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いちばんだいじ

日々の暮らしの中で、人生で。一番大事なこと、大事なモノを見つけるために

2度目のKISS

2006-05-22 23:44:21 | My Sweet Alligator
あの人と初めてKISSしてから。
会社へは、実は毎日のように行っていた。
送別会の未消化分があったから。
彼に逢うため、ではなかったけれど、結果として毎日逢えた
集合時間より少し早めに職場に行ったりして。
普通に電話をとったりもして。
彼の仕事の進み具合もチェックしたりして。
今までと変わらない、そんな日々を過ごしていた。

クリスマスにも、取引先がセッティングしてくれる送別会があった。
会社からは離れたところだったので、直接行く。
彼も来ることはわかっていた。
隣に座った
テーブルの下で手をつないだ。
ココで見つかるとヤバイという状況だったけれど、
ずっとつないでいた。
その日は、私だけ別方向で帰るので、現地で別れた。

次の日。
職場の同僚の社宅で、恒例の課の忘年会。
私ももちろん招待されている。
そして、彼も。
行く途中、「昨日、手に香水つけてたでしょ?ずっと匂いがとれないよ」
って言われちゃった。
会場に行く前に、デパートの香水売り場を見ていて、
とある香水を手首にちょっとつけたからだ。
その手をずっとつないでたから、そんなことに…。
でも、課の中では、さすがにあまり大っぴらなコトはできない。

そんな中でも二人で話す時間ができた。
仕事の話もしてたんだけれど、
その翌日にまた予定されている飲み会の話をしていて、
その後で彼と逢う約束をした。
飲み会は、私と取引先の担当者だけ。
早めにスタートするし、すぐに終われる。
彼は、仕事が終わってから寮に戻って、クルマで私を迎えに来る。
そんな約束を、他の人がいない間にさっさと決める。
何せ、の普及していない頃。
待ち合わせひとつするのも、大変だ。

そして。
予定通り、素早く飲み会を終わらせる。
彼との待ち合わせはホテルのロビー。
約束の時間より少し遅れて彼が来た。
クルマを停める場所が見つからなくて、困っていたらしい。
それから、夜のドライブ。
何も食べていない彼のために、まずは食事の出来る店に。
そして、近くの港まで行って、クルマを停める。
いつものように、他愛ない話をしていたんだと思う。

時間がかなりたってから、彼が言った。
「この前のこと覚えてる?」
KISSした日のことだ。酔って覚えてないんじゃないかと思ったらしい。
「覚えてるよ」
「ホントは、あの日言おうと思ってたんだよね」
「何を?」
「『KISSしていいですか?』って。
 だって、あの日が最後のチャンスだったから」
すごくびっくりした。
そんな風に思ってくれてたなんて。
雰囲気に流されてのことじゃなかったんだ。
彼自身、初めからそうしようと決めていたんだ。
今までの人生で一番、というくらいうれしかった
それなら言ってもらえば良かった。
彼の口から、その言葉を聞きたかった。

フト気がつくと、もうかなり遅い時間。
帰らなくちゃイケナイ。
クルマを出す彼。
運転しながら、突然、私の肩を抱き寄せた。
そして、2度目のKISS。
クルマ、動いてるっていうのに
そのあとも、ずっと肩を抱かれたまま、
私は彼にもたれかかっていた。
信号でとまったら、またKISS
今までずっと抑えてきた二人の気持ちが
やっと確認できた気がした。