たてしな)町,蓼科(たてしな)山,大糸線豊科駅(とよしな,安曇野市豊科)などがある。

⑩たぶし 駅の西方約2kmにある旅伏山(421m)に由来。


(注)『難読駅名を楽しむ,和食,糒,飯給は何と読みますか』(筑波書房)参照