聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

聖マリアンナ医科大学病院に勤める研修医たちの日々の情報をリアルにお届けいたします。

指導医徒然日記 ~この臨床研修で修得するもの~

2008-04-27 22:45:45 | Weblog
確かにこの臨床研修において診療技術を身に付けることは大切です。
多くの臨床研修病院で短いこの2年間でなんとか一人前にしようと、多くの臨床指導医が診療技術を修得させるべく、奮闘しています。もちろん研修医の先生もやはりたくさんの技術を身に付けようと必死になっています。
その上、この過程は医療上安全を十分に確保された上でなければならず、困難を極めています。非常によくわかります。大変ですから。
もちろん聖マリアンナ医科大学でも同じことが日々繰り返されています。でも、私たちが気をつけていることは、研修医の精神的・肉体的な負担感をやみくもに増やして潰れさせてしまうことなしに、十分なメンタルサポートを行いながら、かつ自己学習方法と問題解決能力を同時にいつの間にか身に付けさせることで、プロ意識を高めながら一人ひとりの修得スピードに合わせて、診療技術を身に付けさせようとするものです。
たとえば診療において知識は非常に大切です。いつの時代も勉強。いくつになっても勉強。でも勉強方法は?と言ったら、個人個人で違うのは当たり前です。病気は同じでも、患者さん自身も違えばその経済的背景も心理的背景も社会的状況も異なります。その1例1例の患者さんに合わせて問題を共有し、解決していくのが、医師の仕事であるなら、病気を覚えることより、患者さんの診かたやその背景に合わせてベストな治療法を提示していくための方法・手段を見いだすことが必要です。
そのために常に1例1例を振り返りながらその手法を身に付けていくべきです。
診療技術はそのために必要なツールに過ぎません。
多くの臨床研修病院はまず診療技術を修得させて、その技術をもってから3年目以降に個々に症例を経験しながら振り返りの重要性を身をもって体験して生きなさいということなんでしょう。
でも聖マリアンナ医科大学は違います。
3年目以降に振り返りの重要性を知らないまま経験を増やしていくよりも、今のうちに振り返りを促されていつの間にかそれが普通のこととして実践できるようになることで、3年目以降より一層医師としていち早く独り歩きできるようになると信じているのです。
これが、今の医学生には今更机上の勉強?それより臨床での実践というイメージにつながるのかも知れません。
でも英会話を考えてみてください。いくら駅前留学(今は死語ですか?)して、そこでいくつかの会話のパターンを覚えてみてもなんだかもの足りず実際に役立たない。そんな手法よりも、話しながら経験しながらすぐにフィードバック受けて、自分で考えて違う表現をしてみる英会話が結局力がつくのと一緒です。
なんて書いてみたところで実際の研修の現場を見てもらわないと伝わらないですよね。
というわけで、ほんと、病院見学お待ちしてますよ~。

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