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いちばんだいじ

日々の暮らしの中で、人生で。一番大事なこと、大事なモノを見つけるために

再会

2006-05-14 13:13:08 | My Sweet Alligator
だけの関係だった時に、エレベーターの彼に話したエピソードのひとつは、
あの人」との間にあったこと。

「で、その人とは今も?」
そんな問いかけがあった。
「今はないです」
と答えたけれど、ホントは違う。

「あの人」への気持ちは今も変わらないと思ってる。
半年以上前になるけど、二人で逢った。
異動の前に逢って以来、4年半ぶり。
その間、たまにメールしあったり。
何度か、電話してきてくれたこともあった。
こちらからはしていない。

ホントは、朝まで一緒にいたかった。
できるならそうしたい、と彼も思ってくれていた。
だけど、無理な理由もわかっていたので、強くは言わない。

彼のスケジュールの都合で、一緒にいられる時間は2時間ちょっと。
貴重な時間を有効に使って、誰の目も気にせず逢いたかったので、
彼の宿泊するホテルから少し離れた駅前のホテルに部屋を確保した。
料金だけ払って宿泊はキャンセルするつもりで、自分で予約した。

彼の到着予定時刻よりかなり前にチェックインした。
部屋から新幹線が見える。
おそらく、コレに乗ってるんだろう。
そんなことを思いながら、連絡を待つ。
でも、なかなか来ない電話。

我慢できず、こっちから電話する。
「今、部屋に入ったところ。これから出る」
そんな返事が返ってきた。

しばらくすると、部屋をノックする音。
彼だ。
ドアを開ける。
夢にまで見た彼が入ってくる。
ホンモノだ!
本当はすぐにでもとびつきたいくらいに逢いたかったのに、
ぐっと我慢して一人ベッドにもぐりこむ。
ツインの部屋。
もうひとつのベッドに腰掛ける彼。
いろんな話をしてくれる彼の顔をずっと見つめている私。

「変わんないね」
そう言ってくれる彼。

彼も昔のママ。
長いブランクが嘘のよう。
体型は若干変わったかな。

ひとしきり話してから、私の横にもぐりこんでくる彼。
そのカラダにぎゅっと抱きつく。
「逢いたかった」
それから…。

長旅の疲れからか、眠ってしまった彼の頭を腕に抱いて、そっと髪をなでる。
昔の通りだ。
なんだか安心する。

時間が来てホテルを後にする。
目の前の駅まで見送ってくれる彼。
出逢って間もないころのように。

別れ際、改札の前で。
(次に逢えるのは何年先?)
(もしかして「次」は来ないの?)
(時間が止まればいい。もっと一緒にいたい)
そんな後ろ髪引く想いを断ち切って、私が言う。
「今日はありがとう。じゃあね」
真正面から彼が近づいてくる。
そして、ほんの一瞬、さりげなく唇を重ねる。
私たちのいつもの別れの挨拶。

いつもならクルマの中で、何も気にすることはない。
でも、こんなところで。他に人がいるっていうのに。
大胆。
前にも、昼間の銀行のATMコーナーで突然KISSしてきたことがある。
電車で並んで座っていて、私が先に降りる直前、頬にKISSしてきたことも。
他にもたくさん人が乗ってたので、ちょっと驚いた。
海外で暮らした経験が、そうさせるの?
もちろん、私にとってはすごく幸せなんだけれど。

その彼が、こんなにすぐに帰ってくるとは思ってもみなかった私は
帰りの電車の中で、
ついさっきの幸せなKISSの余韻と、
もう逢えないかもしれないという大きな不安との狭間で
揺れ動いていた。