成り行きの小旅行以来、あの人とはなかなか逢えなかった。
「今度は、朝早くから来ようよ」
砂浜でそう言っていたのに。
結局、逢えないまま9月になった。
どうしても逢いたくて逢いたくて、
彼が休日出勤のとき手伝ってあげることを提案した。
資料について、まだわからないことがあるというので、
それを説明してあげるという口実で。
とにかく、彼と一緒にいられるなら、
場所も時間もどうでもよかった。
休みの日でも、会社には結構来ている人がいる。
私が行くのは結構大胆?
でも、仕事を引き継いだ後輩のピンチを救うという
大義名分があるから
「辞めても大変だね」なんて言われたりして
彼は、本当に一生懸命やっていて。
「一緒に仕事したいな。やっぱり辞めるんじゃなかったな…」
ちょっと後悔したりもして。
説明がほぼ終わって、私の役目は一応終了。
もしかして、先に帰れとか言われちゃうかな。
突然、向かいのデスクで仕事をしていた彼が
黙ってメモを差し出す。
「何時まで大丈夫?」
他の人の手前、こそこそ話をするのもアヤシイし、
かといって大きな声でそんな話できないもんね。
「9時ぐらい」
こっそり答える。
てことは、このまま待ってて良いのかな?
彼の仕事が早く終わるように、
プリントアウトやコピーを手伝ったりする。
他の人とも久しぶりに話したり。
あまり手持ちぶさたにしてると、
いかにも「彼を待ってる」って感じになるから。
その間、仕事しながら彼が話してた。
結婚式の仲人を頼んでいる支店長に
二人のなれそめなどを書いて渡さなければいけないんだって。
その原稿?を見せてもらった。
「結婚って、いろいろ大変なんだね」
そうだよ。
ただの恋愛のとは違うんだよ
わかってなかったの?
仕事が終わった。
彼の目標時間より、意外とかかっちゃったみたい。
「お先に失礼します」
一緒に会社を出る。
そして、彼が車を停めている駐車場へ。
助手席に座る。
「遅くなったね。送ってくよ」
車は私のウチの方へ。
「なんかとんでもないデートになっちゃったね」
彼がつぶやく。
デートか。そう思ってくれてるんだ。
ちょっとうれしかった
そりゃ、もっと違う場所がよかったけどね。
帰り道は、有名なドライブスポットになっていて
山から見下ろす街の灯りを楽しめる。
「いつ見てもキレイだよね」
この道で何度か私を送って来てくれたことのある彼が言う。
そうだね。
子どもの頃から見慣れた景色ではあるけれど。
一緒にいると、私にとってはいつもの何十倍もキレイに見えるよ。
「今度はいつ逢えるの?」
一番聞きたいことを聞けないまま、
いつものように、さよならのKISS。
そして車を降りた。
「今度は、朝早くから来ようよ」
砂浜でそう言っていたのに。
結局、逢えないまま9月になった。
どうしても逢いたくて逢いたくて、
彼が休日出勤のとき手伝ってあげることを提案した。
資料について、まだわからないことがあるというので、
それを説明してあげるという口実で。
とにかく、彼と一緒にいられるなら、
場所も時間もどうでもよかった。
休みの日でも、会社には結構来ている人がいる。
私が行くのは結構大胆?
でも、仕事を引き継いだ後輩のピンチを救うという
大義名分があるから
「辞めても大変だね」なんて言われたりして

彼は、本当に一生懸命やっていて。
「一緒に仕事したいな。やっぱり辞めるんじゃなかったな…」
ちょっと後悔したりもして。
説明がほぼ終わって、私の役目は一応終了。
もしかして、先に帰れとか言われちゃうかな。
突然、向かいのデスクで仕事をしていた彼が
黙ってメモを差し出す。
「何時まで大丈夫?」
他の人の手前、こそこそ話をするのもアヤシイし、
かといって大きな声でそんな話できないもんね。
「9時ぐらい」
こっそり答える。
てことは、このまま待ってて良いのかな?

彼の仕事が早く終わるように、
プリントアウトやコピーを手伝ったりする。
他の人とも久しぶりに話したり。
あまり手持ちぶさたにしてると、
いかにも「彼を待ってる」って感じになるから。
その間、仕事しながら彼が話してた。
結婚式の仲人を頼んでいる支店長に
二人のなれそめなどを書いて渡さなければいけないんだって。
その原稿?を見せてもらった。
「結婚って、いろいろ大変なんだね」
そうだよ。
ただの恋愛のとは違うんだよ

わかってなかったの?
仕事が終わった。
彼の目標時間より、意外とかかっちゃったみたい。
「お先に失礼します」
一緒に会社を出る。
そして、彼が車を停めている駐車場へ。
助手席に座る。
「遅くなったね。送ってくよ」
車は私のウチの方へ。
「なんかとんでもないデートになっちゃったね」
彼がつぶやく。
デートか。そう思ってくれてるんだ。
ちょっとうれしかった

そりゃ、もっと違う場所がよかったけどね。
帰り道は、有名なドライブスポットになっていて
山から見下ろす街の灯りを楽しめる。
「いつ見てもキレイだよね」
この道で何度か私を送って来てくれたことのある彼が言う。
そうだね。
子どもの頃から見慣れた景色ではあるけれど。
一緒にいると、私にとってはいつもの何十倍もキレイに見えるよ。
「今度はいつ逢えるの?」
一番聞きたいことを聞けないまま、
いつものように、さよならのKISS。
そして車を降りた。