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表参道ヒルズ

2006年02月12日 | Weblog
今日は、昨日オープンしたばかりの表参道ヒルズに行ってきました。
はりきって11時に現地へと向かったものの、すでに入場規制…。

でも10分ほど待つと中へと入ることができました。
ところが…。

店内は予想通りの人の波。

スロープで地下3階から地上3階までがつながり、中央の吹き抜けの空間がまた素敵だなぁ~と思いながらも、とりあえず今日は早めに退散することにしました。一つ一つのショップを見て回ることはできませんでしたが、私が気に入ったのは、やはり同潤会アパートの昔の姿がそのまま残っている、同潤館。

まさに新旧の融合。「あっ、本当にそのままだ!」とうれしくなり、そこにあった表参道ヒルズのグッズショップでお買い物。すごくかわいい小物が沢山ありましたよ☆

今日のメインイベントは、この表参道ヒルズをプロデュースした建築家 安藤忠雄氏の講演+シンポジウム。

表参道ヒルズ完成に至るまでの、居住者との必死のやりとりの数々を含め、ご自身がこれまで提案してきた建築アイデアと、それに対する反対勢力、それらとの闘いの軌跡、そして今、この日本において目指すべき建築の行方などなど。

45分という講演時間はあっという間に過ぎていきました。

この模様は3月上旬の朝日新聞で紹介されるようですが、その前に印象に残った内容を少しだけ紹介したいと思います。

それは熟年離婚について。
なぜ建築と熟年離婚!?!?と思うかもしれませんが、彼の考察はとっても面白いなぁと思いました。

まず女性は、常に精神的豊かさを求めて、ショッピング、映画鑑賞、芸術鑑賞、知人とのティータイムなどなど、好奇心旺盛に街へと繰り出す。特に子育てを終え、自由になった40歳~80歳の女性は、その傾向が強い。でも、仕事で忙しい男性は、平日にそのような余裕はなく、仕事が休みの週末になると、ひたすら家でのんびりしたり、睡眠を重視してしまう。結果として、「好奇心」が失われ、文化を楽しむ術を知らないまま、定年を迎えてしまう。

開放的に文化経験を積んできた女性と、それらを全く知らない男性が、男性の定年退職と同時に多くの時間を過ごすようになると、価値観の大幅なズレ(“文化格差”)を理由に離婚へと至ってしまう…。

安藤氏は、この文化格差をなくすための街づくりをしなければならない、と提案されていましたが、確かにこの分析は正しいかもしれないなぁと思いました。

だからこそ、若者化していた表参道に、沢山の熟年カップルが列を作っていたのはとても印象的で、今回の表参道ヒルズオープンをきっかけに、多くの男女にとって一緒に楽しめる空間がどんどん増えていけばいいなぁ~と実感しました。

安藤氏が力説する建築の公共性。
どうしても建築家は、個々の主張、新たなものへの挑戦へと走りがちだけれども、やはりこれからは、24時間開放型で、命あるモノ、次の世代の人々に何ができるかを考えたモノでなければならない、という想いが軸となっていましたが、これはどんどん高層ビル化し、そこにトータルコンセプトが消えてしまっている現状への問題提起だと思います。

ケヤキ通りが美しい表参道の町並みが、そのまま残されたのは、まさに「表参道」という街を愛し、この通りが持つ魅力を未来へと伝え残したいという、安藤氏の熱い想いがあったから。私はあらためて、安藤氏の街づくりに対する情熱と、建物の形ではなく、空間作りにおけるコンセプトを重視する姿勢に、感銘を受けました。

貴重なお話を聞くことができてよかったなぁ~。


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