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いちばんだいじ

日々の暮らしの中で、人生で。一番大事なこと、大事なモノを見つけるために

2006-05-19 11:40:30 | My Sweet Alligator
あの人の手。
指が長くて、女の人みたいにスベスベしている。
でも、細すぎることもなく。
繊細な感じ。
足の指も、実は長い。

カラダはどちらかというとガッチリしているので、ちょっとアンバランス。
そこがいい。

初めて手をつないだとき。
送別会&忘年会の飲み会ラッシュの始まりで、
私はいきなり記憶を失うところまで飲んでしまった。
翌日。
「おまえ、ずっとアイツと手をつないでたよ」
上司に言われてしまった。
え?そういえば。
すぐ隣にいた彼の手を、いつの間にか握っていたような、かすかな記憶。
すごく安心できた。
彼はイヤじゃなかったのかな?
「仕方ないなぁ」って、甘えさせてくれていたのかも。

そのあとも、何度か飲み会の席で、彼と隣り合わせに座ることがあり、
お酒が入っているのをいいことに、
他の人がいるにもかかわらず、
テーブルの下でこっそり手をつないだりしていた。

あるとき、取引先の人たちとの飲み会で。
いつものごとく手をつないでいるのを
テーブルの下をたまたま覗いた人が見つけてしまった。
「あー、手つないでる~!」
もう2次会。メンバーも日頃から仲のいい人たち。
「酔ってるから仕方ないねぇ」で終わった。
それにしても、指摘されても手を離さなかった私たちは大胆だった?

職場最後の日の前日。
その夜も、また取引先を交えた忘年会。
もちろん送別会も兼ねてくれている。
1次会のあと会社へ戻ることにあらかじめ決めていた私と彼。
カバンだってオフィスに置いてきた。
が、2次会へ移動するとき、さすがにある意味主役の私が行かないのは
マズイかなという感じもあった。
ここは、こっそり抜け出さなくちゃ。
しかし、みんなが探しに来る。
どうしよう?
すると、同期の一人が「おまえら隠れてろ」。
「こっちにはいません」
そういって、逃がして?くれた。
どうして同期がそんなことをしてくれたのか、未だに謎なんだけど。
とにかく、そのおかげで彼と私は二人きりになることができた。

会社までは電車で戻るのがいつものことだったけれど、
「駅にいると見つかって連れ戻されるかも知れないし、
今日はタクシーで戻ろう」
彼の提案に従う。
まるで恋の逃避行!?

タクシーに乗っているときも、ずっと手をつないでいた。
二人でいられるのも、もう最後だなと思いながら。
彼の手は本当に温かかった。

会社のあるビルまで戻ったけれど、いつものように二人揃ってオフィスに戻り、
彼の残業の手伝いしたりする気分ではなかった。
それを察してくれた彼は
「もう上にあがらないでしょ?カバン取ってくるから待ってて」
一人でオフィスから二人分のカバンを持ってきてくれた。
そして、近くのホテルの最上階にあるバーへ。
大したことは話していない。
今日で終わり、とかそんな湿っぽいことも言わない。

明日もその後も、永遠にこの状態が続くんじゃないかと思ってしまうくらいに
いつも通りの二人だった。

ただ、帰らなくちゃいけない時間が迫ってくるのだけがコワかった。
そして、ついに…