聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

聖マリアンナ医科大学病院に勤める研修医たちの日々の情報をリアルにお届けいたします。

指導医愚痴日記 ~医師の養成における基準~

2011-08-24 11:32:33 | 指導医日記
医学教育学会の学会誌に医師の障害教育制度における世界の潮流の記事があった
日本では医師会が中心に独自に自主的な生涯教育を行っている
もちろん学会ごとに専門医の更新制度はあるけど
ちょっと意味合いが異なる
生涯にわたって医療の質を担保するためにも
今後はもっと整備されていかないといけないってまとめられてます

コラムでは医学教育の世界基準について書かれていました
最近呼んだ教育学の書籍でも
日本における大学教育のことを学んだばかりだったので
興味深く読みました

医師養成におけるドイツ式と英国式の考え方
どちらがいいというのではなく
これを機会に日本における医学教育の流れを認識しつつ
それぞれの臨床研修病院が研修医をどう養成するか考えていく必要があるな~って感じました

ここ聖マリアンナ医科大学にも
当然ながらドイツ式のアカデミズムがあり
さらに
臨床医としてのプロフェッショナル養成が求められています

この2つの流れがあること自体が日本の特色と受け止めざるを得ないように思います

大学卒業時に求められる修了判定の基準と
研修修了時に求められる修了判定の基準

ともに社会から求められる医師としての規準(クライテリオン)は
卒業前はモデルコアとして文科省より示されています
そして卒後は厚労省より到達目標として示されています
これを具体的な量的・段階的な基準(スタンダード)として大学ごとに示すことが必要で
これが各大学や臨床病院に委ねられているんでしょう

まだまだアウトカムというものが十分に認識されないために
どうしてGIO(一般目標)やSBO(行動目標)ではいけないんだって意見が根強い
GIOやSBOがいけないのではなく
それで表現しようとすると膨大な項目を羅列しなければならず
評価方法もそれに合わせて膨大な評価を行う必要性が生じてくる
まして医学生や研修医は
これとこれを修得すればいいんですよねって誤解してしまう
決して能動的には学習するようにはならない

そこに無理が生じると感じたからアウトカムから考えようという発想になった

アウトカムとは最終的な目標
こういう医者になってくださいってことですね

その最終目標アウトカム自体も学習者である医学生や研修医にもきちんとわかってもらって
そこに向かって能動的に学習してくださいっていうのがアウトカム基盤学習

そうなると具体的な量的・段階的な基準(スタンダード)にも
思考力や判断力といった高次な目標を質的に表現せざるを得なくなったので
これをルーブリック(評価指標)であらわそうって流れになっているんだなって
近頃なんとなく理解できるようになってきました

なぜそれが愚痴になるのかっていうと
う~ん難しい話なのです

組織とかいろいろ大人の世界は何かと大変なのです

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。