辞書引く日々

辞書が好きなのだ。辞書を引くのだ。

「おめでとう」ってなんだ

2009年12月21日 | 言葉
そろそろ年賀状を書く季節になった。とうぜん、
「あけましておめでとう」とか「謹賀新年」とか書く。

しかし「おめでとう」って何だ?と、ふと、考えてしまった。
「たのしいお正月を過ごしてね」というのとは少し違うぞ。

たとえば、志望校に落ちて、不本意な入学を果たした人がいたとする。
「よかったね」と言うと、「それ、がじつはナ……」とつながるかもしれない。
でも「ご入学おめでとうございます」だと、「こん畜生」と思いながら、
「ありがとうございます」と言うしかない。

あまり好きでない相手と結婚することになった人がいたとする。
これを知った友人は、なにがなんでも「おめでとう」で押し通すしかない。
本人は心中泣きながらでも「ありがとう」と答えるしかない。

「おめでとう」というのは、何か有無を言わせぬものがある。
本人のハッピーさとは何の関係もない、儀式的な神聖さがあるのかもしれない。

などと考えているうちに、今年も年賀状を書かぬまま年末になってしまいそうな予感がする。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« サンタクロースっているの? | トップ | 怪奇小説 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

言葉」カテゴリの最新記事