辞書引く日々

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Thunderbird の複数アカウント設定がわかりにくいというメモ

2008年09月06日 | 言葉
Thunderbird で複数のメールサーバを利用せむとするときに、いくらか悩んでしまったのでメモしとこう。

ようするに、プライベートで使っているメールサーバーからダウンロードしたメールと、仕事で使うメールを、完全に分けて保存したいのである。つまり、それぞれ別の「受信トレイ」を持ち、それぞれが別のゴミ箱を持ち、別の送信済みフォルダを持つやうにしたいのである。

こんな簡単なことで、どこをいじったらよいのか、しばらく考えこんでしまった。ユーザー・インターフェイスというやつは、どうしてこうアプリケーションによって考え方が違うのかなあ。で、手続的なことはさておき、概念的な方面からメモしてみむ。

Thunderbird において、各メール・アカウントは、原則として(あくまでも原則でありデフォルトではない)
(a)「サーバーのアドレス、ログイン名やパスワードといった情報の集合体」
であり、基本的には
(b)「各アカウントは、それぞれに独自に、受信トレイやゴミ箱のセットを持つ」
ものらしい。

ところが、この簡単な原則は、霞がかかったように見えにくくなっている。

最初から特別なアカウントが存在し、これが「ローカルフォルダ」と呼ばれている(フォルダという名前であるが、あくまでもアカウントである)。その名前から推測できるとおり、このアカウントは、(a) の情報を持たずに、(b) の構造だけ持つという変わり種である(だから、これをフォルダと名付けているのだろうが、あくまでもアカウントである)。

何も考えないで、アカウントを追加すると、そのアカウントについて、(a) の設定だけがなされ、(b) はあらたに作成されない(デフォルトが「原則」に則っていないのである)。そして、そのアカウントでダウンロードされたメールや、そのアカウントでの送信済メールは、先ほど述べたローカルフォルダというアカウントに保存されるよう変則的に設定される。

これを、一つの(a)に一つの(b)という原則に戻すためには(それこそが私のやりたかったことだ)、そのアカウントの設定において「サーバ設定」の「詳細」を選択し、「新着メール」を「このサーバアカウントの受信トレイ」に保存するよう設定しなおす必要がある。なお、送信済みメールの保管場所なども、別途「コピーと特別なフォルダ」というところで設定してやらなくてはならぬ。

ユーザインターフェイスの設計の難しいところは、「だれでもあれこれ試しているうちに、とりあえずはなんとか使えるようになる」という可能性を大きくしようとすると、デフォルトの設定が原則から離れて、また、設定のときに出会う用語が実体とかけはなれてくる(ローカルフォルダという名前のアカウントなんて変だ)ところにあるんじゃないかなあ。
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