あの人の手。
指が長くて、女の人みたいにスベスベしている。
でも、細すぎることもなく。
繊細な感じ。
足の指も、実は長い。
カラダはどちらかというとガッチリしているので、ちょっとアンバランス。
そこがいい。
初めて手をつないだとき。
送別会&忘年会の飲み会ラッシュの始まりで、
私はいきなり記憶を失うところまで飲んでしまった。
翌日。
「おまえ、ずっとアイツと手をつないでたよ」
上司に言われてしまった。
え?そういえば。
すぐ隣にいた彼の手を、いつの間にか握っていたような、かすかな記憶。
すごく安心できた。
彼はイヤじゃなかったのかな?
「仕方ないなぁ」って、甘えさせてくれていたのかも。
そのあとも、何度か飲み会の席で、彼と隣り合わせに座ることがあり、
お酒が入っているのをいいことに、
他の人がいるにもかかわらず、
テーブルの下でこっそり手をつないだりしていた。
あるとき、取引先の人たちとの飲み会で。
いつものごとく手をつないでいるのを
テーブルの下をたまたま覗いた人が見つけてしまった。
「あー、手つないでる~!」
もう2次会。メンバーも日頃から仲のいい人たち。
「酔ってるから仕方ないねぇ」で終わった。
それにしても、指摘されても手を離さなかった私たちは大胆だった?
職場最後の日の前日。
その夜も、また取引先を交えた忘年会。
もちろん送別会も兼ねてくれている。
1次会のあと会社へ戻ることにあらかじめ決めていた私と彼。
カバンだってオフィスに置いてきた。
が、2次会へ移動するとき、さすがにある意味主役の私が行かないのは
マズイかなという感じもあった。
ここは、こっそり抜け出さなくちゃ。
しかし、みんなが探しに来る。
どうしよう?
すると、同期の一人が「おまえら隠れてろ」。
「こっちにはいません」
そういって、逃がして?くれた。
どうして同期がそんなことをしてくれたのか、未だに謎なんだけど。
とにかく、そのおかげで彼と私は二人きりになることができた。
会社までは電車
で戻るのがいつものことだったけれど、
「駅にいると見つかって連れ戻されるかも知れないし、
今日はタクシーで戻ろう」
彼の提案に従う。
まるで恋の逃避行!?
タクシーに乗っているときも、ずっと手をつないでいた。
二人でいられるのも、もう最後だなと思いながら。
彼の手は本当に温かかった。
会社のあるビルまで戻ったけれど、いつものように二人揃ってオフィスに戻り、
彼の残業の手伝いしたりする気分ではなかった。
それを察してくれた彼は
「もう上にあがらないでしょ?カバン取ってくるから待ってて」
一人でオフィスから二人分のカバンを持ってきてくれた。
そして、近くのホテルの最上階にあるバーへ。
大したことは話していない。
今日で終わり、とかそんな湿っぽいことも言わない。
明日もその後も、永遠にこの状態が続くんじゃないかと思ってしまうくらいに
いつも通りの二人だった。
ただ、帰らなくちゃいけない時間が迫ってくるのだけがコワかった。
そして、ついに…
指が長くて、女の人みたいにスベスベしている。
でも、細すぎることもなく。
繊細な感じ。
足の指も、実は長い。
カラダはどちらかというとガッチリしているので、ちょっとアンバランス。
そこがいい。
初めて手をつないだとき。
送別会&忘年会の飲み会ラッシュの始まりで、
私はいきなり記憶を失うところまで飲んでしまった。
翌日。
「おまえ、ずっとアイツと手をつないでたよ」
上司に言われてしまった。
え?そういえば。
すぐ隣にいた彼の手を、いつの間にか握っていたような、かすかな記憶。
すごく安心できた。
彼はイヤじゃなかったのかな?
「仕方ないなぁ」って、甘えさせてくれていたのかも。
そのあとも、何度か飲み会の席で、彼と隣り合わせに座ることがあり、
お酒が入っているのをいいことに、
他の人がいるにもかかわらず、
テーブルの下でこっそり手をつないだりしていた。
あるとき、取引先の人たちとの飲み会で。
いつものごとく手をつないでいるのを
テーブルの下をたまたま覗いた人が見つけてしまった。
「あー、手つないでる~!」
もう2次会。メンバーも日頃から仲のいい人たち。
「酔ってるから仕方ないねぇ」で終わった。
それにしても、指摘されても手を離さなかった私たちは大胆だった?
職場最後の日の前日。
その夜も、また取引先を交えた忘年会。
もちろん送別会も兼ねてくれている。
1次会のあと会社へ戻ることにあらかじめ決めていた私と彼。
カバンだってオフィスに置いてきた。
が、2次会へ移動するとき、さすがにある意味主役の私が行かないのは
マズイかなという感じもあった。
ここは、こっそり抜け出さなくちゃ。
しかし、みんなが探しに来る。
どうしよう?
すると、同期の一人が「おまえら隠れてろ」。
「こっちにはいません」
そういって、逃がして?くれた。
どうして同期がそんなことをしてくれたのか、未だに謎なんだけど。
とにかく、そのおかげで彼と私は二人きりになることができた。
会社までは電車

「駅にいると見つかって連れ戻されるかも知れないし、
今日はタクシーで戻ろう」
彼の提案に従う。
まるで恋の逃避行!?
タクシーに乗っているときも、ずっと手をつないでいた。
二人でいられるのも、もう最後だなと思いながら。
彼の手は本当に温かかった。
会社のあるビルまで戻ったけれど、いつものように二人揃ってオフィスに戻り、
彼の残業の手伝いしたりする気分ではなかった。
それを察してくれた彼は
「もう上にあがらないでしょ?カバン取ってくるから待ってて」
一人でオフィスから二人分のカバンを持ってきてくれた。
そして、近くのホテルの最上階にあるバーへ。
大したことは話していない。
今日で終わり、とかそんな湿っぽいことも言わない。
明日もその後も、永遠にこの状態が続くんじゃないかと思ってしまうくらいに
いつも通りの二人だった。
ただ、帰らなくちゃいけない時間が迫ってくるのだけがコワかった。
そして、ついに…