辞書引く日々

辞書が好きなのだ。辞書を引くのだ。

怒りの柏餅

2006年05月04日 | 言葉
端午の節句ということで、柏餅を買う。

柏の葉が、やけに緑色だと思ったら、木から取ってきたまま葉を餅部分にまいただけである。おかげで餅の部分に、葉っぱの青臭さが移っただけで、柏餅の匂いとはほど遠いのだ。

これには閉口した。ほとんど、詐欺である。大いに驚き憤概した次第である。名古屋には柏餅を食う習慣がないのであろうか。こんなものは柏餅ではない。みんなこんなものを柏餅だと思っているのであろうか。残念である。

さて憤概のあまり、みんなが大好きな広辞苑とかいう辞書を引いてみる(第4版)。

「円形の扁平状のしんこ餅を二つに折り、中に餡を入れて、カシワの葉で包んだもの。五月五日の節句の供物とする」

とある。なるほど、これでは柏の葉をただ餅に巻けばいいようである。これではいかんと思い、「大言海」を引く。

「しんこノ餅に餡ヲ包ミテ、又、枯ラシタル柏ノ葉ヲ二ツ折リニシテ、包ミテ蒸シタルモノ。端午ノ節句ノ節物トス」

そうだよ。これだよ。「枯らしたる柏の葉」&「蒸したる」ってとこが大事なのだ。そうでなくては、柏餅の匂いなど出ないのだ。
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
怒り (YT)
2006-05-05 12:26:01
そういえば、スーパーなんかに売つているやつだと変なかんじのがありますねえ。たしかに怒りを感じるねえ。
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Unknown (カビパン男)
2006-05-06 12:58:37
そうか。私はそれをスーパーで買ったのだが、ようするにスーパーで買ったというのが悪かったのだ。べつに名古屋のせいではなかったのだなあ。なんだか腹を立てたのが恥かしいよ。
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