聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

聖マリアンナ医科大学病院に勤める研修医たちの日々の情報をリアルにお届けいたします。

定期的な振り返りを促すために

2011-09-17 20:39:33 | Weblog
聖マリのポートフォリオ作成において
テューターによる定期的な読み込みと面談は研修に何らかの影響を与えているのか?
是非検証すべき事案です
DavisによるPortfolio assessment(2005年)によれば
研修医が評価されることがわかっていてわざわざ自分の弱みを明らかにするか?
プライバシーの問題はどうか?
そのポートフォリオは本当にその研修医が作ったのか?
なにしろ時間がかかる
挟み込まれる証拠は膨大な量の紙となる
またきちんとした指標がないと読み込む不慣れな指導医によって評価が影響される
などなど
その課題は指摘されています

聖マリの検討では
指標を設けることで一定の質を保ったポートフォリオとなり
ある基準を満たしたポートフォリオは
その振り返りの程度によって善し悪しが評価されており
きれいな字であるとか見た目では評価を受けていないことがわかっています
さらにある水準のポートフォリオを用いて
評価の訓練を行うことで指導医の質も担保されることがわかってきています

このようなポートフォリオを定期に読みこなすことで
研修の進捗状況が把握でき
メンタルサポートや研修の目標の到達度や修正も容易になると思われます

やはりテューターとともに作成するのが望ましいようです
これを証明するにはコントロール群が必要なのかも知れません

さて
多摩病院では2ヶ月ごとに
研修診療科が変わるたびに担当テューターによる読み込みを行っています
これが今後どのように影響していくのか興味が尽きません
少なくとも
例年と比較して非常に分厚いポートフォリオとなっており
その内容も多岐にわたっていて
興味深いものになっているということだけは
指導医のひとりとしてよくわかります

ぜひ続けていきたいと思ってます

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