辞書引く日々

辞書が好きなのだ。辞書を引くのだ。

怪奇小説

2010年01月17日 | 言葉
最近いわゆる怪奇小説ばかり読んでいる。

怪奇小説という言い方じたい古くさいが、実際読んでいる小説も古くさい。
ファンタジーでもホラーでもなくて、やっぱり怪奇小説である。

具体的にいうと、ラヴクラフトとか、M.R.ジェームズとか、アーサー・マッケン
とか、そのあたりである。もっと古いバリバリのゴシック小説にも挑戦中だ。

何が魅力なのかというと、けっして「怖い」からだけではない。
そもそも私はあまり想像力のない人間なのか、それほど「怖い」と思わない。

幸田露伴は、小説というのは「興」であるというようなことを言っていたと
思うが、怖い小説に独特の興がある。

もっとも、それがどういう「興」なのかということになると、
ちょっとうまく説明する自信がない。

怪奇小説を料理にたとえるなら、香辛料きつ目の退屈しない料理か。

辛さに慣れていないと、辛い料理はただ「辛い」だけである。
辛さに慣れてくると、辛さの中にさまざまな味わいがある。

「怖さ」に慣れていないと、怪奇小説は怖いだけである。
怖さに慣れてくると、そこにさまざまな興がある。

そして、クセになるという点においても、怪奇小説とエスニック料理は
似たところがある。
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