第158回芥川賞受賞作品『おらおらでひとりいぐも』2018、平成30年1月
この東北弁の言葉がおもしろい
夫が青森生まれで18歳までこの東北弁で育ってきたので、ワタシも少しは聞き分けられる
「じょっぱり」とか「かちゃくちゃねえ」とか「ほいどのかくまき」など・・・面白い言葉がいっぱいある
この本を読んでいても言葉の面白さと同時に、東北弁をオブラートのようにして本音を包み込んで柔らかく伝えていて、だから東北弁で綴っているのですかね?
宮澤賢治の書籍に「Ora Orade Shitori egumo」の言葉があって、1人で死にゆくような意味合いらしい(ネット検索)
主人公の桃子さんは74歳の1人暮らし
夫との突然の死別
その辛い日々を過ごすうち、心の中から別の世界があると感じさせる声が次々と聞こえてくる
その自問自答が深くて、ワタシなんか日々をただただ流されて過ごしているが、桃子さんに『ぼーっと生きてんじゃねーよ!』と言われそう
高度経済成長期に東北から上野に上京し、住み込みで働きながら夫となる周造と出会う
息子と娘に恵まれて新興住宅地に住み・・・・・と典型的な昭和の時代と平成の今
そして周造さんの突然の死
子供たちは独立、しかしあまり交流が無い
振り込め詐欺にあったりしながらも、可もなく不可もなくの老後の気楽な1人生活(介護に悩まされる訳でもなく、孫は1人でバスに乗ってやって来るし^^v)
最後の孫の東北弁が楽しくて、ホッとする