今朝、何気に付けたテレビで渥美清の特番のようなものをやっていた。
前にも書いたけれど、なんだかんだ言って、映画を見て衝撃というかカルチャー・ショックを受けたのは「寅さん」くらいかもしれない。なんて書くと、芸術を外して庶民的なものを語る的な、よくあるパターンに見られるかもしれないけれど、これは本当にショックだった。映画そのものというより、映画館に見に来ているお客さん一人一人の中に「寅さん」という人格が、かなり現実に近い位置で存在している事に本当に驚いた。正にカルチャー・ショック。僕は「寅さん」が生存中に、映画館に見に行けた事を本当に幸運に思う。僕と同じくらいの世代で、若い頃にわざわざ「寅さん」は見に行かない。僕もたまたま連れて行かれただけ。「寅さん」だけは劇場で見て来ていない人には理解出来ないと思う。だいたい世界を見渡して、「寅さん」のように人格を作り上げた映画なんて他に存在するのだろうか?
劇場で観るまで「寅さんなんて」と僕もどこかバカにしていたけれど、それ以来かなりの角度で見方が変わった。DVDが見たくなってきた・・・。
もう一つ、仏像の「模刻」の事を変えたチャンネルでやっていて、古い仏像などの複製を「模刻」というらしいのだけど、「模刻」は「複製」や絵画で言うところの「模写」の事ではないらしく、「模刻」とは魂をも写し取る事らしい。なるほど。