S.T.E.P.22's BLOG

もっともっと多くの人に、S.T.E.P.22のこと、そこに関わるメンバーのことを知ってもらえますように…。

海外留学中の就職活動

2005年02月16日 | Weblog
目的を持ち、自分がやりたいことを模索しながら、学びたいことを最高の環境で学べる場所を求めて海外に旅立った人にとって、現在の日本における就職活動制度は大きなハードルになっているようです。昨日、ちょっとした相談を受けたことがきっかけで、このブログを書こうと思ったのですが、S.T.E.P.22のメンバーでアメリカに留学した奨学生も、留学することで得られる経験と、就職活動との両立に関して、出発前に話していたことを記憶しています。

外資系の企業や、ベンチャー系の企業では当然のように導入されている通年採用も、企業によっては「何のこと?」という状況。試験の度に帰国してその場に居合わせることが必須条件となることが少なくない上に、卒業の時期が日本の大学のそれと一致しない場合に、採用試験を受ける権利すら与えられないということもあるようです。

新卒採用の時期がどんどん前倒しになり、まだ何をやりたいのかといったことが煮詰まりきっていない状況で、とにかく闇雲に就職活動の流れに飲み込まれていく…そんな状況の中で採用された人材は、「やりたいことができるのはここではなかった」と入社してから気づき、入社まもなく退職を決意し、去っていく…。

それを「忍耐力がない」とか「最近の若者は…」と批判する人が多いけれど、そもそもの採用システムの中で会社自体が、「会社が提供できる職場環境や仕事内容」をはっきりと提示し、そのニーズに合う人材を採用しようとしているのかという根本的な問題があるのではないかと思っています。入社した人材が生き生きと仕事をすることができる、会社のニーズと採用試験を受ける側のニーズを一致させることができる、そんな理想的な採用形態をとっている会社ってあるのでしょうか…?

やりたいと思うことができると思って入社したのに、実際は全然違っていた。もしくは異動という形でその権利が奪われた…。エキスパートよりジェネラリストの方が「使い勝手が良い」というのは確かにそうでも、やはりエキスパートゆえの強みはあると思います。だからこそ、自分がエキスパート派なのか、ジェネラリスト派なのかを見極めたり、そもそも何をしたいのかを模索する時間を取ったりということが必要なのではないかなぁと実感しています。

だからこそ、様々な思いで海外留学している人にとって、より平等にチャンスを与えられる制度がさらに充実していけばいいのにと願うばかりです。

今日OG訪問を受けるのですが、会社について、あるいは自分の就職活動経験についてお話すると同時に、ぜひ彼女にも、今の私の思いを伝えられたらと思います。